11月11日 小春日和に誘われてつくば植物園を訪れました。
下を見ればハツユキカズラが満艦色。
プロムナードは黄色のメタセコイヤと深緑のセコイアが交互に並び、中央のトチノキはオレンジ色に輝いていました。
中央広場のクスノキ。
花も紅葉も無縁、ひたすら枝葉を広げています。
中央奥のカツラの大木はすでに落葉、右下の黄色はツワブキの花。
パンパスグラス
イネ科の多年草
学名:Cortaderia selloana
和名:シロガネヨシ、シラカネヨシ
原産:南アメリカ
これは2021年10月に撮った中央広場のパンパスグラスです。
左が雄株、右が雌株(南側から撮影)。
同じ日に北側から撮った雄株。
つくば植物園ではパンパスグラスは10年に一度、株の若返りとサイズ抑制のため地上部を全部切るそうです。
このパンパスグラスは2022年1月に刈られましたが、もうこんなに育ちました。
中央が雌株、右が雄株。
雌株:花穂に長い毛があります。
雄株:花穂は淡褐色。
この日は中央広場から近道を通って池の向こうへサラシナショウマを確認しに行きました。
残念ながら2020年の華やかな姿は無く、ササに負けて後退、わずかな花と若い種子が残っていました。
ハマギクとコハマギク
浜菊 日本の野生菊で最も大きな花を咲かせる海岸植物
学名:Nipponanthemum nipponicum
ハマギクは直径6cmに達する花を咲かせる1属1種の日本固有種。
分布:青森から茨城県の太平洋側崖や砂浜
断崖絶壁にも強風や高波に耐えて下垂して咲く大輪のキクです。
茎は20cm〜1m、下部は低木状になる。葉は互性し、へら状で厚い。
学名に驚きます。属名にも種小名にも「ニッポン」がつくのは植物ではハマギク、動物ではトキ Nippnia nipponだけだそうです(朝日百科 植物の世界)。
左がハマギク、ここでは右隣にコハマギクが植えられています。
今回この花が何か親しく感じられたわけがわかりました。
写真検索中に出てきた2012.10.11.の写真、愛知の庭の「ハマギク」でした。
園芸店で苗を買ったのでしょう、ハナミズキの下で2〜3年咲いて絶えたようです。
コハマギク
小浜菊 キク科多年草
学名:Chrysanthemum arcticum
分布:北海道・本州(関東地方北部以北)、北半球(寒帯)
長い地下茎が這って繁殖。葉は5裂し肉厚でほぼ無毛。
茎は高さ10〜50cm。
枝先に径5cmくらいの頭花を一つずつつける。
葉が密生してカーペット状に広がっていました。
ハチジョウアザミ
八丈薊
学名:Cirsium hachijoense
分布:伊豆諸島
アザミにしては優しい感じの花が咲いていました。
茎は1〜1,5mくらいで葉に棘はありますが猛々しくはありません。
淡紅紫色の花はやや俯き加減。
オオイタビ
大木蓮子 大崖石榴 クワ科イチジク属の常緑蔓性木本
学名:Ficus pumila
分布:東アジア南部 日本では関東南部以西
ここにオオイタビの大株があることを見つけ、ぜひその果実を見たいと思っていました。
崖に根があるようですが数本の太い幹から半ばツル状に周囲に葉を広げています。
丁度細い坂道の上に葉が茂り、果実が見えました。
さらに幸運にも道端に落ちた果実(→「花嚢」というようです)を見つけました。
この植物園では実どころか葉1枚も採っては行けないルールです。
でもちょっと移動させて写真だけ撮らせてくださいね。
花嚢は長さ3cmほどの卵形、いろんな色がありました。
雄株では淡紫色、雌株では濃紫色に熟すそうです。
雌株の花嚢は紫色に熟し甘くておいしいが、雄株の花嚢は熟してもスポンジ状で食べられないそうです(朝日百科植物の世界)。
イチジク属の植物はイチジクコバチによって花粉が運ばれます。
この果実の中でもイチジクコバチが活動しているのでしょうね。