つくばの春

ここはつくば駅から筑波山に向かって車で約20分の所にあるウェルネスパークです。

うちからは車で15分、我が家の主の通うプールはここにあります。

4月1日、サクラ満開でした。

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のどかな田園風景、中央が筑波山です。

筑波山は標高877m、最も低い日本百名山。古くから神宿る山として尊ばれてきました。

右の枝垂れ桜はまだ3分咲きくらいでしょうか。

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この日の筑波山は何か白っぽい。

何とこの朝は山頂付近で5cmくらいの積雪があったそうです。

雪の少ない筑波で桜が咲いてから雪が降るのは珍しいことです。

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満開のソメイヨシノ

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桜の背景が舗装道路ではなく、竹藪や土手であることがうれしい。

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土手の緑がなつかしい。

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土手にはツクシがニョキニョキ! タンポポの花はまだこれから。

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正面がプールのあるヘルスプラザ(本棟)。

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ここのプールは筑波山が見えるのです。

この遊歩道で1周できます(1km)。

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家から15分街路樹を楽しみながら西大通りを真っ直ぐ走ります。

4月8日プールの帰り道、桜と常緑樹、さらにモミジの新緑の美しさに目を奪われました!

スマホに1枚でもと思いましたが、運転中には撮れません。

近くのコンビニに車を停めて小品を購入後、杖をつきつき歩いて何とか撮影できました。

右側は国立研究開発法人土木研究所。もうヤマザクラも咲き始めたようです。

中央分離帯や歩道の低木もそれぞれに刈り込まれて清々しい。

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ついでにこの3年間に撮った桜の写真の一部をここに載せておきます。

皆、自宅から車で10分以内の所です。

 

筑波大学講内(2022年4月7日)。

桜もたくさんありますが、ここも駐車スペースがなくて写真が撮れません。

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筑波大学の西側の道路沿いの八重桜(2021年4月12日)。

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走行中、あまりの美しさにUターンして撮った写真です。

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淡いピンクの八重は珍しい。

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今年の開花はもう少し後になります。

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反町の森公園の物見塔(2020年3月31日)。 

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ここは調整池の周りに植えられた桜です。

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つくばの街は道路が広く、運転し易いのですが、路側に駐車スペースがありません。

街路樹の美しさをもっと記録したい。そのためには健脚もしくは自転車が要ります。

もう今の私にはどちらも無理で果たせないのが残念です。

 

 

冬咲きクレマチス

冬咲きクレマチス

キンポウゲ科センニンソウ属の常緑蔓性低木

学名:Clematis yunnanensis
別名:クレマチスユンナンエンシス
和名: ガビサンハンショウヅル 

分布:中国雲南地方

 

冬咲きクレマチスの苗を植えたのは2020年2月。

右奥の塀沿いに花が咲いている苗を2本植えました。

愛知ではなかなか育たなかったので、1本では心配だったからです。

 

しかしそんな心配は全く無用、木塀に蔓を伸ばし、翌年1月には蕾が膨らんできました。

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つくば下ろしや寒中のー8℃の寒さにも耐えました。

むしろ愛知とは比較にならないほど元気で1月下旬開花。

 

西はマホニアコンフューサを越えて斑入りアオキ、さらにヒメコブシに到達。

 

2年目、東に伸びた蔓は常緑エゴノキによじ登りました。

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西のマホニアコンフューサもアオキも殆ど覆われてしまいました。

今年は花が終わったら大整理が必要です。

 

花の経過を追っていきます。

1月中旬、もう白い壺型の蕾がたくさん並んでいます。

葉は3出複葉で対生。小葉は10cm未満。

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2月21日 開花が始まりました。

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蕾を覆うのは4枚の萼片、花弁はありません。花の大きさは3〜4cm。

 

中央の緑色が雌しべの先端、その周りを雄しべが囲んでいます。

 

萼片は厚く、フェルトのようです。

その下にぐるりと並んだ雄しべ、先端のクリーム色の葯から花粉が出ます。

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1花採って開いてみます。

雄しべを外すと黄緑色の雌しべの束が現れました。

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雄しべも柔らかい毛がありました。防寒のためでしょうか。

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しかし、この寒さの中、昆虫の訪問は確認していません。

早くもまずは萼片(下)が、次いで雄しべ(上)が落下します(2022.2.28.)。

 

萼片と雄しべが落ちたところ。右後ろの2花はまだ雄しべが残っています。

 

雌しべの先がほぐれて羽毛状になっていきます。

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ハンショウヅルなどに見られる羽毛状の雌しべは痩果が実り、宿存花柱というようです(原色牧野植物大図鑑)。

しかし冬咲クレマチスでは実が熟すことはなくこのまま落下していきます(20220320)。

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ところどころに白く輝く毛玉がありました。

 

雌しべが落下せず残存して毛玉になったようです。

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毛玉を一つ切って室内に置いたところ、一部が離れてふわふわ動いていました。

こんな楽しみ方もあったのですね。

 

冬咲クレマチスの花は居間から紅い椿(侘助)の奥に見えます。

花の少ない1〜3月はこの白とピンクが庭の主役でした。

 

地面は萼片と雄しべの散華(2022年3月10日)。

寒さであまり傷まないのでしばらく残しておきました。

 

長くなりましたが冬咲きクレマチス2年間の記録です。

愛知で育ちが悪かったのは、夏の暑さのためだったかと思われます。

3月になると花壇の主役はクリスマスローズにバトンタッチ。

はや桜満開の候ですが、今だにコロナ不安から抜けられませんね。

春の妖精たち

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ここへ来て4年目、今までで一番寒かった冬が去りました。

遅まきながら慌ただしく春が進行しています。

やはり春は妖精から、スプリング・エフェメラルのお出ましです。

 

セツブンソウ

節分草 キンポウゲ科多年草

学名:Shibateranthis pinnatifida

分布:関東地方以西の石灰岩地域(日本の特産種)

 

愛知の庭では鉢植えで育て一旦増えた後次第に減少。

鉢ごと転居しましたが、こちらで地に下ろしたら絶滅しました。

昨年4株を購入しソシンロウバイの根元に、鹿沼土を加えて植え込みました。

厳冬を越え、節分が終わり、2月半ばを過ぎても何も見えません。

ところが2月28日の朝、ソシンロウバイの花殻の近くに何やら白いもの?

ひょっとして セツブンソウ? 

3輪開花です! 下の方にも2輪咲きそう!

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うれしくて日に何度も覗きこみます。上の方のは葉だけ?

夕方にはもう全開しました。

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翌3月1日、紫色の葯から白い花粉が出始めました。

花径約2cm。

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拡大します。

白色の萼片5枚。花弁は小さく5〜10枚。Y字状で先端から蜜を分泌。

雄しべの葯は紫色、弾けて白い花粉を出します。雌しべは紫紅色で2〜5本。

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3月11日 左の3本はもう花を閉じようとしています。

草丈 約10cm。はかないスプリング エフェメラルの典型です。

ここに種子を落としてこれからも姿を見せてくれますように。

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 鉢植えのセツブンソウの観察は「はるなつあきふゆ 夕菅の庭」でも

 セツブンソウ1、 セツブンソウ2として記事にしました。

 

セリバオウレン

芹葉黄連 キンポウゲ科オウレン属の多年草 

学名:Coptis japonica var.dissecta

分布:本州 四国 

 

3年前、北の通路に植えましたが花が確認できていません。

2020年4月購入した時は花が終わり、実の状態でした。

セリバオウレンは キクバオウレンCoptis  japonica var . japonica の変種です。

複葉の形により次のように分類されます。

   1回3出複葉       キクバオウレン

    2回3出複葉       セリバオウレン

     3回3出複葉        コセリバオウレン

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果実は矢車のような形の袋果。

先端は開いていて揺らすと種子が落ちるそうです。

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翌春は花が見たいと思っていましたが、北側に地植えしたため寒風で葉は枯れて褐色、右下の1枚だけかろうじて暗緑色でした。

2021年3月8日、何と枯葉の間から花茎が立ち上がり花を咲かせました。

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拡大して花の構造を見ます。

外側から長い花弁に見えるのが萼片、その内側に小さい白色の花弁、雄しべ、雌しべの順です。

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今年はもっと美しく咲いてほしいと思っていましたが、昨冬を越す寒さで全葉枯死状態。

それでも辛うじて花は咲きました。

花が終わったら南の日陰に移植しようと思っています。

オウレン属の植物は根茎や根が黄色だそうです。その時見てみましょう。

2022年3月13日 f:id:yuusuget:20220313165810j:plain

 

ミツバノバイカオウレン

 キンポウゲ科オウレン属の多年草 

別名:コシジオウレン(越路黄連)
学名:Coptis trifoliolata

分布:本州中部以北の日本海

昨春ネット販売で他の苗を探している時見つけてつい買ってしまったものです。

葉は寒波で黒っぽくなってしまいましたが、早くも花を見ることができました。

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小さな蕾に赤い模様が入って美しい。

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葉は3出複葉、花茎は褐色。

近縁種のバイカオウレンは根出葉が5枚、ミツバオウレンは花茎が緑色だそうです。

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花の構造はセツブンソウと同じです。

花弁のように見えるのは萼片、蜜を分泌する小さな黄色の花弁が5〜6枚。

多数の白い雄しべと緑色の雌しべ。

花期は5〜8月と。山岳地帯では雪解けしてから咲くのでしょうね。

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次々と開花。

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3月14日 小雨の中、葉に緑が戻り、花も輝いていました。

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フクジュソウ 

福寿草 キンポウゲ科多年草

分布:北海道、本州、四国(日本固有種)

 

日本には次の4種のフクジュソウが自生しているそうです。

1)フクジュソウ(エダウチフクジュソウ)(北海道〜九州)

  学名:Adonis ramosa  茎は中実。萼片が紫色を帯びる。

  1茎多花。葉裏に殆ど毛が無い。茎は中実。

2)ミチノクフクジュソウ(東北から九州)

   茎は分枝。 茎は中空。萼片は花弁の2/3の長さで緑色〜黒緑色。

3)キタミフクジュソウ(北海道東部)

   1茎1輪、茎が中実・多毛。萼片は花弁より長いかほぼ等しい。

4)シコクフクジュソウ(四国・九州の一部)

   茎は中空、全草無毛。

 

我が家のフクジュソウは4回目の開花です。

今まで流通種だからフクジュカイでしょうと思っていましたが、花数も多くなったので1茎切って確認することにしました。

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フクジュカイ 福寿海 

フクジュソウ(エダウチフクジュソウ)とミチノクフクジュソウとの園芸品種。 

最近市販されているのはこれが多いそうです。

つくば植物園の名札も「フクジュソウ」ではなく「フクジュカイ」でした。

 

我が家のは「フクジュソウ」という名札で園芸店で販売されていた株です。

茎が分枝して2輪咲いているものもあります。

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1輪切り取りました。茎は中空ではなく中実です。

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萼片は黒色を帯びた緑色で花弁の約3分の2の長さ。

葉裏にはほとんど毛はありません。

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総合すると1)フクジュソウに近いようですが、萼片の色は紫色がかってはいません。

江戸時代には後期には多数の園芸品種が作られたそうです。

フクジュカイは八重咲きの大輪花で花色が濃く、強健な品種として普及したのでしょう。

 

 

厳冬の記録2022

家庭菜園4年目

昨冬、我が家のミニ菜園の冬野菜は寒波で全滅しました(家庭菜園3年目)。

茨城は農業県、美味しい野菜は容易に入手できます。

私自身は6年前、腰椎の大手術を受け、ガーデニングには無理がある身。

それでもまた昨秋少しばかり冬野菜の種子を撒いてしまいました。

 

これは昨年12月4日の家庭菜園です。

前列から早生の小蕪、中蕪、水菜、菜花、ミニトンネルの中はスナップエンドウ

後は2株のアスパラです。

モンシロチョウが遅くまで来て、カブの葉は穴がいっぱい。

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12月初めには小蕪や水菜が毎日収穫できました。

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ところが年末の寒波!

フェンスの隙間から容赦無く強風が吹き荒れ、か弱い野菜はなぎ倒されました。

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続く今年初めの低温と次々襲う強風により致命的被害を受けました。

菜花は蕾が食べきれなかったら花を咲かせようと楽しみにしていましたのに再起不能

水菜もスナップエンドウも地に伏したまま。

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2020 年春の菜花です。気候によってまさに天と地の違いです。

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蕪も全滅かと思われました。

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しかし、中蕪は辛うじて生き残りました。

コロナ禍の買い物は原則週1回、新鮮な野菜は貴重品です。

私は蕪をスライスし少しの塩でしんなりさせて、湯がいた葉とユズの千切りを混ぜた即席漬けが大好きです。

蕪は煮ても蒸しても美味しい。寒ブリやスモークサーモンとのカルパッチョも。

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仔犬のチャーリーも野菜が大好き。

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畑のカブを自分で咥えて抜いて齧り付いたこともあります。

でも今は御法度! 

庭の斑入りアオキを剪定した枝で仔犬を遊ばせたことがありました。

アジサイの葉で食中毒を起こしたヒトの話は聞いていましたから、アオキも毒性を確認したつもりでした。ところがその夜、仔犬は嘔吐を反復したそうです。

遊んだ茎を確認すると、一端がかじられ樹皮がめくれていました。

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もう一度検索すると何と犬や牛に「アオキ中毒」の報告があることがわかりました。

中毒物質はアウクビン。

ヒトには生食可能な玉葱がイヌには禁忌、他にもいろいろあるのですね。

アオキの中毒物質は葉および果肉にあり、症状は嘔吐・下痢と。

仔犬は落ちた実も食べたかもしれません。

 

ついでにアオキについてまとめておきます。

 

アオキ

 青木 ガリア科(アオキ科)アオキ属の常緑低木

 学名: Aucuba japonica

 分布:日本の固有種。中国地方を除く関東以西の本州、四国。

 

これは「斑入りアオイ」という名で流通している園芸種です。

常緑の葉は光沢があり観葉植物としても普及しています。

愛知の庭でも丈夫で、剪定も簡単でしたから新しい庭にも2本植えました。

2018.12.15.

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今年は奥の方にはまだ若い実がたくさん付いていましたが、全部採りました。

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1株でこんなにたくさんの実!(2022.1.24.)

下の2本は昨年の実が落ちて発芽していたものです。

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アオキは雌雄異株。これは昨年4月撮影した雄花です。

萼片4枚、雄しべ4本。雌しべはありません。

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雌花は雄花より数が少なく、花序も小さい。

雄しべはなく萼片4枚と雌しべ1本のみ。

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実が赤く熟して液化状の石果となります(愛知の庭)。

この実が落ちていたところは見ていません。ヒヨドリが食べるのでしょうか?

いずれにしても好奇心旺盛な仔犬が口に含まないよう、今年は全部捨てました。

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アオキの隣のソシンロウバイの花も満開。

冬の庭にも春が近づいています。

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つくば植物園の温室(熱帯資源植物温室) バナナ

つくば植物園には温室が6棟あります。

サバンナ温室・熱帯雨林温室・熱帯資源植物温室・多目的温室・水生植物温室・温室絶滅危惧植物温室。

私は暑さに弱い方ですから温室はやや苦手ですが、寒い季節には夢のような空間です。

まずは熱帯資源植物温室へ入ります。

冬季温室へ入るとカメラのレンズが結露し、拭いても拭いてもなかなか晴れません。

今年はポケットに入れたスマホで撮ってみます。

大丈夫でした。結露せず、すぐ撮れました。

 

バナナ

  甘蕉、実芭蕉  ショウガ目バショウ科バショウ属の大型多年草

  英名:banana 

真っ先に目に入るのは緑豊かなバナナの葉、花や実もあってたちまち南国気分です。

しかし、バナナとは何ぞや? 

どこにもあるバナナですが調べてみると謎多くむつかしい植物でした。                     

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バナナはバショウ属の果実ですが、野生のバナナの実は種子が多くて食べられません。

ところが紀元前数千年のころには既に種子なしバナナが栽培されていたようです。

しかしその種子なしバナナの起源は長い間なぞに包まれていました。

これが明らかになったのはやっと1955年、イギリスの植物学者シモンズらの遺伝子研究の成果でした。

その結果、種子なしバナナは主にムサ・アクミナタ Musa acuminata と ムサ・バルビシアーナ Musa balbisiana  (リュウキュウイトバショウ) の倍数体や交雑種であることが判明したのです。

しかし野生のムサ・アクミナタ や ムサ・バルビシアーナ の実には多数の硬い種子があり、食用にはなりません。どうして種子がなくなったのでしょう?

園内のパネルではこのように説明されていました。

『種の入ったバナナは染色体を2組持つ「2倍体」ですが、これが突然 染色体を3組もつ「3倍体」になったのです。3倍体だと正常に減数分裂ができないため種ができなくなりました。』

東南アジアで創られた栽培品種はアフリカへ、さらに中央・南アメリカへと広がり、さらに多種の甘くおいしいバナナが創られました。

この植物園にはバナナの栽培品種や野生種が数種植栽され、果実も収穫されています。

 

センナリバナナ

 学名:Musa chiliocarpa( Musaはリンネによる命名

昨秋 王冠のようにあでやかな花が咲いていました。

めくれ上がった紅い苞の下に2段づつ花が咲きます。

上の方はすでに小さな緑色の果実が見えます。

役目を終えた苞は巻き上がって段状に残存。

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                          2021年10月28日

 

6週後、あの輝きはどこへやら、ぼろを纏ったかのような姿です。

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                                                                                    2021年12月9日

 

しかし 既にぼろの奥には黄色っぽい小さなバナナが見えています。

ぼろに見えるのは茶色に縮んだ苞・長く突出する雌しべの白い花柱・茶褐色に縮れた雄しべ。

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                                 2021年12月9日

 

さらに7週後にはもうぼろはなく、センナリバナナの名の如く、多数の小さいバナナが下がっていました。

下の方では再び開花が始まっています。

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                               2022年1月28日

 

渋い赤色の苞には黄色の花が並んでいました。

赤く縁取られた葯と並んだ柱頭が美しい。

雌花と記載されていますが、両性花のようです。

蜜も滴り落ちています。

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                         2022年1月28日

                        

アカバナナ

  Musa 'Morado'

 見上げるとはるか上の方に赤い花と房になった果実が見えました。

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                        2022年1月30日

古い布のような紫紅色の苞。

このバナナは酸味があって料理用だそうです。

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                         2022年1月30日

バナナ’仙人蕉’

新しい果穂ができそうです。

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ムサ・バルビシアーナ (リュウキュウイトバショウ)

  Musa balbisiana  

これはムサ・アクミナタの倍数体と交雑して種無しバナナを作ったとされるムサ・バルビシアーナです。天井に届きそうな高さに育ち、子孫も増えています。

リュウキュウイトバショウは沖縄で芭蕉布の原料としても栽培されているバショウでした。

芭蕉布で着物を1枚作ろうとすると、3年かけて育てたリュウキュウイトバショウが200本いるそうです。

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長い穂状果穂が下垂して先端に暗紅色の苞が見られます。

花や果実が見られるかどうか、これからも観察していきたいと思います。

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もう一つ、付記することがあります。野生のバナナの送粉者です。

たっぷり蜜の入った大きな花、花は夜開き、花の色は昆虫には見えない赤色。

驚くなかれ、コウモリでした!

一方、バショウ属の中でも昼間に花が上向きに咲くヒメバショウはハチドリが送粉するそうです。

今まで無関心だったバナナやバショウが少し身近な存在になりました。

 

 

初雪 2022

明けましておめでとうございます。

1月7日、昼過ぎから雪が降り始めました。

予報は夕方からだったのに、大粒の雪が勢い良く降り続きます。

午後1時27分。

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乾いた庭に雪は見る見る積もります。

3時間後、庭は隅々まで白く覆われ、フヨウ(左)にまた花が咲きました。

右は銀葉のゴンフォスティグマ

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ヒメシャラの実。

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つくばい周囲。

雪は魔術師、ツワブキ(左)にもまた白い花が咲き、オモト(右)の葉はタコのよう。

画面中央のシモバシラの霜柱もこんもり厚化粧。

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左はゴードニア (タイワンツバキ)。

厚い葉の上に乗った雪が白い花弁の大きな花のようです。

右の常緑ヤマボウシの葉は薄くて雪を保持できません。

口が欠けた古備前風の壺も初化粧。

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ドッグラン用に張った幅1cmほどのビニールコードにも雪が積もりました。

左は3年前愛知の庭から運んで来たナツツバキ。

中央に保育園の明かりが見えます(午後4時40分)。

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左のプランターの木はイヌシデ、細い枝に積もった雪が重そうです。

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プランターの中で咲いていたビオラなどは雪で見えません。

近づくとスノードロップが1輪だけ覗いていました。

これぞまさしく スノードロップ

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翌朝は青空、 ロフトの窓から撮った雪景色です。

左の大きな木はつくばいの近くのナツツバキ、右端は常緑ヤマボウシ

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息子の家へ仔犬(生後5ヶ月)に会いに行きました。

初めての雪と雪だるまに大興奮、元気で飛び回っていました。

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記録的寒波 

12月27日−6.5℃以来昨日まで13日間、最低気温は−3℃以下。

このうち12月31日以外は−4℃以下でした。

こちらへ来て最も寒いお正月!

さらに1月7日早朝は−7℃まで下がり、午後初雪が降りました。

つくばは気温の割には雪が少なく、過去100年の記録をたどっても積雪30cmを超えたことはありません。20cm以上の積雪があった年は10回、最終は2014年の26cm。

今回の積雪は8cm、これらは気象庁つくば(舘野)のデータです。

幸い強風は吹かず、愛知の雪に慣れた私共には雪景色は懐かしくさえ思えました。

しかもこちらの寒冷地用の建築は暖かく快適。

今日はやっと北側の道路の雪が解け、花壇にビオラの花の色が戻りました。

 

シモバシラの霜柱など 2021 

シモバシラの霜柱については既に2020年1月19日2020年12月23の2回載せました。

しかし今年も追加所見があり、またまた記事に残したくなりました。

今年初めての霜柱は12月19日、最低気温−4.9℃の朝でした(9時13分)。

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12月19日10時23分 殆ど解けてまだ緑色を残したような茎が現れました。

まだ茎が乾き切らず、落ち葉も色を添えて若々しい感じです。

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右の大きな糸巻きは10時過ぎてもまだ凛とした姿を保っています。

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12月20日最低気温−4.4℃    皮層が裂けて昨朝より賑やかです。

誤って指が触れて右の長い氷華が落ちてしまいました(9時18分)。

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落下して朝日に輝く氷華片。周りの白いものはヤツデの花殻。

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12月27日

最低気温−6.5℃の朝7時13分、居間からはっきり見えるほど大きな霜柱です。

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豊かな白い造形に寒さを忘れるほどでした。

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接写はやはりスマホが便利です。

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連日の氷結で皮層は裂けて遊離しよれよれになりました。

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霜柱は午後3時過ぎても未だ解けきりません。このまま再凍結しそうです。

後の緑はキチジョウソウ。

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翌12月28日も最低気温ー6.4℃。霜柱はさらに過密になりました。

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家の北側のシモバシラは今春嫁に行き、脇に小株が残りました。

12月27日はそれにもしっかり霜柱ができていました。

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やはり翌日まで解けきらず、さらに12月28日には横に張り出して翼ができていました。

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シモバシラの若葉が美しいのは4月。

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白い花が咲きます(9月)。

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花(長い雄しべが突出)。

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今年の新発見は私の庭でも他のシソ科の植物に霜柱ができたことです。

 

セキヤノアキチョウジ

霜柱ができやすい植物のようですが、前の庭でも見たことがなく、今年初めてです。

1)西庭のセキヤノアキチョウジ(植栽3年目) 地表近くに限局した霜柱です。

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花は10月に咲きました。

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東庭のセキヤノアキチョウジ(植栽1年目)。

株元よりやや高い位置に多数出現。緑の葉はフユイチゴ

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花は西の株より淡い色でした。

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ヒイラギソウ の霜柱

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今年3月に植えたばかりです。発育旺盛で5月にはもう花が咲きました。

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サルビア バンヒューティー の霜柱

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今春 サルビア ガラニチカ(紫)・サルビア スプレンデンス(ピンク)の三種を植え込みましたが、霜柱が見られたのはサルビア バンヒューティー(真紅)だけでした。

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ヤマハッカには2020.1.6.に一度だけ霜柱が見られましたがその後は見られません。

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ヤマハッカの花

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  愛知の庭では オルトシフォン・ラビアツスに霜柱が見られました。

  オルトシフォン・ラビアツスの霜柱オルトシフォンの霜柱 2014

 

今年は寒波のため氷華がたくさん見られました(でも家庭菜園の野菜は被害甚大です)。

近くの息子の庭にもシモバシラを試植、朝日が届く所ですがきれいな霜柱ができました。

つくばは愛知より気温が低く雪は少ないので霜柱を見るにはより適した土地です。

苗は園芸店では見かけませんが、春にネット通販で購入すればその冬には小さい霜柱が見られます。庭蔭に余裕があったら是非お試しください。

 

写真の整理に手間取っているうちに今年もあと1日になってしまいました。

どうぞ 良いお年をお迎えください。