酷暑の和の庭

各地で豪雨の被害が出ていますが、つくばは降水量少なく厳しい夏です。

今朝やっと少し涼しかったのは束の間、午後はまた厳しい残暑が続いています。

第7波と残暑の夏、空調管理下の居間で前の庭を見ながら暮らす日々です。

前庭の左側は和風空間、真夏は花がありませんが、さまざまな緑が楽しめます。

これは今日10時過ぎ、ギラギラと暑い庭です。

 

ここは2019年2月和風コーナーとして造られスギゴケで覆われました。

旧宅から移植したツバキ侘助(左)とナツツバキ(右)の間にアセビを追加。

 

2020年6月 ナツツバキはしっかり根を張り、たくさんの花を付けました。

心配したスギゴケも思ったより順調に育って緑の絨毯のようです。

 

ところがその後、猛暑とモグラの侵入で維持困難になり、ついに今夏は身の安全重視でスギゴケを諦めることにしました。

朝夕の水遣りに加えて、草取り・落葉拾い・サッチングなどしゃがんでしなければならない作業が多いのです。しかも小椅子は使えません。

 

中央のアセビは昨年から元気がなく、葉の色が冴えません。

それでも少しは花を咲かせ、赤い新葉も見られるので回復を待っています。

 

ツバキの南側、隣地との境界の塀の前に植えた植物たちは意外に元気です。
左からギンモクセイ、シモバシラ・斑入りヤツデ。

 

トキワエゴノキ

この木は左のソヨゴ、右のツバキの間に倉庫が見えるのを隠すために、2019年4月追加で植えました。しかしその後3年間は花も咲かず、冬季は葉の色も褐色がかって目立たず、忘れられた存在でした。

下部では左からヤツデが侵入、右から冬咲クレマチスが這い上がって冬の間花を咲かせていました。

 

そのトキワエゴノキに今年5月、初めて花が咲きました。小さな白い花です。

葉はやや褐色がかった緑色で葉の長さは7〜8cm。


近くで見るとピンクの萼にと白い花弁の蕾が下垂。

 

開花すると5枚の花弁が巻き上がってなんともかわいい花でした。

 

最近こんな実がなっているのに気付きました。

改めて「トキワエゴノキ」を検索してみましたが、何故か学名も明記されていません。

東南アジア原産のようで中国では山茉莉と呼ばれてるとか。

しかし園芸界では人気があってかなり流通しているようです。

 

イヌシデ

 犬四手、犬垂、カバノキ科クマシデ属の落葉高木
 別名:シロシデ
 学名:Carpinus tschonoskii
 分布:岩手・新潟両県以南、朝鮮半島、中国
 

我が家のイヌシデは3年前プランターの付属品としてこの庭に来ました。

 

昨年までは8月になると落葉が始まっていましたが、今年はまだ元気です。

プランターの底から地中に根を伸ばしたのかもと推察しています。

 

この木の一番美しいのは春の芽吹きの頃(2202.4.11.)。

 

葉の側脈は12〜15対(近縁のクマシデは20〜25対)。

 

雌雄同株で雄花・雌花が下垂するそうですが、それが見られるのは何年後でしょうか?

 

ウラハグサ(フウチソウ)     ←2022.8.21.更新

         裏葉草    イネ科 ウラハグサ属の多年生草本

         学名:Hakonechloa macra
         別名:フウチソウ(風知草)

   分布: 関東地方西部から紀伊半島

つくばいの前のウラハグサは花穂が出て風に靡いています。

初めフウチソウと記載しましたが、正式和名はウラハグサでした。

学名は箱根のchloa(草)、箱根近くに多く見られるからだそうです。

葉が表裏反対になっているからウラハグサ。

園芸店ではフウチソウとして販売され、私は今日までそれが和名かと思っていました。

改めて調べてみると和名はウラハグサ、命名牧野富太郎博士でした。

 

庭には四季折々、鳥やチョウも訪れてくれます。

今年はヒヨドリが少ないよう、最近はハクセキレイムクドリが多い。

スズメも暑いのか砂浴びではなく、つくばいで水浴びをしていきます。

ムクドリ軍団も撮ったのですがガラス戸越しですから写真がボケて残念。

このハクセキレイは3羽1組でした。

猛暑と新型コロナ第7波、厳しい夏でした。

ブログもスランプ、やっと一番身近なところを記載しました。

 

ガガブタ・アサザ・ミツガシワ

暑中お見舞い申し上げます。

今日も猛暑の日になりそうです。

せめてひとときたりとも涼しげにと今回は水生植物を取り上げました。

 

昨年12月つくば植物園の水生植物温室でガガブタの花を初めて見て感激しましたが、季節感が合わず保留してあったのです。

調べてみるとミツガシワ科アサザ属。

今回はつくば植物園のミツガシワ科アサザ属3種をまとめます。



ガガブタ

鏡蓋 ミツガシワ科アサザ属の多年草

学名:Nymphoides indica

分布:アジア、アメリカ、アフリカ、オーストラリアの温帯域、

   日本では本州以西

 

ガガブタはかっては平野部の湖沼や溜池で普通に見られる植物だったそうですが、最近は著しく減少、各地で絶滅が案じられています。

ガガブタとは また気の毒な名前に思えますが、その葉を鏡箱の蓋になぞらえて「カガミブタ」とよんだものがなまったのだそうです。

 

スイレンのような葉の近くに清楚な白い花が咲いています。

 

水底から長いを伸ばし、長さ20cmにもなる浮葉を展開します。

スイレンは水底に地下茎があり、そこから長い葉柄が水面まで伸びて葉を開きます。)

葉には短い葉柄(長さ1〜2cm)があり、その基部から花柄が束生し1〜2花づつ開花。

花ははかない1日花、夕方には水中に沈みます。

 

花の直径は約 1.5cm。一般には5弁、ここでは6〜7弁も多い。

花期は7〜9月ですが、ここは温室、真冬でも花が見られるのです。

花冠裂片の内側にたくさんの白毛があってこれがまた美しい。

この白毛は確かにミツガシワの白毛によく似ています。

雄しべ5個、雌しべ1個。

ガガブタにも花柱が短い短花柱花と花柱が長い長花柱花があり、両者が混生しないと結実しないそうです。これはどちらでしょう?

 

水中に長く伸びているのは茎です。

葉柄の基部に夏から秋にかけて根が変形して房状になった殖芽が形成されます。

この殖芽からまた長い茎が伸びて繁殖するのです。

米国産の「ハナガガブタ」はこの殖芽がバナナの房に似るので「バナナプラント」とも呼ばれるそうです。

 

左上は花が終わった後、種子が出来るかどうか、また見に行ってみます。

今はまだ暑くて植物園に行く気になれません。



ミツガシワ

 三槲 ミツガシワ科ミツガシワ属の多年草

 学名:Menyanthes trifoliata

 

ミツガシワについては既に 2019-04-18 の記事にしましたが、その後の観察を加えて再掲します。

今回は2022年4月19日のつくば植物園のミツガシワです。

中央広場からつくばね橋へ向かい、左の木道へ降りました。左側は一面のミツガシワ。

 

右側もつくばね橋の下までまた一面のミツガシワで覆われています。

ミツガシワは西シベリアでは斬新世(3800万〜2400万年前)から、日本でも鮮新世(510万年〜170万年前)末期から在ったそうです。

 

ミツガシワには雌しべの柱頭が長く突出する長柱花と、柱頭が雄しべの葯を越えない短柱花がありますが、この池のミツガシワは長柱花です。

 

高さ20〜40cm、総状花序に20〜30個の花をつけます。

花冠裂片の内側に縮れた長毛を密生。これはガガブタとそっくりです。

 

果実は蒴果、長柱花では数個の種子が出来ます(2019.6.2.)。


但しこの池は冬はミツガシワが枯れ、淋しい景色になります(2020.1.30.)。

 

それでもー8℃にもなるつくばの寒さにも耐え、早春芽生えます(2020.1.30.)。

 

3月下旬から開花が始まります(2022.4.3.)。



アサザ

 浅沙 ミツガシワ科アサザ属の多年草

学名:Nymphoides peltata 

分布:ユーラシア大陸温帯地域、日本では本州以西

花期:5〜8月

日本産のアサザ属の中で唯一の黄色の花。

つくば植物園ではミツガシワの池のすぐ隣で咲きますが、接写出来ない距離で残念です( 2019.6.2.)。

                                                                                                                

和名は水深の浅いところに生えることからの「浅々菜」が転じたとか。

ジュンサイと同じく茎と新葉が食べられ、ハナジュンサイとも呼ばれるそうです。

花の直径:3〜4cm。

葉の長さ4〜12cm。葉の縁に荒い鋸歯があります。地下茎を伸ばして繁殖。

 

アサザの花も朝開いて夕には閉じる1日花です。


精一杯拡大しました。

5裂した花冠の周辺にはたくさんの細かい切れ込みがあります。 

 
アサザ万葉集にも長歌で1首登場しています。
 
まずは恋人のところへ通う息子を按ずる親から
  うちひさつ 三宅の原ゆ 
  直土(ひたつち)に 足踏み貫き
  夏草を 腰になづみ  
  いかなるや 人の子ゆゑぞ
  通はすも我子(あご)
 
息子からの返歌(あざさはアサザ
  うべなうべな  母は知らじ うべなうべな 父は知らじ
  蜷(みな)の腸(わた) か黒き髪に  
  真木綿(まゆふ)もち  あざさ結ひ垂れ 
  大和の 黄楊(つげ)の小櫛(をぐし)を
  押へ刺す うらぐはし子 それぞ我が妻  
                      巻13-3295 作者未詳


私には細かい言葉はわかりませんが、「夏草を腰に絡ませて恋人のところへ通う息子を按じる親の気持ち」や「黒髪に真木綿でアサザを飾り、貴重な『黄楊の小櫛』を差した美しい娘さんだから心配しなくて良いよと言う息子」が想像できて楽しいひとときになりました。



 

空梅雨の庭 2022

今年関東地方の梅雨は6月6日から6月27日(22日間)、平年の約半分でした。

つくばの6月1日〜7月11日の降水量は合計でわずか45.5mm。

その上最高気温36.8℃、連日猛暑が続きました。

にわか雨の天気予報もほとんど外れ、毎夕水遣りのつらい日々でした。

せっかく植えたキュウリは下半分が細くなって曲がり、ナスは太短か。

7月12~14日、やっとまとまった雨が降りました(計43.5mm)。

天からの恵みは平等に庭の隅々まで潤します。

人も植物もほっと一息!

この厳しい夏にこの庭で咲いた花達を記録します。

 

アスチルベ

ユキノシタ科チダケサシ属の多年生植物のアワモリショウマ(Astilbe japonica)やチダケサシなどから創られた園芸品種。

南の塀の蔭のアスチルベは「ヤマアジサイ七変化」と偶々花期が揃いました(2022.6.8.)。

 

チダケサシの花は円錐状の花序にたくさんの花がつきます。

アスチルベはさらに花数が多い。

チダケサシの花は花弁5枚、雄しべ10本、雌しべは2心皮が基部で合着と。

さらに花数の多いアスチルベでは花の構造は分かり難いですね。

 

東のボーダー花壇のアスチルベは茎が枝垂れました。

 

南庭のは淡いピンクで直立。

 

6月18日の南西の庭

中央はアジサイアナベル’、咲き始めは純白です。

周りはパステルカラーの宿根草が囲みます。

狭い庭では紫青色・淡いピンク・白・淡黄色.....これくらいに絞れば後が楽です。

 

 

ゲラニウムフウロソウ

ゲラニウムについては2021年5月20日「初夏の庭」に5種記録しました。

  ゲラニウム サンギネウム ストリアタム(ピンク)・(白)。

  ゲラニウム サンギネウム マックスフライ

  ゲラニウム ミセスケンドールクラーク

  ゲラニウム ビオコボ

今年はゲラニウム ジョンソンズブルーが加わり、ビオラと交替して初夏の庭の主役になりました。愛知の庭では夏越しがたいへんでしたが、こちらでは大丈夫です。

 

ゲラニウム ジョンソンズブルー

 

 

ゲラニウム・サンギネウム ストリアタム(アルバ)。

 

ゲラニウム ミセスケンドールクラーク

 

やや派手なゲラニューム サンギネウム マックスフライ はタンチョウソウの後に。

 

北庭は自生のヒメフウロがグランドカバープランツになりました。

昨年はここに繁茂しすぎたシラユキゲシをせっせと抜去。

 

ヒメフウロの紅葉。

前部は洋種イブキジャコウソウ(クリーピングタイム)。

 

西庭

7月7日、アナベルの花は淡緑色に変わりました。左はシキンカラマツ。

ユウスゲは6月29日より開花、毎夕賑やかです。

 

タリクトラム・デラバイ?(シキンカラマツ?)

前の庭にあった2株を転居後に送ってもらいましたが1株は枯れました。

愛知では初めに植えたタリクトラム・デラバイがシキンカラマツとどう違うかを確認しようと「シキンカラマツ」を購入したのですが、どちらが残ったのかわからなくなりました。

 

タリクトラム・デラバイ(オオシキンカラマツ)は中国原産で花は直径2cmほどと記載されています(朝日百科植物の世界8-285)。

シキンカラマツの自生地は福島・群馬・長野・茨城。

我が家のシキンカラマツ?は大きい花で直径15mmです。

 

ユウスゲ

西庭ではユウスゲの長い茎が10本以上170cmほどの高さに伸びて競って開花しています。

今夏は昆虫も少ないためほとんど受粉せず、毎朝花殻摘みをせざるを得ません。

しかし東庭と南庭の株は樹木の陰になったためか、今年は花茎が上がらずがっかりです。

 

アガパンサス 

ヒガンバナ科アガパンサス亜科(←アガパンサス科)の多年草

南アフリカ原産

 

ユウスゲの後方にはアガパンサスが2株、右はやや濃色で花も多い。

寒さや乾燥には強い花ですが木々が茂って日照不足気味です。

 

 

オウゴンヤマユリ

この花についてはすでに2020年7月14日2021年7月15日の記事に書きました。

今年も南庭の株は高さ160cmくらいになって 7花 開花。

 

2年前 家庭菜園の端に埋めたむかごが育ってミニトマトとコラボ。

寒風が吹き抜けたこの家庭菜園で九州は対馬原産のユリが無事越冬開花したことは感激でした。今年ももうたくさん「むかご」が出来ています。

家庭菜園ができなくなったら百合園にしてもいいですね。

 

ヤマユリ

これも昨年ヤマユリ と オウゴンオニユリ 2021に書きました。

今年は周りにあったサルビアが寒さで消え、まさに王様然として堂々16花開花。辺り一面に芳香を漂わせていました。

 

猛暑のせいか昨年悩まされたユリクビナガハムシの発生はなくて助かりましたが、日照りと水不足で葉焼けをさせてしまいました。

 

暗いニュースが多すぎる昨今、庭を眺める時間が増えました。

おかげさまで居間の前は木々や芝生の緑で覆われ、何かしら季節の花が咲きます。

それどころではない人々に申し訳なく思いつつ庭を眺める日々です。

コーギーの保育園

コーギー」といえばすぐ「ターシャの庭」が浮かびます。

アメリカのバーモント州郊外に花があふれる広大な庭を造った絵本作家ターシャ・チューダーさんは2008年92才で亡くなられるまでに20頭あまりのコーギー犬と暮らされました。

最後のメギーはNHKの「ターシャの森から」にもしばしば登場しました。

 

昨秋、息子が突然コーギーを飼うと言った時は驚きましたが、たちまち一目惚れ! 

40年前に飼ったシェットランドシープドッグが甦ります。

毎日会いに行きたくなりました(2021.10.19.「仔犬と庭」)。

その後平日の午前中はこちらで預かることになり、朝の散歩を終えるとうちの庭へ来ます。

                               

2022年3月15日 庭をひと回りしていた時、やおら花壇に立ち上がりました。

寒波の後の庭は寂しくやっとクリスマスローズが咲いた頃です。

 

辺りを見回します。

 

何か匂いがするぞ。上がってみよう!

 

ここにあるのはハーブ2種、手前はオレガノ カントリークリーム。

右はネペタ ファッシーニキャットミント

 

香りを身に付けようとしたのでしょうか? やおら首を擦り付けました。

 

右はネペタ ファッシーニキャットミント(2020.3.23.)。

 

前のハーブはオレガノ カントリークリーム(2019.7.19.)。

 

日曜日、孫と戯れ駆け回るチャーリー(2022.5.1.)。


室内の探検も大好き。好奇心満々です。

 

短足だけど胴は長い。ひょいと飛びついてキッチンを点検。

りんごの皮 無いかなあ?

 

もう子犬用ベットには入りきれません。

 

僕は花より野菜が好き。これは何だ?

美味しい匂いがする。

 

アスパラの切り口でした。

切り口から滲み出す養分が匂うのでしょうか?

 

今朝の庭には異臭? 何だか怪しい匂いがするぞ!


モグラ塚! 昨夜のうちに芝生に土が盛り上がっっていました。

 

前足で掘って鼻面を突っ込みます。

 

敵はどこにいるのだろう?

昨年はおとなしかったモグラがまた活動開始したようです。

犬が来てモグラがいなくなったかと喜んでいたのですが..........。

 

犬の保育園の遊具。

おっと その棒は噛んではダメ! 振り回すとダッシュして飛びつきます。

 

老人の手の体操用にといただいた木片にタコ紐を付け、タコ糸を巻いたボールを入れた綿手袋を結び付けました。木片は齧られて小さくなりました。

 

棒や木片を持って振り回すと飛びついてキャッチするのが大好き。

 

この真剣な顔! お昼近くになると息子が迎えに来ます。

その20〜30分前から入り口をじっと見つめながら待っているのです。

まるで忠犬ハチ公

 

初めは息子を待っているのかと思いました。

しかしこの子のランチを持って来るようになると真相判明。

たちまち食べ終わって帰るためにリードを付けようとすると逃げるのです。

やはり待っていたのはランチでした!

最近日中は36〜37℃の猛暑、たとえ50mといえども素足には道路も熱い。

庭にもベランダにも出たくない。ランチが済んでもまだ帰りたくない。


体重8.8kg。ターシャの庭のメギーはもっともっと太っていました。

それでもコーギーはもと牧羊犬、ダッシュするときのパワーは強く、よたよた歩きの私はもう散歩させられません。

 

青花銀梅草

「青花銀梅草」

アジサイギンバイソウ属の多年生草本

 

朝日百科 植物の世界によれば:

ギンバイソウ属は東アジアの固有種で、日本と中国にそれぞれ1種自生する。

日本の固有種は白梅を思わせる花が咲く 銀梅草 Deinanthe bifida 。

中国湖北省の固有種は青紫色の花が咲く  ディナンテ・カエルレアDeinanthe  caerulea 。

 

一昨年北側の日陰の庭に近くの園芸店で求めた「青花銀梅草」を植えました。

昨年花は咲きましたが 花の位置が低く見頃の時期を逃しました。

今年は花茎が12本立ち上がり、草丈40〜70cm。

葉は対生で楕円形、大きい葉では葉身20cmにもなり、先端が2裂、昔の握り鋏のような形をしています。

 

花がまたユニーク!

茎の先端に10個ほどの花が散房状に付き順次開花。

花の色は青というよりむしろ藤色で花弁5枚と萼片5枚。

花の直径  3〜4cm(日本のギンバイソウは直径2cm)。

花の中央に雌しべが1本、その周りを多数の雄しべが取り巻く。

右は球状の蕾。

 

花を裏面から見ると萼片が見易い。

 

トラマルハナバチが来ています。

 

白いホタルブクロと共演です。上の葉はキレンゲショウマ。

 

雄しべの葯も開いたようですが、花粉が少ない?

雌しべの柱頭に花粉がついていないのが気になります。

そういえばトラマルハナバチも一度見たきり。

 

花弁と雄しべは惜しげもなく散っていきます。


後にはのっぺらとした萼片と雌しべ。そして次の蕾が膨らみます。

 

装飾花

ギンバイソウには3枚の萼片から成る装飾花が1花茎に数個あるようです。

この青花銀梅草には1花茎に1個あるか無しかです(ピンクの花↓)。

 

花弁と雄しべが落ちた後も子房が膨らむ様子が見られません。

 

人目に触れにくい後方の一茎を生花用に切りました。

 

明るいところで雄しべを観察。雄しべの数が多いこと!

葯は開いているようですが、花粉は出ていないようです。

 

枯れた花を拾ってきて雄しべを数えてみました。その数 約200本!

黒い漆のお盆に載せたら細かい粉! 少しは花粉も出ているようです。

 

日本固有種の白花の「ギンバイソウ」には蒴果が出来ますが、昨年この銀梅草には実は付きませんでした。

今年もまだどの花にも子房が膨らむ様子は見られません。

ネット検索すると花の掲示はありますが、実は見当たりません。

と、ある生産者からの説明に「青花銀梅草は日本原産のギンバイソウと中国の青花ギンバイソウの交配種です」と明記されているのを見つけました。

そうだったのですね! それで花粉が少なく、実ができない!

このところの悩みから解放されました。

ということは青花とはいえ中国の固有種のディナンテ・カエルレアとは異なるものということになります。

このブログでは花の名前はカタカナで書いてきましたが、この花については商品ラベル通りの漢字で「青花銀梅草」としておきます。

でもこの花は珍しい、手間いらずの日蔭の園芸種としてこれからも私の庭の名物になるでしょう。



 



 

つくば植物園 5月の花木(イジュなど)

つくば植物園のパンフレット「温室のみごろ植物」で紹介されていた「イジュ」、昨春はどこにあるのかわからず見逃しました。

今年こそはと予め位置を検索。

そこは熱帯雨林温室、屋外の怖い階段を登ってやっと会うことができました。

2株の大木に白い花がたっぷり、優しい芳香に包まれた大空間でした。

 

イジュ(ヒメツバキ)

ツバキ科ヒメツバキ属の常緑高木

学名:Schima wallichii(植物分類表,wikipedia,朝日百科植物の世界)

   Schima noronhae (つくば植物園)

原産地:小笠原諸島奄美以南の琉球列島、東ヒマラヤから東南アジア。

和名:沖縄ではイジュ、小笠原ではヒメツバキ。 

 

葉は互性、両面無毛、披針形が多い。

花は直径4〜5cm、花弁は5〜6枚。おしべ多数・めしべ1本。

球形の蕾が面白い。

 

何とかわいい花だろうとしばしうっとり眺めました。

 

後で調べると、小笠原と沖縄では葉の鋸歯や厚みなどに差があり、同一種とするか、

固有亜種とするかなど問題があるようです。

また実が熟す頃見に行きましょう。

 

アメリシャクナゲ (カルミア・ラティフォリア)

  ツツジ科ハナガサシャクナゲ属の常緑低木

学名:Kalmia latifolia

原産:北アメリカ東部

花期:5〜6月

この花は 東京都がアメリカへ贈ったサクラの返礼として、昭和4年に日本に渡来。

属名の Kalmia はリンネの弟子で北米の植物の研究をしたカルム(P. Kalm)に因みます。

ここは駐車場の西側の植え込み、セイヨウシナノキなどの下です。

入園前にゆっくり鑑賞できます。

 

披針形で光沢があり、互生。

花は枝先の集散花序につきつぼみは金平糖のようでかわいい。

 

花の色は淡紅または白。直径約2cm、花弁5枚。

 

次々と開花。これはやや紅色が濃い株です。

 

ほぼ満開。こちらは白っぽい花。

 

最近はもっと紅色の濃い品種が多く販売されていますが、私はこの淡い色が好きです。

 

 10月 丸い蒴果になります(2021.10.18.)。

葉はグラヤノトキシンを含み有毒、とくにが中毒し易いそうです。

 

シャリンバイ

車輪梅、バラ科シャリンバイ属の常緑低木(高さ1〜4m)。
学名Rhaphiolepis indica var. umbellata
分布:日本(宮城・山形県以南)、朝鮮、台湾、中国、フィリピン、ボルネオ島
シャリンバイは庭園木としてよく植えられていますが、こんな大きな木は初めて見ました。

 

新芽が展開し終える頃、花が咲き出します。

花と若い葉と紅葉した古い葉が賑やかです。

 

シャリンバイの名のごとく、葉は車輪状に互生、花はウメに似ています。

楕円形の葉は革質で光沢があります。

花は5弁の両性花、うっすら淡紅色でした。

咲き始めの花は黄色の葯が目立ち、花粉が出終わる頃には花糸が紅くなります。

 

秋には黒紫色の実がたくさん実り、通路一面に落下していました(2020.12.1.)。

 

このシャリンバイが「大島紬」(鹿児島県奄美大島の伝統工芸品)の染料になることを初めて知りました。

シャリンバイの木から葉を取り除いて細かく切り、煮出した液を染料として絹糸を染めるのだそうです。

 

ヤマボウシ

山法師  ミズキ科ミズキ属の落葉高木
学名:Corhus kousa
分布:北海道を除く日本各地、朝鮮半島、中国、台湾。

この季節はヤマボウシも満開、大木は見応えがあります。

 

大木の花は見上げるばかりで写真も撮れないことが多いのですが、この木は低い枝が剪定されず、枝垂れて観察し易いように残されています。

 

ヤマボウシの花の構造を見るのはなかなか難しいのです。

葉脈の目立つ卵形の葉が対生に並んでいます。

4枚の白い花弁に見えるのは萼でもなく総苞片。

この日はiPhoneだけでしたから接写は諦めました。

 

参考のため愛知の庭で撮った画像を添えます(2014.5.19.)。

総苞片の中央に淡黄緑色の小花約30個が球状に配列。

 

それぞれの小花には萼片・花弁・雄しべが4個、雌しべ1本。

 


ピットスポルム ヘテロフィルム
姫海桐 トベラトベラ属の常緑低木

学名:Pittosporum heterophyllum 

分布:中国西部

 

温室の北側に良い香りが漂い、黄色い花が満開になっていました。

今まで見たことがない花、名札を探すと難しい学名!

でも確かにトベラに似た葉です。ヒメトベラなら覚えられそうです。

 

咲き始めは白っぽく、次第に黄色になるようです。

 

花の構造もシンプルで5弁花、雄しべ5本雌しべ1本。

 

右下の花は花弁が落ちて子房が大きくなっています。

果実は蒴果、秋には裂けて赤い種子が見えるそうです。

 

黄色の花の間に輝くような青色が光ります。

アオスジアゲハが4〜5頭、飛び交っていました。

辛うじて1枚撮れました。

トベラの葉は覚えがあるのですが、花は見たことがありません。

葉や花はもっと大きくて雌雄異株だそうです。いつか比較したいものです。

 

 

 

庭の山野草 2022

つくばの庭も4年目、今日は南側の半日陰の花達の記録です。

早春のフクジュソウ、セツブンソウに続く早春の庭はクリスマスローズが繋いでくれました。

昨冬の−8℃の寒波に耐えて今春も元気に開花した花達をいとおしく見つめます。

 

キクザキイチゲ キンポウゲ科イチリンソウ

ヒメユズリハの下、小さな石ころが見えるだけの空き地から芽が出て、葉が開き、青い花が平開する、それを通るたびに見る楽しみ、これはマイガーデンならではです。

 

ヒメリュウキンカ キンポウゲ科フィカリア属

こじんまりした1茎1花、これが本来のヒメリュウキンカです。

愛知で紛らわしかった大型ヒメリュウキンカはこの近くでは未だ見ていません。

ヒメリュウキンカにも園芸種がいろいろあります。

 

 サクラソウ (白兎)   サクラソウサクラソウ

白兎はとても丈夫な品種のようで、昨年よりまた大きくなりました。

 

つくば植物園のサクラソウ展で3年前に購入した純白の「初心」は発育不良?

 

サクラソウ(原種)

I さんにいただいた原種のサクラソウは寒さに強く、愛知より育ちが良いようです。

 

バイカイカリソウ メギ科イカリソウ

白色のバイカイカリソウ、こんもり大きくなりました。

しかし昨年植えたピンクのイカリソウは姿が見えません。

 

エビネ ラン科エビネ

植物園で見て庭にも欲しくなって昨年植えました。

遠くからでもわかる鮮やかな黄色です。

 

シラン ラン科シラン属

スギゴケはやはり日当たりの良いところには育ちません。

代わりにシュンランを植えたらすぐ近くに昨春植えたシランが咲いてしまいました。

 

シロバナシランですが唇弁はほんのりピンク。

    

 

タンチョウソウ ユキノシタ科タンチョウソウ属

今年は ViVi という元気なビオラに侵入されました。

いいえ、ビオラのせいではなくここにビオラを植えた人がいけないのです。

 

コバノタツナミ シソ科タツナミソウ属

I さんのお庭からいただいた苗がどんどん増えました。

 

花は紫色、薄紫色、白色と3色。

 

ハナニラ ネギ科ハナニラ

やはりブルーが一番丈夫、白色やピンクは消えました。

 

キバナオキナグサ キンポウゲ科オキナグサ

植物園で見た暗赤色の花が咲くと思っていましたが、クリーム色でした。

 

花はうつ向きのまま終わり、その後茎が直立し球状の痩果に長い白毛が密生します。

 

イブキジャコウソウ シソ科イブキジャコウソウ属

ツバキの下は気に入らなかったようで日陰側は枯れました。

しかし南側は残り、さらに飛石の隙間に「ひとりばえ」、これぞ望むところです。

 

ヒイラギソウ シソ科キランソウ

昨年通販で求めた小さなポット苗が1年でこんなに育ちました。

検索すると絶滅危惧種のようですが、ここは住み心地良さそうです。

命名はヒイラギの葉に似ているからと。

 

花はキランソウを大きくしたような形です。

 

オウギカズラ シソ科キランソウ

昨春ヒイラギソウと同時に求めた2株がたちまちグランドカバープランツになりました。

黒い葉はおまけでいただいて未開のゲラニウム。  

 

長い走出枝を出して地を這うように広がり、また撤去しなければならないかと思いつつ調べたらこれも県によっては絶滅が危ぶまれている山野草でした。

花は同じくキランソウに似て淡い紫色。


ブログに書きたいことがたくさんあります。

しかし毎日日曜日とは言え、やはり年のせいでしょうか、家事も捗らず、犬もかわいく、座るとすぐ眠くなります。

春は常緑樹の落葉拾い、雑草の草取り、夏野菜植えと忙しい上、植物園の誘惑も断ち難い。

写真は撮ってもその整理が捗らず、いつもブログの更新が遅れます。