今年は穏やかだった小寒(1月7日〜1月19日)の間に2度植物園へ行きました。
中央広場へ向かうプロムナードのユリノキの日蔭にナギイカダがあります。
ここを通る時はいつも花が咲いてないかなと覗いてみます。
ナギイカダ
花は淡黄色の外花被片と内花被片が3枚づつ、赤い雌しべ1本。
葉の上に花を付けているように見えますが、これは枝が扁平になった仮葉枝(かようし)と呼ばれる器官で、長さ2cmくらい、固い皮のような厚みがあり、先端は鋭いとげ状です。
「ナギイカダ」は仮葉枝が針葉樹のナギ、花がハナイカダに似ていることからの命名。
こちらは2021年4月16日にデジカメで撮った花です。
ナギイカダは一般に雌雄異株とされ、ネット検索すると赤い実が出てきますがここでは見たことがありません。
ここには雄株が植えられていないのかと思っていましたが、赤い実はついてもその中に種子がないとの報告もあります。
昨年5月、若い茎が伸びているのを撮りました。
拡大すると偽葉の基部に鱗片葉と思われる淡緑色の小片が見えました。
これが本来の葉が退化したものかと思われます。その葉腋から仮葉枝が出ています。
こいうい時は温室へ行ってみましょう。私は暑がりでふだんは温室が苦手です。
デジカメも結露して温室は苦手、しかしiPhoneはすぐ撮れるのです。
温室は年中よく管理され花が絶えませんが、今回はナギイカダに因んだ植物を載せます。
カンキチク
寒忌竹 タデ科の低木
学名:Homalocladium platycladum
原産:ソロモン諸島
ジャングルのような茂みから細い葉(?)の束が交錯〜下垂していました。
葉(?)には小さな蕾がついているように見えます。
実はこれは昨年5月に見つけて名前がわからず宿題になっていた植物です。
この日は偶々近くで作業する職員の方がいらしたのでお尋ねしたところ、名札はぐるっと回った裏側の下の方にありました。「カンキチク」と読めました。
これからは昨年5月の画像です。蕾ではなく花が見られました。
節々に左右交互に小さな花が咲いています。
花弁はなく、淡黄色の萼片が5枚。
葉のように見えるのは茎。
葉は扁平で節のある茎に短期間着いた後脱落し、その後に花を付けるのだそうです。
三稜形で紅紫色の実を付けるようですが、まだ見ていません。
今年は葉と実も見てみたいものです。
カカオノキの花も咲いていました。
カカオノキ
学名:Theobroma cacao
原産:中南米熱帯 日本には大正時代に渡来
カカオノキでは幹や枝に直接 たくさんの花が房状に咲いていてこれまた驚きです。
これを「幹生花」というそうです。
葉は長さ20〜30cmの長楕円形で互性。右の方に若い実が1個ぶら下がっています。
古い幹からも直接花茎が伸び出して花が咲きます。
この花の構造はむつかしいのですが植物園の花は採取できないので文献を見ながら絵合わせしてみます。
外側のクリーム色の5片が萼、次いで反転している黄色い花弁5枚、短い雄しべ5本、長くて赤い仮雄しべ5本、中央に短い雌しべ1本があります。
この花が寿命が短く、受粉できるのは2日間のうちのこれまたわずかな時間帯のみ、同花受粉もできない。花粉を運べるのは ヌカカ か タマバエ くらいと。
熟練者の人工授粉に頼るしかなさそうです。
検索中、たまたま「つくば植物園」で作成されたすばらしい動画をみつけました。