アケボノソウ (栽培品)

 アケボノソウ 

     曙草 リンドウ科センブリ属の 2年草

  学名Swertia bimaculata 

  分布:北海道から九州・中国・ヒマラヤ

  花期:9〜10月

 

これは10年前六甲高山植物園で撮ったアケボノソウです。

初めて見た花に感動したものです。

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今年7月、偶々通販で見たアケボノソウの苗を購入、つくばいの横に植えました。

高さ75cmほどに育ち、10月頃より開花し始めましたが、何か物足りません。

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もっとパッと開いて欲しい。

10月17日 やっとほぼ平開した花。

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アケボノソウの花は直径約2cm。花冠は深く4〜5裂することが多い。

特徴は花弁中央の2個の黄緑斑(蜜腺)と先端部の紫色の小斑点(ガイドマーク)。

これらを曙の空に残る月と星に見立てて命名されたそうです。

  雄しべ5本、雌しべ1本。雌しべは花柱がなく子房の頂上が柱頭です。

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 開花したばかりの花ではまだ雄しべが伸び出していません。

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次第に雄しべが伸び、柱頭も 開いてきます。

この頃すでに蜜腺からは蜜が分泌されているよう。

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雄しべの葯が開く直前、もうアリが蜜を求めて来ています。

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葯が開いて花粉が出ました。

但し、六甲のアケボノソウに比べて雄しべが短い。

花弁も六甲のアケボノソウは細い舟形ですが、これは先が膨らんで五角形。

平開しにくいのも特徴でしょう。

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 大きなアリ、でもアリは受粉の助けにはなりませんね。

でもこの庭にはハチやスズメガの仲間がよく飛来しますから受粉は出来そうです。

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受粉後。柱頭には花粉が付き、子房も大きくなっています。

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子房を囲むのは萼ではなく、花弁。

萼は六甲のアケボノソウに比べ、大きいように思います。

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花弁が子房を包みました。

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本当にアケボノソウの子房を包むのは萼ではなく花弁なのでしょうか?

確認のため若い実の花弁を少し開いて写しました。

あら? 子房の下方にあるものは何でしょう?

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雄しべ? 若い葯と花糸のように見えます。

アケボノソウの結実画像をネット検索しましたが、このような画像は見当たりません。

ふつうは葯が消えて長い花糸が若い果実から飛び出しているのです。 

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やはり、このアケボノソウは少し変わっています。

上の方の花の子房の多くは膨らんでいますが、一部は受粉できず退縮。

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さらに下の方の花が咲き始めました。

花の大きさに比べて茎も太いようですね。

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しかし花弁が脱落しないので、周辺には花殻も落ちずすっきりしています。

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アケボノソウだと思って育てた株は以前見たアケボノソウとは雄しべ・花弁・萼などに少々違いが見られました。

近縁種があるのかとネット検索してみましたが、ミヤマアケボノソウやシマアケボノソウは別種、その他にはみつかりませんでした。

白い花がぱーっと明るく開花する日を楽しみにしていましたから少々残念ですが、こんなこともあるのですね。

そういえば前の庭には大株のシモバシラがありましたが、雄しべが短かく種子ができませんでした。

 

追記

このアケボノソウについて検索を続けましたところ、よく似た花を見つけました。

 「山野草を育てる」アケボノソウの育て方
 
アケボノソウを種子から2年余育てられたのですが、咲いた花は日光植物園など自生地で見た花とは異なる印象であったと。
その花がまた私の庭で咲いたアケボノソウとよく似ています。
お許しを得てリンクさせていただきましたので比較してみてください。
私のブログのタイトルも「アケボノソウ?」から「アケボノソウ(栽培品)」に変更しました。