2020年春のつくば植物園(花木)

つくば植物園の再開を知って2020年4月7日と9日、屋外の散策を楽しみました。

しかし、茨城県よりの外出自粛要請を受け、14日より5月6日まで再び休園に。

この間に二度入園できたことをありがたく思い、残りの写真を整理することにしました。

 

7日、真紅のシャクナゲツツジ科)が見頃でした。

ロドデンドロン・アルボレウム

ヒマラヤ、ネパールなど東南アジアから中国南部原産。ネパールの国花。

私は六甲高山植物園で初めて見ました。

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門の近くにある「アカボシシャクナゲ(赤星石楠花)」 。

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 懐かしい リキュウバイ(利休梅 バラ科)は散り始め。

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昨年の4月9日はちょうど見頃でした。

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 優しい薄紫色は ムラサキハシドイ (ライラック・リラ)。

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 「リラの花咲く頃」は69年前のラジオ歌謡だったとか。

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 チチジマキイチゴバラ科)Rubus nakaii

これは小笠原諸島(父島)に分布する絶滅危惧ⅠA類の珍しい花。

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輝くような白い花。

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 これは昨年4月14日の画像です。

小笠原の絶滅危惧種が寒いつくばの屋外で育つことにも驚きました。

小笠原ではヤギに食べられてしまうとか。

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ムレスズメマメ科)も初めて見た花でした。

こちらは中国原産。

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優しい色の花ですが、痛そうな棘がありました。

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 これは何でしょう?

ムベ(郁子・野木瓜 アケビ科)の花でした。

「むべなるかな」は天智天皇が発せられた一言だったそうです。

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また果実も見たいですね。

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 これは昨年4月14日の中央広場のシャクナゲ ’太陽’ です。 

中央下の人と比べると高さ10mくらいあるでしょうか。

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そんなに咲かなくてもと思うほど華々しい。

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こちらは今年4月9日の同じ樹です。

花は?

右端にやっと1花見つけました。

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近くへ行くと蕾も散見されましたが、昨年との違いに驚きました。

果樹のようにシャクナゲの花も一年おきに豊作なのでしょうか?

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昨年の植物園は平和でした。

今頃は「さくらそう品種展」が教育棟の内外で開かれていました。

今年再開時は屋外の展示のみ準備されていましたが、それも中止。

さらに4月16日緊急事態宣言が全都道府県に拡大されました。

早く平和が戻りますよう祈るのみです。

 



 

2020年春のつくば植物園(イカリソウなど)

春の花を楽しみにしていたつくば植物園も今春は新型コロナウイルス禍のため、2月29日から休園になりました。

茨城県は3月16日までは感染者無しでしたが、昨日100名を超えました。

緊急事態宣言の対象にはならなかったものの、つくばエクスプレスで東京に直結していることからも不安な毎日です。

初めは春休みまでとされた小中学校の休校も5月6日まで延長。

植物園も同様かと思っていましたが、HPでは3月25日から再開(但し屋外のみ)と。

4月7日(火)久しぶりに植物園に行ってみました。

駐車場には車が2台のみ、園内も人影は殆どなく、ほっとする大空間でした。

樹々の若芽が出る頃、思わず深呼吸しました。

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カタクリ(片栗)ユリ科

最初の林床ではヒメウズの間にカタクリ

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ムラサキケマン(紫華鬘)ケシ科

続いて何とムラサキケマン

庭のプランタームラサキケマンに比べて何と可憐なこと!

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ニリンソウ二輪草キンポウゲ科

こちらではニリンソウと仲良し。

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さらに水辺ではニリンソウの群生。

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セントウソウ(仙洞草)セリ科

常緑の葉が気になっていたセントウソウにも白い細かい花が咲いていました。

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 ミツワガシワ(三槲)ミツワガシワ科

早春の花ミツワガシワも終盤ながらまだ池一面に咲いていました。

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昨春、夢中になった花です。

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フデリンドウ(筆竜胆)リンドウ科

つくばね橋を渡った途端、久しぶりにフデリンドウに出会えました。

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イカリソウ(錨草・碇草)メギ科の多年草
岩礫地(山地性)ではイカリソウ群が満開でした。

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葉はハート型で艶がない。

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イカリソウは蜜を貯める4本の距が船の錨のような形をしています。

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トキワイカリソウ(常盤錨草)

本州の日本海側に自生。葉が落葉せず常緑で光沢があるのが特徴。

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花は白色から紅紫色でイカリソウと同じ。

右上にはみつまたに分かれる若葉が見えます。

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ヒメイカリソウ(姫錨草)

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イカリソウバイカイカリソウとの雑種。

葉は冬は枯れ、葉の裏面には開出する細毛があるそうです。

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距があるものとないものがあるそうですが、これは短い距がありますね。

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スズフリイカリソウ

もう一種、奥の方に珍しいイカリソウがありました。

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遠くで花が撮れていなかったので再訪、でも近寄れないので接写できません。

できるだけ拡大したら白い錨が短いことはわかりました。

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 この植物園ではカツラの大木の下に4種のイカリソウイカリソウ・ヒメイカリソウ・トキワイカリソウ・スズフリイカリソウ)が植栽されていたことがわかりました。

 

 追加バイカイカリソウ

これは2015.4.24.愛知の庭で咲いたバイカイカリソウ(梅花錨草)です。

花には距がありません。

ヒメイカリソウイカリソウとこのバイカイカリソウとの雑種だと今回知りました。

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本当は春の植物達に会いに毎日でも行きたい植物園です。

この禍が何とか早く去ってくれますよう祈ってやみません。

 

 

 

 

大型プランターの花達

庭隅の大型のプランターに昨年植えたフクジュソウキンポウゲ科多年草)が大きく育って葉を広げました。

初め花だけ咲いてからもう1か月余、葉が茂ってからの花もいいものです。

白い花はビオラ(3月16日)。

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昨年5球植えたムスカリユリ科の耐寒性球根)にも家族がいっぱい増えました。

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しかし オオバナノエンレイソウ(ユリ目シュロソウ科の多年草)は消えました。

これは昨年咲いた花。

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その跡地に晩秋から育ってきたのがこの葉。

初めは緑色でしたが寒さと共に赤褐色を帯び、どんどん成長しました(2月14日)。

3回3出複葉、これは何の葉でしょう?

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そういえば少し離れたところにキクザキイチゲも植えましたが、これも見当たりません。

葉の色は似ていますがキクザキイチゲキンポウゲ科)は輪生する3出複葉。

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3月22日、緑色に戻って拡がった葉。さらにところどころに蕾も出現!

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あらあら!これはムラサキケマン(ケシ科)だったのですね!

昨年のオオバエンレイソウについてきたのでしょうか?

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花は交互に積み重なるように咲きます(総状花序)。

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かくして今やムラサキケマンの花盛り。右は冬越ししたプルモナリア(青)。

その上のピンクの花は今年植えた スカビオーサ(西洋マツムシソウ)。

ムラサキケマンは丁度いい具合にプランターの隙間を埋めてくれました。

ビオラ(バニーイヤーズ)が同じような色だったため、あまり違和感がありません。

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プルモナリア(ムラサキ科 耐寒性宿根草)は昨年より大株になってよく咲いています。

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ムラサキケマンは日毎に大きくなり、高さ約30cm、花茎は30本以上あります。

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予期せぬ寄せ植えが完成したようです(2020.4.3.)。

                ↓この木はイヌシデ。

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昨年このプランターには主に山野草を植えてみました。

しかしここのように西日があたる所には無理なものが多く、枯らした後には偶々見つけた苗をちょこちょこ植えていたらこんなになりました。

ムラサキケマンも今年は楽しみましたが、種が飛んで来年はあたりの芝生にまで生えすぎて悲鳴を上げることになるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤブコウジとの1年

ヤブコウジ 

 藪柑子  サクラソウ科ヤブコウジ属常緑  の小低木

 学名 : Ardisia japonica 

 別名:十両(ジュウリョウ)

 分布:日本・朝鮮・中国・台湾。

 

家の周りは「犬走り」とよばれ、 一般にはコンクリートや砂利で埋めるようです。

でも私は敢えて土を残し一部にはレンガの小径を追加してもらいました。

しかし、転居後すぐ芽生えた雑草に慌て、玄関脇は前庭と同時に庭師さんに依頼。

届いたプランの下草はヤブコウジクリスマスローズツワブキでした。

ヤブコウジは想定外でしたが試してみることにしました。

 

2018.11.20. ヤブコウジ植え込み終了。緑の葉の陰に赤い実がちらほら見えます。

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数十株のヤブコウジ。左手前の大きい葉はヒャクリョウ。

前の庭にもヤブコウジはありましたが1株だけ。こんなに植えてはもったいない感じでした。

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ツワブキシャクナゲ、前の庭からのクリスマスローズなども加えて完了。

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しかしその後は−6℃に達する寒さとつくば 下ろしが苗を傷めました。

 2月1日、雪の日のヤブコウジツワブキ(左上)。

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3月10日、ヤブコウジの葉は紫褐色に変わり果てました。

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4月7日、枯れるのか、回復するのか悩ましい状態です。

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5月2日、若葉が出てきました。どの株も生きていたのです!

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紫褐色に痛んだ葉に緑色が蘇り、中心からは若葉が広がりました。

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伸びた地下茎の先にも若葉が育っています。

小さな蕾も見えていますがその後の花の写真を撮りそこねました。

(花は前のブログのツルヤブコウジ とよく似ていました。) 

 

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9月12日、通路の両側にヤブコウジの緑が広がりました。

東側は日差しが強過ぎて葉が黄ばんでいます。右はマホニア コンフューサー。

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10月31日、日陰ではヤブコウジ本来の濃い緑の葉が繁茂。

ツワブキも大株に育ちました。

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12月6日、ヤブコウジは2年目の冬も紅葉しました。

しかし、昨冬のような枯れ色はなく、豊かな紫紅色です。

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2020年1月10日、ヤブコウジの紅葉は日当たりが良いところに顕著。

ツワブキ(右)は育ちが悪く貧弱でしたが綿毛になっています。

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午前中 日が当たるところのヤブコウジの葉は紫紅色。

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3月21日

奥の日陰になる部分ではヤブコウジの葉はやや紫色を帯びた深い緑色です。

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東側のヤブコウジは昨年に比べ株は育っていますが、葉が焼けて褐色が目立ちます。

冬の寒さと夏の直射日光、共に苛酷だったようです。

今年はここのヤブコウジを少しづつ前庭の日陰へ移し、造り直そうと思っています。

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ヤブコウジには斑入りなど多くの栽培品種があります。

江戸〜明治時代には驚くべき高値で取引されていたことがあったそうです。

ヤブコウジが一面に繁ったらいいなと思いましたが、日当たりの良いところでは無理でした。

しかし半日陰や日陰ではグランドカバープランツとしてお薦め出来ます。

 

今年の早春は新型コロナウイルスにかき乱されましたが間も無く桜が咲きます。

次のブログには春の花たちがお待ちかねです。

 前の庭から送ってもらったクリスマスローズもこんなに大きくなりました。

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イブキジャコウソウの四季 

 イブキジャコウソウ

  伊吹麝香草  シソ科イブキジャコウソウ属小低木

日本に自生する唯一のタイム。

命名伊吹山にたくさん自生し、摘むと良い香りがすることから。

学名:Thymus quinquecostatus 

分布:日本・中国、ヒマラヤ、アフガニスタンにかけての温帯から寒帯。

 

2018年12月、移植したツバキ侘助の株元は土が露出、からっ風で土埃が舞いました。

グランドカバープランツが必要です。

先ず、花友達 Iさんからいただいたイブキジャコウソウ苗を植えました。

左のクリスマスローズは11月に植えたニゲル、右は旧庭からのオリエンタリス。

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1〜2月は氷点下の日が続き、連日霜柱が出来ました。 

春を待って2019年3月中旬、イブキジャコウソウを10株購入。 

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 5月 イブキジャコウソウ一斉開花。

オダマキミヤマホタルカズラクリスマスローズなども咲いて春らしくなりました。

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イブキジャコウソウ草本だと思っていたのですが、 小低木だったのですね。

高さ:5〜15cm。

初夏、枝の先端に短い花穂をつけ淡紅色の花を咲かせます。

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花冠は唇形、上唇はわずかに2裂、花唇は3裂して開出。雌しべ1本、雄しべ4本。

 萼は筒状鐘形。

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5月8日、アオスジアゲハが蜜を吸いに来ました!

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花が終わると急に枝が伸び、葉が繁りました。

7月、カワラナデシコとも良いコンビです。

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 8月、その後も地を這いながら伸長、土が覆われました。

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1株で直径50〜60cmの円形に繁茂。

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9月 ルリトウワタと共演。

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ルリトウワタの種髪の引き立て役になりました。

葉は対生、卵形で長さ数mm。

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11月には倒れ込んだリンドウのベッドにもなりました。 

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2月14日、暖冬とはいえ時に−3℃になる当地では緑色は保てず、赤褐色調に変色。

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3月9日、イブキジャコウソウは紫褐色を帯び、葉もやや疎になっています。

冬中咲き続けたピンクの侘助もそろそろ終わり。

クリスマスローズはニゲルが終盤、オリエンタリスは咲き始め、ビオラと共演です。

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 近くで見ると葉の色はカラフルです。

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こうして緑になっていくようです。

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 葉は厚目で腺点があります。

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裏側は紫色を帯び、やはり紫色の腺点が見えます。

葉に触れて揺すると爽やかな香りが漂いました。

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花の接写写真が撮ってありませんでした。今年追加しましょう。

この1年、庭中にグランドカバープランツが入用で、その選定に悩みました。

イブキジャコウソウは日向では最も優れたグランドカバープランツと思います。

間も無く緑のカーペットになってくれることでしょう。

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筑波山梅林

 筑波山の中腹標高250m付近に筑波山梅林があります。

去年は機を逸した「筑波山梅まつり」が今年も2月15日から始まりました。

やはり一度は見たくて平日シャトルバスで行ってきました。

つくば駅から35分、「筑波山神社入口」で下車、坂道を500mほど下ると梅林入り口です。

ここから展望あずまやまでは上りの坂道ですが、梅まつり中は「身体の不自由な方専用無料循環ワゴン」がピストン運行、私共も乗せていただけました。 

カーブの多い山道を登っていきます。

 目指すはこの茅葺き屋根のあずまや。

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紅白の梅が程よく配置されています。

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ここからは木道を歩いて展望台に上がります。f:id:yuusuget:20200222234436j:plain

 

  この梅林は1966年(昭和41年)筑波山観光開初の一環として4,5haの荒地を開墾造成、3,000本の梅が植えられたそうです。

当初は梅の実が収穫出荷され、1974年には第1回梅まつりが開かれたものの次第に人手不足のため放置されるようになりました。

2005年つくばエクスプレス開通に合わせて2000年から再生プロジェクトが開始され、残っていた1300本の梅を剪定もしくは伐採し、800本が残されたのだそうです。

 今年の梅まつりは第47回目。木道にも修理の跡が見られます。

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今日は紅梅はほぼ満開、白梅は5分咲きくらい。

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全体では白梅が紅梅の4倍くらい多いようですが、紅梅は早咲きのためこの日は紅梅の方が多いような気がしました。

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かなり老木もあるようです。                          

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地衣類に 覆われた幹。

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白い花弁の一部にうっすらとピンクが入るのは名のある園芸種でしょうね。

残念ながら平日は案内のボランティアさんはみえません。

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筑波石と呼ばれる班れい岩が梅に趣を添えています。

筑波山は中腹から山頂には班れい岩、山麓には花崗岩御影石)が分布しているそうです。

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 あずまやもかなり老朽化しています。

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最上部は造り直されたばかりの立派な木造でした。

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 あずまやを守るかのように伸びた老木の枝。

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眼下にはたくさんの岩が散在しています。

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あずまやからは関東平野が見渡せます。

晴れるとスカイツリーも見られるそうですが、この日は霞んでいて残念!

「 霞ヶ浦まで18.5km」

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「富士山頂まで155.6km」

新宿副都心のビル群がうっすら見えましたが、カメラでは判別できません。

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どこも梅の香りが満ち満ちています。

犬を連れた人にもよく会いました。

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 木道の下は南斜面ではオオイヌノフグリのブルーを見つけました。

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 梅は咲いたものの、新型コロナウイルス警戒のため今年の梅まつりは人出が少なく、この日はシャトルバスも循環ワゴンも空いていました。

花を見るにはありがたかったのですが、早く終焉するよう願うばかりです。

 

 

ショクダイオオコンニャク

ショクダイオオコンニャク

 燭台大蒟蒻 サトイモ科コンニャク属の植物

学名:Amorphophallus titanum

自生地:インドネシアスマトラ(別名:スマトラオオコンニャク )

 

1月19日、暖かい日差しに誘われ、つくば植物園に行くことにしました。

ところがいつもは静かな植物園の入り口に満車の立て札、警備員が旗を振っていて入れません。

何事かと携帯で検索すると18日世界最大の花・ショクダイオオコンニャク開花と。

開花は2日間だけ、それも数年に一度だそうです。

やはりもう一度出直すことにしました。

3時過ぎ再訪、今度は辛うじて入園できました。

 

受付でいただいた「コンニャク新聞」に掲載されていた写真です。

満開時の花序は高さ2m32cm、直径86cm。

f:id:yuusuget:20200127222532j:plain 1月18日(土)22時半。

 

 特設の入り口を通り行列の末見たのは怪物のような花、正しくは花序でした。

下半分のひだを寄せたような部分が仏炎苞、上の灰色の部分が付属体。

今回の満開は1月18日21時半だったそうです。

この写真は19日15時47分撮影、すでに仏炎苞がしぼみかけていました。

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咋年11月6日 この大きな鉢に重さ67kgの塊茎を移植。

12月16日 発芽。その後は濃緑色の鞘状葉に包まれて成長。

1月 2日  付属体出現、これで花芽と確定。

1月13日 花芽を包んでいた鞘状葉が枯れて剥落。 f:id:yuusuget:20200126225333j:plain 1.19.15.43.写

1月14日 仏炎苞のフリル部分が赤くなり高さ220cmに。

18日夜 ついに開花、湯気が出て、キャベツが腐ったような臭いがしたそうです。

19日にはもう仏炎苞の赤いフリル部分が少しづつ萎んでいきます。 f:id:yuusuget:20200126225522j:plain 1.19.15.48写

 

 1月19日夕方、仏炎苞に小窓が開けられたことをHPで知りました。

20日は月曜、普段は休園日ですが特別開園。行ってみましたがやはり満車。

翌21日の11時にもまだ満車、また午後出直し辛うじて駐車、温室に直行!

確かに仏炎苞の下方に 小窓が開いていました。

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カットした仏炎苞の窓部分と採取された花粉。

仏炎苞の内部は暗赤色です。

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窓の中。上に雄花、下に雌花が整然と密に並んでいます。

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精一杯拡大すると上の雄花周りには花粉が一部は糸状になって付着。

雌花は子房・花柱・柱頭の模型のよう。

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通路にはいろいろな説明展示がありました。

自生地での花粉の運び手「シデムシ」の説明、花の色素(5種類のアントシアニン色素)・臭いの成分(ジメチルトリスルフィドなど)の解析結果など 熱がこもっていました。

 

これはショクダイオオコンニャクの芋(塊茎)です。

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芽の出始め。

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葉の展開(前2鉢)。

長い葉柄と大きな葉、これだけ合わせて一枚の葉だそうです。

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ショクダイオオコンニャクの花が咲くのは自生地でも珍しいことだそうです。

日本での開花記録は今回で19例目。

つくば植物園では2012年から一年おきに咲き今回が5回目、最多記録です。

その他は神代植物園4回、フラワーパークかごしま3例、小石川植物園2回など。

つくば植物園のショクダイオオコンニャク育ての親たちは娘のお産に立ち会う母親のようにいつ開花するか気をもみ、つきっきりだったようです。

 さらに詳しい経過をご覧になりたい方は下の「コンニャク日記」をどうぞ!

(下の太字部分をクリックして下さい。)

追 記

 ショクダイオオコンニャクは開花時の悪臭のためか、2009年にイギリス王立園芸協会が行ったインターネット投票では「世界で最も醜い花」に選ばれたそうです。