つくば植物園は5月18日から再開していますが、長い梅雨が開けると猛暑、まだしばらく行けそうにありません。
この機会に今まで撮ったままになっていた写真を整理することにしました。
初めに中央広場の水辺の植物を取り上げます。
1)タイリンオモダカ
大輪面高(面高は人面状の葉が高く葉柄上にあることに因む)
学名:Sagittaria montevidensis
原産地:南アメリカ
オモダカ科は11属約100種からなる多年生の水生または湿性植物です。
代表は水田雑草のオモダカ、それを食用に改良したのがクワイと知ると親しみが増します。
タイリンオモダカは矢じり形の葉身が長さ60cmになる大型のオモダカです。
花の大きさはオモダカの2〜3倍、雌雄異花。
これは雌花。基部に大きな紅紫色のスポットがあります(20190627)。
こちらは雄花(20190728)。
キノコ型の果実(20190728)。
花が大きく美しいため水辺の公園や庭園に植栽され、帰化が按じられています。
2)ヒロハシャゼンオモダカ
広葉車前面高
学名:Echinodorus grandiflorus subsp. aureus
原産地:南アメリカ
ヒロハシャゼンオモダカは車前草(オオバコ)に葉の形が似ていることに由来します。
5〜8月頃、長い花茎を伸ばして可憐な白い花を次々と咲かせます。
日本でも越冬するためアクアリウムプランツとして流通し、各地の水辺の公園などにも植栽されているようです。
花の直径は約4cm、3弁の両性花です(20190725)。
( オモダカ科の多くの花は雌雄異花ですが、サジオモダカ属のヘラオモダカなどは両性花と記載されています。しかしヒロハシャゼンオモダカが両性花であるとの記載は未確認です。)
昨年撮った画像では全て両性花に見えます(20190531)。
3)ホソナガバミズアオイ
学名:Pontederia cordata var.lancifolia
原産:北アメリカ東部
爽やかな藤色が涼しげな美しい花です。
円柱状に 下から咲いていく穂状花序。
花弁は6枚、上中央の花弁に黄斑が目立ちます。
その下に短い雄しべが3本、さらに長い雄しべが3本。
これらはどんな昆虫を呼ぶための工夫なのでしょうか。また後日ゆっくり見てみたい。
4)マルナガバミズアオイ
学名:Pontederia cordata var.cordata
原産:北アメリカ東部
幅広く柔らかそうな葉、花は穂状ですがホソナガバミズアオイよりまばらな感じです。
花弁は ホソナガバミズアオイよりやや細長い。
撮影時期が遅かったらしく雄しべが目立ちません。
花が萎んだ花序。どんな実ができるのでしょう? また宿題です。
かっては日本にたくさんあったミズアオイも今は絶滅が按じられています。
一時は恐ろしいほど殖えていたホテイアオイもこの頃あまり見ませんね。
涼しくなる頃にはコロナ禍も落ち着いてまた植物園に行けますよう祈っています。