3月10日(日)からつくば植物園で「つくば蘭展」が開かれています。
つくば植物園では毎年2回蘭展が開かれます。
このブログでは 蘭展 つくば植物園2021 - 夕菅の日記を報告しました。
今回の特集は「世界のめずらしい野生ラン」。
まずは3月11日(月)に出かけました。
「世界のめずらしい野生ラン」
「つくばコレクション」はアジアのランの世界最大級のコレクションで、約380属3200種を栽培、今年お勧めの野生ランはセッコク属(Dendrobium) から始まりました。
デンドロビウム・トランキミアヌム
(今年のおすすめ1)
ベトナム南部の標高1000〜2000mの森で発見され、つくば植物園で新種として発表された花です。世界でもほとんど栽培されていない希少種ですが、種子繁殖に成功し、次世代が育っているそうです。
デンドロビウム・クサントフレビウム
(今年のおすすめ 3)
タイ〜ミャンマーの標高1350mくらいの山地林の木の上で暮らす種。
これもほとんど栽培されることのない希少種ですが、ここで種子繁殖した第2世代の個体です。ひとつの花が2ヶ月以上も咲き続け、時間とともに色が変わるそうです。
めくるめく森の宝石
今回は教育棟で葉の美しいジュエル・オーキッドの展示もありました。
きらめく葉を持つミステリアスなラン達です。
日本に自生するジュエル・オーキッド
ジャコウキヌラン (今年のおすすめ4)
葉がつややかに輝く大型のジュエル・オーキッド。絶滅危惧IB類。
すがすがしい香りをまといます。節々から根を出して地表を這い回り、枝分かれして定着。
分布:琉球列島・台湾南部。
クレピディウム・メタリクム (今年のおすすめ5)
数あるランのなかで最も妖しい色の葉を持つ種。
1879年新種として発表された論文にも「まさに宝石!」と。
分布:マレー半島・ボルネオ
特別出演 ’オオヤマザキ’ (今年のおすすめ 6)
リンコレリオカトレア・エンプレス オブ ロシア ’オオヤマザキ’
戦前大山崎山荘は「ランのメッカ」といわれ数々の新品種が生み出されたそうです。
デンドロビウムのいろいろ
一般には「セッコク属」より「デンドロビウム」の方が分かり易いかも知れません。
セッコクは漢字で書くと「少彦薬根」、「少彦」はオオクニヌシのミコト大国主命と共に国造りをした「少彦名命」スクナヒコナノミコトのことで、医療の神様だそうです。
一般にデンドロビウムといえば右のような花↓を思い浮かべます。
しかし左の花は長〜く伸びた茎が下垂。
デンドロビウム・アノスムム
Dendrobium anosmum
東南アジア・ニューギニア島
デンドロビウム・マクロフィルム
これはまたパワフルな造形に見惚れました。
デンドロビウム・スブレトウスム
艶やかな葉と透き通るような白い花。
デンドロビウム・モリソニイ
パフィオペディルム
表情豊かなパフィオペディルムの花にはつい引き込まれてしまいます。
昆虫が迷い込むのも無理はありません。
パフィオペディルム・カロスム
パフィオペディルム・ハイナルディアヌム
フィリピン
パフィオペディルム・デレナティイ
中国南部、ベトナム
ロビクエティア・セリナ
フィリピン
果実のように見えるのは花。
追加:熱帯資源植物温室に開花株の展示がありました。
バンダ・クリステンソニアナ
バンダは紫色のぼってりした花かと思っていたら、こんな軽快なバンダもあるのですね。
花弁が透けて見えます。
ロックハルティア パルテノグロッサ
華奢な花なのにがっちりした果実ができていました。
研修展示館2Fでは研究の秘密基地も見せてもらえました。
液体回転培養。
ゆっくり写真を撮りながら研修展示館1Fの「世界のめずらしい野生ラン」を回ると予定の1時間半を過ぎてしまいました。
13日午後出直して教育棟のジュエル・オーキッド・「研修展示館2F」・熱帯資源植物温室の「世界の美しいラン」を見ました。
どれも力作でiPhoneは満員、とても私のブログには入りきりません。
また次の機会に!