麝香揚羽 アゲハチョウ科 アゲハチョウ亜科
学名: Atrophaneura alcinous
分布:東アジア。 日本では秋田県以南から八重島諸島まで。
大きさ:42〜60mm(前翅長)。
6月25日 淡路島の友人のブログでジャコウアゲハの蛹が羽化した記事を読みました。
その翌日、私の庭にも黒い蝶が舞っているのが見えました。
今年は庭に来る蝶が増え、黒い蝶も何度か来ましたが、動きが速くて写真が撮れません。
大きなチョウです! クロアゲハ? オナガアゲハ? ジャコウアゲハ?
近付いても逃げず、ゆるやかに私の周りを飛び交います。
尾状突起(後翅の先端)が長い !
ということはクロアゲハではなく、オナガアゲハ? ジャコウアゲハ?
下の葉はウマノスズクサではなく、自生のヤマイモです。
この庭にはウマノスズクサはありません。
ヒュウガミズキに止まって一休み。
後翅にオレンジ色の模様があります。
身体にも赤い模様が見えました!
これでジャコウアゲハとしてよさそうです。 前翅の色が薄いのでメス?
こんな角度からの写真も撮れました。
サンジャクバーベナの花の蜜を吸うのはメス?
翌6月28日1時頃、朝からの雨が止みました。
それを待っていたかのように庭に黒や黄色の影が動き始めました。
何とジャコウアゲハそれも4頭とキアゲハが花壇の上を乱舞していたのです。
モナルダは蝶たちに人気があります。
動きが早すぎてシャッターが間に合いません。
翅の色がやや薄い上の方がメス、下がオスでしょうか?
オスは翅の色は濃い黒色でビロード状と記載されています。
和名ジャコウアゲハは雄成虫が麝香のような匂いを(成分はアセトアルデヒド)を発散させることに由来するそうです。
ウマノスズクサにはアリストロキア酸という毒素がありますが、この毒に耐性があるジャコウアゲハはこれを体内に貯めながら成長します。
そのため成虫は鳥に捕食されず、悠然と空を飛び、花の蜜を吸うことができます。
それがどうしてわかるのか、ジャコウアゲハに擬態して身を守る昆虫もいます。
アゲハモドキ(蛾)、オナガアゲハ、クロアゲハ(ベイツ型擬態)。
ジャコウアゲハの飛び方は前の庭に来たアサギマダラの飛び方とよく似ていました。
アサギマダラはヒヨドリバナなどアルカロイドを含む食草を食べて育っています。
ともに悠然とふうわりふうわりと比較的低い位置を飛び、人も恐れません。
すぐ隣でアガパンサスも満開ですが、ジャコウアゲハには無視されているようです。