つくば植物園の温室(熱帯資源植物温室) バナナ

つくば植物園には温室が6棟あります。

サバンナ温室・熱帯雨林温室・熱帯資源植物温室・多目的温室・水生植物温室・温室絶滅危惧植物温室。

私は暑さに弱い方ですから温室はやや苦手ですが、寒い季節には夢のような空間です。

まずは熱帯資源植物温室へ入ります。

冬季温室へ入るとカメラのレンズが結露し、拭いても拭いてもなかなか晴れません。

今年はポケットに入れたスマホで撮ってみます。

大丈夫でした。結露せず、すぐ撮れました。

 

バナナ

  甘蕉、実芭蕉  ショウガ目バショウ科バショウ属の大型多年草

  英名:banana 

真っ先に目に入るのは緑豊かなバナナの葉、花や実もあってたちまち南国気分です。

しかし、バナナとは何ぞや? 

どこにもあるバナナですが調べてみると謎多くむつかしい植物でした。                     

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バナナはバショウ属の果実ですが、野生のバナナの実は種子が多くて食べられません。

ところが紀元前数千年のころには既に種子なしバナナが栽培されていたようです。

しかしその種子なしバナナの起源は長い間なぞに包まれていました。

これが明らかになったのはやっと1955年、イギリスの植物学者シモンズらの遺伝子研究の成果でした。

その結果、種子なしバナナは主にムサ・アクミナタ Musa acuminata と ムサ・バルビシアーナ Musa balbisiana  (リュウキュウイトバショウ) の倍数体や交雑種であることが判明したのです。

しかし野生のムサ・アクミナタ や ムサ・バルビシアーナ の実には多数の硬い種子があり、食用にはなりません。どうして種子がなくなったのでしょう?

園内のパネルではこのように説明されていました。

『種の入ったバナナは染色体を2組持つ「2倍体」ですが、これが突然 染色体を3組もつ「3倍体」になったのです。3倍体だと正常に減数分裂ができないため種ができなくなりました。』

東南アジアで創られた栽培品種はアフリカへ、さらに中央・南アメリカへと広がり、さらに多種の甘くおいしいバナナが創られました。

この植物園にはバナナの栽培品種や野生種が数種植栽され、果実も収穫されています。

 

センナリバナナ

 学名:Musa chiliocarpa( Musaはリンネによる命名

昨秋 王冠のようにあでやかな花が咲いていました。

めくれ上がった紅い苞の下に2段づつ花が咲きます。

上の方はすでに小さな緑色の果実が見えます。

役目を終えた苞は巻き上がって段状に残存。

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                          2021年10月28日

 

6週後、あの輝きはどこへやら、ぼろを纏ったかのような姿です。

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                                                                                    2021年12月9日

 

しかし 既にぼろの奥には黄色っぽい小さなバナナが見えています。

ぼろに見えるのは茶色に縮んだ苞・長く突出する雌しべの白い花柱・茶褐色に縮れた雄しべ。

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                                 2021年12月9日

 

さらに7週後にはもうぼろはなく、センナリバナナの名の如く、多数の小さいバナナが下がっていました。

下の方では再び開花が始まっています。

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                               2022年1月28日

 

渋い赤色の苞には黄色の花が並んでいました。

赤く縁取られた葯と並んだ柱頭が美しい。

雌花と記載されていますが、両性花のようです。

蜜も滴り落ちています。

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                         2022年1月28日

                        

アカバナナ

  Musa 'Morado'

 見上げるとはるか上の方に赤い花と房になった果実が見えました。

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                        2022年1月30日

古い布のような紫紅色の苞。

このバナナは酸味があって料理用だそうです。

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                         2022年1月30日

バナナ’仙人蕉’

新しい果穂ができそうです。

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ムサ・バルビシアーナ (リュウキュウイトバショウ)

  Musa balbisiana  

これはムサ・アクミナタの倍数体と交雑して種無しバナナを作ったとされるムサ・バルビシアーナです。天井に届きそうな高さに育ち、子孫も増えています。

リュウキュウイトバショウは沖縄で芭蕉布の原料としても栽培されているバショウでした。

芭蕉布で着物を1枚作ろうとすると、3年かけて育てたリュウキュウイトバショウが200本いるそうです。

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長い穂状果穂が下垂して先端に暗紅色の苞が見られます。

花や果実が見られるかどうか、これからも観察していきたいと思います。

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もう一つ、付記することがあります。野生のバナナの送粉者です。

たっぷり蜜の入った大きな花、花は夜開き、花の色は昆虫には見えない赤色。

驚くなかれ、コウモリでした!

一方、バショウ属の中でも昼間に花が上向きに咲くヒメバショウはハチドリが送粉するそうです。

今まで無関心だったバナナやバショウが少し身近な存在になりました。

 

 

初雪 2022

明けましておめでとうございます。

1月7日、昼過ぎから雪が降り始めました。

予報は夕方からだったのに、大粒の雪が勢い良く降り続きます。

午後1時27分。

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乾いた庭に雪は見る見る積もります。

3時間後、庭は隅々まで白く覆われ、フヨウ(左)にまた花が咲きました。

右は銀葉のゴンフォスティグマ

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ヒメシャラの実。

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つくばい周囲。

雪は魔術師、ツワブキ(左)にもまた白い花が咲き、オモト(右)の葉はタコのよう。

画面中央のシモバシラの霜柱もこんもり厚化粧。

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左はゴードニア (タイワンツバキ)。

厚い葉の上に乗った雪が白い花弁の大きな花のようです。

右の常緑ヤマボウシの葉は薄くて雪を保持できません。

口が欠けた古備前風の壺も初化粧。

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ドッグラン用に張った幅1cmほどのビニールコードにも雪が積もりました。

左は3年前愛知の庭から運んで来たナツツバキ。

中央に保育園の明かりが見えます(午後4時40分)。

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左のプランターの木はイヌシデ、細い枝に積もった雪が重そうです。

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プランターの中で咲いていたビオラなどは雪で見えません。

近づくとスノードロップが1輪だけ覗いていました。

これぞまさしく スノードロップ

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翌朝は青空、 ロフトの窓から撮った雪景色です。

左の大きな木はつくばいの近くのナツツバキ、右端は常緑ヤマボウシ

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息子の家へ仔犬(生後5ヶ月)に会いに行きました。

初めての雪と雪だるまに大興奮、元気で飛び回っていました。

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記録的寒波 

12月27日−6.5℃以来昨日まで13日間、最低気温は−3℃以下。

このうち12月31日以外は−4℃以下でした。

こちらへ来て最も寒いお正月!

さらに1月7日早朝は−7℃まで下がり、午後初雪が降りました。

つくばは気温の割には雪が少なく、過去100年の記録をたどっても積雪30cmを超えたことはありません。20cm以上の積雪があった年は10回、最終は2014年の26cm。

今回の積雪は8cm、これらは気象庁つくば(舘野)のデータです。

幸い強風は吹かず、愛知の雪に慣れた私共には雪景色は懐かしくさえ思えました。

しかもこちらの寒冷地用の建築は暖かく快適。

今日はやっと北側の道路の雪が解け、花壇にビオラの花の色が戻りました。

 

シモバシラの霜柱など 2021 

シモバシラの霜柱については既に2020年1月19日2020年12月23の2回載せました。

しかし今年も追加所見があり、またまた記事に残したくなりました。

今年初めての霜柱は12月19日、最低気温−4.9℃の朝でした(9時13分)。

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12月19日10時23分 殆ど解けてまだ緑色を残したような茎が現れました。

まだ茎が乾き切らず、落ち葉も色を添えて若々しい感じです。

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右の大きな糸巻きは10時過ぎてもまだ凛とした姿を保っています。

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12月20日最低気温−4.4℃    皮層が裂けて昨朝より賑やかです。

誤って指が触れて右の長い氷華が落ちてしまいました(9時18分)。

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落下して朝日に輝く氷華片。周りの白いものはヤツデの花殻。

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12月27日

最低気温−6.5℃の朝7時13分、居間からはっきり見えるほど大きな霜柱です。

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豊かな白い造形に寒さを忘れるほどでした。

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接写はやはりスマホが便利です。

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連日の氷結で皮層は裂けて遊離しよれよれになりました。

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霜柱は午後3時過ぎても未だ解けきりません。このまま再凍結しそうです。

後の緑はキチジョウソウ。

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翌12月28日も最低気温ー6.4℃。霜柱はさらに過密になりました。

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家の北側のシモバシラは今春嫁に行き、脇に小株が残りました。

12月27日はそれにもしっかり霜柱ができていました。

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やはり翌日まで解けきらず、さらに12月28日には横に張り出して翼ができていました。

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シモバシラの若葉が美しいのは4月。

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白い花が咲きます(9月)。

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花(長い雄しべが突出)。

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今年の新発見は私の庭でも他のシソ科の植物に霜柱ができたことです。

 

セキヤノアキチョウジ

霜柱ができやすい植物のようですが、前の庭でも見たことがなく、今年初めてです。

1)西庭のセキヤノアキチョウジ(植栽3年目) 地表近くに限局した霜柱です。

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花は10月に咲きました。

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東庭のセキヤノアキチョウジ(植栽1年目)。

株元よりやや高い位置に多数出現。緑の葉はフユイチゴ

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花は西の株より淡い色でした。

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ヒイラギソウ の霜柱

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今年3月に植えたばかりです。発育旺盛で5月にはもう花が咲きました。

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サルビア バンヒューティー の霜柱

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今春 サルビア ガラニチカ(紫)・サルビア スプレンデンス(ピンク)の三種を植え込みましたが、霜柱が見られたのはサルビア バンヒューティー(真紅)だけでした。

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ヤマハッカには2020.1.6.に一度だけ霜柱が見られましたがその後は見られません。

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ヤマハッカの花

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  愛知の庭では オルトシフォン・ラビアツスに霜柱が見られました。

  オルトシフォン・ラビアツスの霜柱オルトシフォンの霜柱 2014

 

今年は寒波のため氷華がたくさん見られました(でも家庭菜園の野菜は被害甚大です)。

近くの息子の庭にもシモバシラを試植、朝日が届く所ですがきれいな霜柱ができました。

つくばは愛知より気温が低く雪は少ないので霜柱を見るにはより適した土地です。

苗は園芸店では見かけませんが、春にネット通販で購入すればその冬には小さい霜柱が見られます。庭蔭に余裕があったら是非お試しください。

 

写真の整理に手間取っているうちに今年もあと1日になってしまいました。

どうぞ 良いお年をお迎えください。

 

 

 

 

 

 



4年目の師走

当地へ来て早くも3年が過ぎ、4度目の冬を迎えました。

つくば駅から3km、大通から我が家へと東に曲がると突如田園風景が広がります。

11月23日は筑波山と稲刈りを終えた田んぼ、その間に黄葉した銀杏並木が輝いていました。

今日の筑波山は?と楽しみなポイントです。

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平塚通りの銀杏並木。

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左の塔は国土地理院の測地観測塔。

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大通りのユリノキはすでに落葉。

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花が咲いた木には実が付いています。

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モミジバフウ

  紅葉葉楓 マンサク科フウ属の落葉高木

  北アメリカ原産

つくば市の街路樹としてはトウカエデに次いで多く、約2000本植栽されています。

我が家の近くでは最も多く見られる木で、秋から初冬の紅葉は壮観です。

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紅葉が一斉ではなく、早い遅いがあったり、色も紅・黄・紫と混じり合うのが妙です。

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紅〜黄色。

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黄〜紅〜紫。

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もう今年の紅葉は終盤です。どっさり降り積もった落ち葉。

市の清掃車も来ますが、付近の住人の方は落ち葉掃きが大変です。

こうして街路樹を楽しめる街に住めたことをいつも感謝しています。

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葉の大きさも大小様々でモミジのように5〜7裂、幅7〜25cm。

落ち葉はしっとりした優しい色になっていました。

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たくさん実ができている木もあります。

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イガイガの実がたくさん落ちていました。

直径3〜4cmの集合果。トゲトゲで触れると痛い。

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フウ

 楓 マンサク科フウ属の落葉高木

 台湾原産。江戸時代中期に渡来。

日本のフウ属はフウとモミジバフウの二種のみですから、ここに植物園正門のフウについても併記しておこうと思います。

2021.12.9. 見上げるような大木です。

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クリのような実がいっぱい(2019年12月8日)。

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葉には8〜10cmの葉柄があり、葉身は3裂。

葉は殆ど黄色、時に赤色が混じります。幅 7〜15cm。

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果実は直径約3cmのクリのいがのような球形集合果。

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落ちていた昨年と今年の果実を並べて撮影しました。  

モミジバフウに比べると一回り小さく華奢な感じです。              

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残念ながらフウもモミジバフウもまだ花を見たことがありません。

雌雄別々の頭状花序だそうです。

高所の葉陰で見え難く撮影もしにくいでしょうが、また春を待ちたいと思います。


近況:
2週間前から平日の午前中約2時間、コーギーの仔犬を預かっています。

長いリードをつけて芝生の庭とベランダで半ばフリーに遊ばせます。

でも穴を掘ったり、落ち葉を食べたり、リードが木に巻き付いたりして目が離せません。

とはいえ、思いもしなかった犬と暮らす老後、ありがたいことです。

お蔭で庭の手入れは捗りましたが、ブログの更新は遅れました。

 

 

蘭展 つくば植物園2021

今秋 つくば植物園で「つくば蘭展」が開催されました。

ランはやはり高嶺の花、ランがわからん者の「ラン学事始め」です。

 

1)「つくばコレクション」

10月31日(日)から11月7日(日)まで筑波実験植物園(通称:つくば植物園)が保全する3000種以上の世界の野生ランの中から、美しい花、珍しい花など約200種類のランが多目的温室で公開されました。

初日にはつくば植物園の遊川知久先生の講演「シラン?ワカラン?ランの七不思議」がありましたが、この日は人も車もいっぱい、高齢者は遠慮しました。

ところが展覧会が終わってからYou Tubeで講演が公開されていることに気づき視聴しました。

「シラン?ワカラン?ランの七不思議」

初めに予習してから行けばよかったのに残念でした!

高温多湿の温室内で人を避けて写真を撮るのはむつかしく、画像がよくありませんが、今年の記録として遅まきながら少しだけ報告します。

 

ディモルフォルキス・ベッカリー

ニューギニア島低地の灼熱の環境で育つ奇妙なラン。

現地では花茎5〜7m、葉の長さ1.5mにもなるそうです。

つくば植物園で10年以上育て、3年前に初めて開花したという貴重な花です。

茎は枯れずに同じ茎に3年目の花を付けています(ランとしては珍しい)。

DNA鑑定からフウランに近いランだとわかったそうです。

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パフィオペディルム ミクラントウム

中国南部とベトナム北部の国境地帯に自生。

見事な造形美! クマガイソウやアツモリソウに似ていますね。

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パフィオペディルム スピケリアヌム

原産地:中国(雲南省)〜ブータンの山地

なんとひょうきんな花でしょう!

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あっ!昆虫が入りました。翅が見えています。

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デンドロビウム・カスバートソニー

原産地ニューギニア島

クリーム色に赤褐色の一刷毛、もこもこした葉が珍しい。

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デンドロビウム・ラエビフォリウム

原産地:ニューギニアソロモン諸島など

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コリバス ピクタス

原産地:オーストラリア、ニューギニア

キノコに擬態し、キノコバエが産卵に来て受粉に関わっているという珍しいラン。

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マスデバリア・コッキネア

主にアンデス山脈の雲霧林に生育。

萼片だけが大きく発達してこんな面白い形になったそうです。

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2)ラン愛好団体の作品

アカバナナが咲く大温室に県内の協力団体のラン愛好者の力作が熱帯植物を背に並んでいました(つくば洋蘭会・らん友会龍ケ崎水戸市植物公園蘭科協会)。

初めは「ランの女王」とよばれるカトレアのいろいろ。

そのカトレアの命名には意外なドラマがあったことを知りました。

1818年、イギリスの園芸家カトリーはブラジルから届いた資料の梱包に使われていた肉厚の丈夫な葉をもつ植物に興味を持ち、育てたところ見たこともない華麗な花が咲き、カトリーの名を冠したカトレア属が設けられたのだそうです(朝日百科植物の世界9-203)。

カトレア・ラビアタ

 自生地:ブラジル西北部アマゾン川河口の南側

 長楕円形で肉厚の葉を1枚だけ付け、直径13〜15cmの桃紫色の花を咲かせます。

カトレア・マキシマ 

 自生地:南米ペルーからエクアドル

最近のカトレアの主流。カトレアの中でも最も大型で豪華。

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右端はグアリアンセ・ボーリンギアナ ↓ 。

たくさん花が咲く性質を活かして カトレア・ラビアータとの交配種が多数作られているそうです。

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次はデンドロビウム、でも昔育てたのとはかなり異なりそれぞれ個性的です。

デンドロビウム・キャンディ・ストライプ

      交配種

        優しいストライプに惹かれました。

       

(参考)ランの花の基本構造は6枚の花被片です。

    うち花弁は3枚で2枚の側花弁と中央の唇弁(リップ)。

    そして萼片が3枚。

    中央は雌しべ・雄しべが合体した蕊柱(ズイチュウ)。

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デンドロビウム グリーン ミスト

 交配種

 唇弁にだけ血管のような模様がありますね。

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デンドロビウム ブラマ ツイスト

唇弁以外の花被片が延びて螺旋状に撒いているようです。

「3年目でやっと咲きました」とコメント欄に書かれていました。

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バンダ・コエルレア Vanda coerulea
ヒスイラン属 和名:ヒスイラン 翡翠蘭(命名 牧野富太郎博士)

原生地:インド カシア高地 

ランには珍しく淡青色の地に青紫色の網目模様が入る花です。

「coerule」は「暗青色」の意。

日本には明治30年に渡来。

遊川先生のお話では大正天皇即位式のために和名を付け、新宿御苑に飾られたそうです。

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ハベナリア レグ二エリ

交配種 Habenaria carnea x Habenaria rhodocheila

ランには珍しいサーモンピンクの花です。見事な大株!

サギソウに近い種と。

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エピデンドラム・エブルネウム

原産地:パナマコスタリカ 

白く大きな唇弁と5枚のプロペラ状の花弁・萼片との組み合わせが美しい。

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デンドロキラム・ウェンゼリー

フィリピンの熱帯多雨林で樹幹に着生。

細い葉と穂状の花。ランとは思えぬ姿です。

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ラン科は被子植物の中で最も多様性に富む科です(約800属2万種)。

つくば植物園は「世界の主要なラン保全施設」に日本から唯一選定されているそうです。

今回は「日本固有の希少種」のパネル展示もありました。

この植物園の屋外ではキンラン・クマガイソウ・フウラン・サギソウなども見られます。

私の庭にもシュンラン・シラン・エビネネジバナなどが少しだけ植えてあります。

(前のブログではシュンランシランの花粉塊や種子 を観察を記載しました)

遅すぎの感もありますが、これからもラン科植物を楽しませていただこうと思います。

 

追加 2021.11.30.

まだ 「シラン?ワカラン?ランの七不思議」 のYou Tubeが見られるようです。

ここに追加しますので是非ご覧ください。

 

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スマホの秋2021(つくば植物園)

もともと暑さに弱い上、今夏は新型コロナ第5波が猛威を振るい、植物園に出かける気にもなれずこもっていました。

続く9月の体調不良を抜けると、やはり植物園が恋しい。

しかし杖を手にゆっくりしか歩けぬ身にフレイルが加わり、カメラがより重く感じられます。

そうだ、スマホで行こう。というわけで10月はスマホのみで3回植物園へ行きました。

その中から今回は木の実の写真を並べます。

 

コマユミ 小檀 ニシキギニシキギ

植物園の中央広場と池の周りには黄葉したカツラの大木が多く、なつかしい甘い香りが漂っています。これだけでも来た甲斐があったと思われる至福のひとときです。

池の南端のコマユミはいつも紅葉一番乗り。

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さて、コマユミの実は?

紅い葉の中にはなかなか見つかりません。

下部のまだ緑っぽい葉の間にちらほらと濃いオレンジ色の小さな実がありました。

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ツリバナと同じくニシキギニシキギ属ですから果実の付き方も似ています。

意外に果実が少ないのはもう落下してしまったからでしょうか? 

果実は蒴果。熟すと果皮が裂けて仮種皮(かしゅひ)に覆われた種子が下垂します。朱赤色に見える部分が仮種皮。

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マユミ  ニシキギニシキギ

マユミの果実は裂開が始まったばかり、葉も緑を保っています。

果実の成熟はコマユミより1 か月くらい遅いようです。

マユミの実は高いところにあるのでうまく撮れません。

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ズミ 桷 バラ科リンゴ属

今春初めて見たズミの花の美しさが忘れられません。

どんな実を付けているのでしょう?f:id:yuusuget:20211028001726j:plain

 

2021.10.21. ウメの実くらいの大きさの実がたくさん付いていました。

ところどころ赤い実が混じります。

ブログで見せて頂いた信州の真っ赤なズミの実が思い出されます。

これからもっと紅くなるのでしょうか?

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2021.10.28. 1週間後再訪しましたが、前より紅いとは感じられません。

今年はこれで終わるのでしょうか。

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ハクウンボク 白雲木 エゴノキエゴノキ属の落葉高木

5月 中腹でひっそり咲いていたハクウンボク

どんな実が付いているでしょうか?

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ありました ありました!

ブドウの実のような円い実が垂れ下がっています。

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ふっくら膨らんだ実は直径1.5cmくらい、卵形の蒴果。

この実は晩秋縦に裂け、黒褐色の種子が落ちるそうです。

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ゴンズイ 権萃 ミツバウツギ科 落葉性小高木

行く手に突如派手な赤い実が現れました。

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ゴンズイの実です。

真赤な果皮が割れて黒光りする球果がツリバナのようにくっ付いていました。

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ウツギ 空木 アジサイ科ウツギ属の落葉低木

独楽のような実が上を向いて並んでいるのはウツギ。

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接写してなかったので一部を拡大してみました。

独楽の心棒は1本ではなく、2〜3本づつありますね。

愛知の庭で花は何度も見ましたが、こんな実は見た覚えがありません。

大きくなりすぎるので花後強剪定してしまったのでしょうか?

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ガマズミ 莢蒾 レンプクソウ科ガマズミ属の落葉低木

大らかな緑色の葉と輝くような紅い実が美しく、試食したくなります。

近くにコバノガマズミやオニコバノガマズミもあります。

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クコ 枸杞 ナス科クコ属の落葉低木

真っ赤に熟れた瑞々しい果実、思わず口に含みたくなります。

これがクコの実でした!

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幸い まだ近くに花も咲いていました。上の方に「とげ」が見えます。

若芽、葉、果実のどれも食用になるそうです。

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メギ 目木 メギ科メギ属の落葉低木

葉や木部を煎じて洗眼薬として用いられたことから「メギ」と命名されました。

果実は長さ1cm弱の液果。

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クコよりもっと棘が多いメギは鳥も止まれそうにないとて、コトリトマラズとかヨロイドオシの別名もあります。確かに鋭い棘です。

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ノイバラ バラ科バラ属

これも紅い実と鋭い棘の典型。

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イタドリ 虎杖 タデ科ソバカズラ属の多年草 

         別名:スカンポ スイバ

突如、花かと惑う白い造形が現れました。

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よくみればこれが果穂。白い果実が密に下垂しています。

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中心にある緑色を帯びた部分に種子があるようです。

「果実は翼果で、3枚の萼片が痩果を包み込んで翼状に張り出したもので風によって散布される」Wikipedia

和紙か絹で造ったペンダントの束のようです。

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イタドリは若い茎がニョキニョキ生えているのを見たきり、花も果実も見過ごしていました。

来年は是非花が見たい。それも雌雄異株だそうです。

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イカチ マメ科イカチ属の落葉高木

白の次は黒。

突然大きな黒い造形物がぶら下がっていて驚きました。

くるくると捻ったモダンアートのような実はサイカチの果実。

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長さ30cmくらいの黒褐色の豆果が思い思いに捻れながらぶら下がっています。鞘の中には数個の種子があるようです。

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自由な造形の果実をもつサイカチ の木、幹を見て驚きました。

真っ直ぐな端正な幹です。樹高12〜20m、建材にもなるそうです。

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スマホの写真はぶっつけ本番、中には思いの外よく撮れていたり、撮りたいものがピンボケだったり、いろいろありました。

一番面倒だったのはマスク、顔認証だったのでマスクをしていると認証できず、その都度暗証番号を入れなければならなかったことです。

私のようにオート専門ならスマホに慣れる方が楽でいいのかもしれません。

仔犬と庭

 

9月19日、息子の家に生後8週のウェルシュ コーギー(♂)がやってきました。

チャーリーと名付けられ家族4人にかわいがられて順調に育っています。

私の家との距離は数十メートル、毎日でも会いたくなり、庭に出す時間帯に出かけます。

10月3日。ガウラが満開、花の方にぐんぐん近付きました。

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ガウラって香りがあったのかしら、しっかり匂いをかいでいます。

私も近くでクンクン、やはりかすかな香りがありました。

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あらあら、目の下に花殻がついてしまいましたよ。

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何でも噛みたい。でも玩具は飽きてしまう。

この日は要らなくなったプラのコップをもらって大喜び。

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ついに解体、孫の側で噛み放題。

今は噛みたくてしょうがない頃、私の指も弄ばれます。

でもこの犬歯は尖っていて犬は甘噛みしているつもりでしょうが、結構痛い。

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あ、それ僕のだよ。とらないでね!

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でも子犬は子供が大好き。一緒に遊びたくてしょうがありません。

子供が走れば必死で追いかけます。

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10月13日、うちの庭にもビニール紐を張ってもらいました。

上から1/3くらいの高さの黒い線が見えるでしょうか。

左はナツツバキ、右は樋に結んであります。

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ビニール紐にクリップを通し、螺旋状のスプリングワイアーを付けたリードを挟みます。

これで犬はかなり広い範囲を自由に動けます。

落ち葉は試食品、何でも口に入れてしまいますから先づは落ち葉拾い。

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落ち葉拾いしにくい苔山は絶好の探検場所。

この下にはモグラの通路か住まいもあるはず、臭うのでしょうか?

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フウチソウの花穂にも執心、香りはないはずですが、感触がいいのでしょうか?

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さあ、探検に飽きたら何かかじりたい。

この日はつくばい用のブラシが玩具です。これは硬くて壊せません。

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今日10月19日はここへ来てちょうど1か月です。

初めは片耳づつ垂れていた耳も今では両耳とも立っています。

ヒトでいえば5才頃にあたるよう、孫達と遊ぶのが大好きです。

でも疲れると老婆の膝がいい、昨日は私の膝の上で1時間も熟睡しました。

急に寒くなった雨上がりは子犬もぬくもりが欲しかったのでしょうか。

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今はまだ躾の期間、息子達は試行錯誤しながら努力の日々です。

ワクチンを打ったり、餌の量を考えたり、犬の飼い方も40年前とは変わっています。

世話もせず、好きな時だけかわいがれるのは本当にありがたいことです。

今日はリードなしで放されていて「チャーリー」と呼ぶとまっしぐらに走ってきてくれました!