シモバシラの霜柱2022年12月

シモバシラの霜柱(氷花)のことは毎年書きましたから今年は触れないつもりでした。

ところがまた感動の場面が出現、記録せずにはいられなくなりました。

 

この冬は暖かくベゴニアが12月中旬まで咲き、ビオラの植え込みや枯れ葉処理も遅れました(まだ咲いている花を抜けない性分です)。

12月19日、突如寒波襲来、つくばの最低気温−5.1℃。

南庭のいつものシモバシラに霜柱は出たのですが枯葉に隠れて見栄えしません。

20日は−4.8℃。

8時から朝の庭を一周、北の通路へ入ると突如「白い妖精の群れ」!

ここは2019年に植えた1株を進呈するために2021年春に掘ったところです。その根が残っていて周囲に10本以上の茎が立ち上がり、それぞれに霜柱が出来たという訳です。

ここを通るのは私だけ。今年はまだシモバシラもカットしてなくて花殻まで残っています。

 

思いがけない贈り物!   地面にはツリバナなどの落ち葉が堆積し、山路で霜柱を見つけたかのような感激がありました。

 

ここの霜柱は24日(−4.6℃)にも出現しました。

カンアオイの明るい緑(右下)・アジュガの紫がかった深緑(左下)、ツルオドリコソウの斑入りの葉(上部)は引き立て役。中央の小木はツリバナ。

 

左はシロホトトギスの枯葉・枯れ花。

 

大きく裂けた皮層。

 

こんな頼りなげな茎からも大きく浸み出して凍るとは! 

 

建物の蔭で北側、霜柱はなかなか解けずに11時頃まで楽しめました(2022.12.20.11.05.)。

日照といえば朝日が短時間それも板塀の隙間から当たるだけですが、シモバシラの生育にはこれで十分なようです。

 

一方、2021年春 南庭の隅に植えた小さな苗もよく育ち、伸び放題で花殻もそのまま。

その茎にも高くまで霜柱が立ち上がっていました。

 

萼片が残った枯れ花。

 

12月24日の南庭の大株。降り積もったまわりの枯葉を除いておきました。

しかし多数の茎が密生し過ぎて迫力がありません。

 

最近雨が降っていないので南庭は特に水不足かもしれません。

(12月つくばの降水量 合計41.0mm)

 

年が明けても筑波おろしはおとなしく、穏やかな天候が続いています。

ということは霜柱は少ないということですが、遅ればせの枯葉処理や寒の施肥ができます。

巷にはまた第8波が拡大中、ここではチャーリーがデッキで日向ぼっこ、平和な日々です。

 

「霜柱」過去の記事

2019-02-06  シモバシラの霜柱(つくば植物園)

https://yuusuget-tsukuba.hatenadiary.com/archive/2019/02/06

 

2020-01-19  シモバシラの霜柱 2020-1

https://yuusuget-tsukuba.hatenadiary.com/entry/2020/01/19/000359

 

2020-12-23  シモバシラの霜柱 2020-2 

https://yuusuget-tsukuba.hatenadiary.com/entry/2020/12/23/221902

 

2021-12-30  シモバシラの霜柱など 2021 

https://yuusuget-tsukuba.hatenadiary.com/entry/2021/12/30/233814

 

追加資料:

天声人語

2017年1月25日(水)

 いてつく朝、踏むとサクサク音を立てる霜柱ならもちろん知っていたが、シモバシラという名の植物があることを最近知った。真冬になると茎のまわりに氷が花のように咲く。つい先日の氷点下の朝、東京都町田市の薬師池公園を訪れ、実物を初めて見た▼枯れた茎を純白の氷の膜がぐるりと取り巻く。天を指す円錐(えんすい)や三角錐が多い。ふわりとした綿あめ型もあれば、細くとがった棒状もある。たわむれる氷の妖精たちのようだ。当欄に写真を載せられないのが惜しまれる▼「きめ細かな氷で、光沢は絹のよう。東京の高尾山で見て研究対象に加えようと決心しました」。そう話すのは帯広畜産大学の武田一夫教授(65)。凍結現象が専門で、舗装道路をも変形させる霜柱を分析し、三十数回訪ねたモンゴルでは永久凍土を研究した▼教授によると日本固有のシソ科植物で関東以西に自生する。氷の花の正体は、茎の表面から放射状に出る薄い氷の結晶。吸水や凍結の仕組みを物理学の手法で調べ、寒さに強い農作物にいかしたいと話す▼大寒を過ぎたが、各地で寒波が猛威をふるい続ける。山陰地方では多くの車が立ち往生を強いられた。冬に氷の観察を満喫できるありがたさが身にしみる▼〈霜柱顔ふるるまで見て佳(よ)しや〉橋本多佳子。地表の霜柱も、触れるほど顔を近づけると、その繊細な美がわかる。シモバシラもしかり。かがんで顔を寄せ、小さな宝石にしばし見入った。朝の日差しを浴びると、まもなく音もなく溶けて消えた。