本吉 總男 先生の「源氏物語の植物たち」

今日は本吉 總男 先生のコラム「みずき野とその周辺の植物と昆虫」をご紹介します。

このコラムの今回からのテーマはNHK大河ドラマに因んで「源氏物語の植物たち」。

本吉 總男 先生は私の前のブログ「はるなつあきふゆ夕菅の庭」の2010.9.18.「トレニアの不思議」にコメントを頂いたのがご縁で、以来私の素人ブログをコメントでご指導いただいた植物学者さんです。

先生は岡山大学定年退職後、茨城県守谷市に戻られ、ブログマイボタニカルノート」に加えて2014年5月から「みずき野の PC版町内会ホームページ」に「みずき野とその周辺の植物と昆虫」を掲載されています。

http://www.mizukino-chonaikai.org/Mizukino-no-Shizen-to-Konchu.html

 

今回はその75回、タイトルは源氏物語の植物たち(1 )」です。

先生は岩波文庫で原文の「源氏物語」を再読しながらこれを書いていらっしゃいます。

幼い頃から親しまれた「昆虫」とご専門の植物だけではなく、古典文学や絵画にも造詣が深く私はいつも感心するばかりです。

このコラムをみずき野の方々だけではなく、もっと多くの方にお読みいただけるよう、お許しを得てご紹介させていただきます。

 

源氏物語の植物たち(1 )には キリ・ハギ・アオイ・フジ・ナデシコセミの抜け殻・オギ・ユウガオが登場しています。

残念ながら私は「源氏物語」も未読、植物にも精通していませんが、今回は撮りためた画像の中から関連するものを並べてみました。

 

キ リ

桐  キリ科(←ゴマノハゾク科、←ノウゼンカズラ科)キリ属の落葉高木

学名:Paulownia tomentosa

キリは日本では家紋にも用いられ身近に見られる植物ですが、日本原産ではなく中国原産と推定されています。

成長が早く樹高15mにもなり、俯いて咲くため写真が撮り難い花でした。 


薄紫色の花が密集(つくばの家の近くで4月末〜5月初めに撮影し拡大)。

 

路上に落ちた花殻も美しく心に残りました。花冠長さ約5cm。

 

20〜30cmにもなる大きな葉が対生。

 

ハギ 

 秋の七草にも登場して親しまれてきた「ハギ」ですが、ハギという種はなく、マメ科ハギ属約40種の低木あるいは多年生草本の総称として用いられています。

ヤマハ

山萩 マメ科ハギ属の落葉低木

学名:Lespedeza bicolor

分布:北海道から九州まで・朝鮮半島・中国北部・シベリア南東部



シラハギ 

栽培品種

学名:Lespedeza japonica(諸説あり)

愛知では大きくなりすぎるヤマハギを抜去し、シラハギだけ残しましたが、それでも毎年剪定に難儀しました。

この他日本にはマルバハギ・ツクシハギ・ニシキハギなどがあります。

 

アオイ

葵は源氏物語では光源氏の正妻ですが、華やかなアオイ科の植物ではなく、ウマノスズクサ科のフタバアオイに因む名だそうです。

フタバアオイ

学名:Asarum caulescens

分布:東北地方南部〜九州、中国甘粛省から四川西部

徳川家の紋章はフタバアオイの葉を3枚組み合わせたもの。

残念ながらフタバアオイの画像はないので、私の庭のカンアオイを載せます。

フタバアオイは輝くような緑色の柔らかい葉です。

詳しくは本吉先生の「源氏物語の植物たち(1 )」に紹介されたPDFをご参照ください。

 

カンアオイ

寒葵 ウマノスズクサカンアオイ属の多年草

学名: Asarum nipponicum

分布: 関東南部〜近畿地方の太平洋側

つくばの庭に植えたカンアオイはよく育って、今春は花も確認できました。

 

フ ジ

藤 マメ科落葉高木

学名:Wisteria floribunda

分布:本州・四国・九州(日本固有種)

つくば植物園つくばね橋から見たフジ。

 

つくば植物園日本庭園のフジ。

 

ナデシコ(カワラナデシコ)

河原撫子 ナデシコナデシコ属の多年草

学名:Dianthus superbus var.longicalycinus

分布:本州〜九州・朝鮮半島・中国・台湾

愛知の庭のカワラナデシコが最も美しかった頃。

 

大好きなナデシコでしたが、つくばの庭では宿根せず諦めました。

 

空蝉(ウツセミ

空蝉とはセミの抜け殻のことだそうですが、この名はお気の毒ですね。

愛知でたくさん見られたアブラゼミの抜け殻。

 

ユウガオ

夕顔 ウリ科ヒョウタン属の蔓性1年草

学名:Lagenaria siceraria

 

私はユウガオという花は見たことがありません。

調べてみると「ヨルガオ」学名:Ipomoea alba もあってこちらはアサガオヒルガオと共にヒルガオ科。

朝日百科植物の世界2-296には朝顔市で「夕顔」の名で売られているのはヨルガオと。

ネット検索して夕顔の種子を取り寄せてみました。

すると袋の花の写真は朝日百科のヨルガオにそっくりでした。

 

ウリ科のユウガオには「マルユウガオ」と「ナガユウガオ」があり、栃木県などで干瓢の原料として栽培されましたが、近年は中国などから輸入されているようです。

「ユウガオ」の種子、来春種まきしてみましょう。

 

トレニアの受精

トレニア

アゼトウガラシ科ツルウリクサ属の一年草

学名:Torenia   fournieri

原産:インドシナ半島

別名:ハナウリクサ・ナツスミレ

 

酷暑にも負けず、レイズドベッドのトレニアが元気に咲き続けています。

これは昔からある青紫色、安くて丈夫、長持ちするトレニアです。

 

赤紫色と白色。

 

トレニアの花は面白い構造をしています。

筒状の花冠の上部中央にあるリング状のものが雄しべ。2組4個の白い葯が見えます。

その下に半開の雌しべ。

 

上の雄しべから花粉が出始めていますが、雄しべはもうひと組あるはずです。

中央の白い雌しべの下に見えています。

雌しべは触れると閉じます。


上の雄しべは花粉を出してからリングを解いて左右に直立。

柱頭の左奥にもう一組の雄しべが見えます。

 

花は次々咲きますが、この暑さの中、訪れる昆虫がいるのでしょうか?

それが、いたのです! ホシホウジャクでした。

花から花へ休む暇なく飛び回っていました。

 

夕方になると雄しべ雌しべはよれよれです。

 

さてこの花粉はどのようにして花粉管を出して胚珠に到達し受精するのでしょう。

実はこの疑問は2009年愛知にいた頃取り組んだ課題でした。

この年私は庭のユウスゲの花に人工授粉をしながら、その花粉からどのように花粉管が伸びて卵細胞に達するのか、知りたく思っていました。

受粉が成功するとすぐ子房が膨らんできますから花粉管の伸長はかなり早いはずです。

 

検索してみると1869年から「花粉管を胚珠に誘う物質は何か」と世界中で探求され、2001年名古屋大学の東山哲也教授がトレニアを用いて「胚珠にあって花粉管を誘う蛋白質の同定に成功」され、「Nature」2009年3月19日号に掲載されたことを知りました。

 

当時日々顕微鏡を使う仕事をしていた私は試しに花粉を付けたトレニアを顕微鏡で覗いてみました。

すると驚いたことに伸びていく花粉管も卵装置も比較的容易に見ることができ感激しました。

この間のことはブログ「夕菅の庭」に記載しました。

トレニアの不思議(2)

yuusugenoniwa.blog.ss-blog.jp

 

翌2010年 トレニアの花を見るうちにもう少しきれいな写真が撮れないかと再挑戦しました。

yuusugenoniwa.blog.ss-blog.jp

 

それから早くも14年が過ぎ、私は82才になりました。

この間 脊椎の大手術を受け、6年前茨城県つくば市に転居しました。

顕微鏡は持ってきたものの、再設定には術後の姿勢や装置の再設定に問題があり、使うことなく終わりそうです。

 

左奥からトレニア(ピンク)、スーパートレニア カタリーナ(ブルーリバー)、スーパートレニア カタリーナ(アイスリバー)、トレニア(白)(ピンク)。

 

 

82歳の夏の記録

記録的な暑さが続いた今夏も記録的大雨と共に終わろうとしています。

幸い当地では程よく雨が降って水遣りが少なくて済みました。

しかし今年は夏咲きの1年草を植えるタイミングを逃し、少々寂しい庭です。

そんな中、ミニ菜園には元気な1株がありました。

ひとりばえで草丈3mに育った白花のモミジアオイです。

 

話は少し遡って7月中旬のことです。

白花モミジアオイの親株は西側の木塀の内側にありました。

左は白花のタイマツバナモナルダ)の花後。

 

でも何か変! モミジアオイの葉は細く5つくらいに裂けているはず。

昨夏ここのモミジアオイは大きくなって隣家へ花殻を落としました。

そのため今年は肥料を与えなかったのに、また大きく育っています?

おやおや? 白花のモミジアオイの茎は白っぽいはずですがこれは赤い。

 

手前のオミナエシは黄色い蕾を捧げているものの痩せています。

高さ約2mのこのたくましい闖入者は何者でしょう?

ひょっとしてオオマツヨイグサではないでしょうか?

すぐ抜去したくても私の力ではどうにもならず、夫に依頼しました。

 

オオマツヨイグサグサ

アカバナ科の2年草

原産:北アメリカ 1870年頃

花の直径は5〜8cmくらいになる。

 

こちらでオオマツヨイグサグサらしきを見たのは家から50m東の空き地。

でもメマツヨイグサもあるそうです(花の直径<5cm)。

3年前スマホで撮った写真がありましたが花の直径は計っていません。

その後一面に除草剤が撒かれて今は見られず残念です。

 

あとで後悔しました。

抜去は花を見てからでも良かったのではないかと。

昨年に比べて貧弱なオミナエシが不憫ですぐ抜いてしまったのです。

このあとオミナエシは元気に咲き始めました。

抜去した植物についてお分かりの方はどうぞお教えいただけますようお願いします。

 

左に咲いていたのは タイマツバナ(モナルダ)

この塀の右にはまた異変がありました。

花後のタイマツバナに絡んでいるのは?

かの有名なる「ヘクソカズラ」です!

 

ヘクソカズラ

 アカネ科ヘクソカズラ属の蔓性多年草

学名:Paederia scandens

分布:日本全土・中国・東南アジア

花は可憐に見えますが、触れれば臭く、種子を残せばしつこく生えます。

これも蔓をたぐって一括抜去しました。

茎を切って引っ張っただけのためか、悪臭は感じることなく終わりました。

悪臭成分はメチルメルカプタンだそうです。

 

ペチュニア

ナス科ペチュニア属の非耐寒性多年草(寒い地方では1年草)

学名: Petunia

原産国:南米

和名:ツクバネアサガオ(衝羽根朝顔

日本には江戸時代に伝来 

ペチュニア パニエ ライトブルー

ビオラの抜去が遅れ、気付いた頃には例年の1年草の良い苗がなかったのです。

この花は初めて見ましたが、思いの外丈夫でした。

 

この複雑な花弁の重なりに園芸植物の歴史を見る思いです。

 

バーベナ

美女桜

        クマツヅラ科クマツヅラ属の1年草〜多年草

学名:Verbena

南アメリカ原産のウエルベナ・ペルウイアナなど南アメリカ原産の種の交雑でつくりだされたそうです。

 

 

2018年9月つくばへ転居してからまもなく6年。

車の運転を止める決心をしてから1か月、息子の協力で無事に暮らしています。

 

 

つくば植物園 〜2024「夏の花」

今夏は歴史的な酷暑、庭にすら出たくない日が続きます。

例年でも真夏は植物園へ行っていませんが、今夏は初めから諦めました。

今回は未掲載の「つくば植物園で撮った夏の花」です。

 

キキョウ

桔梗 キキョウ科の多年草 Platycodon grandiflorus

分布:日本・朝鮮半島・中国・シベリア東部。

6月22日に「つくば夏の洋蘭展」に行った時、西の花壇のキキョウが見頃でした。

新たに植栽されたのでしょうか? こんなにきれいに咲いていたのは初めてです。

 

カルドン(↓)の周りを囲むように植えられ、行儀良く咲いています。

 

キキョウの花は合弁花冠で五数生。

 

属名のPlatycodonは「広い鐘」という意味だそうで、花は5枚の花弁が合着した広鐘型。

蕾は膨らんだ風船のような形をしていることから英名は「バルーン・フラワー」と。

 

キキョウが雄性先熟の花であることは「盛夏の庭の花 2021」に書きました。

初めは雄性期で5本の雄しべから花粉が出ます。

 

花粉が出終わってから中央の雌しべの柱頭が5裂に開きます。

 

カルドン

  キク科チョウセンアザミ属の多年草

学名:Cynara cardunculus

分布:地中海沿岸・カナリア諸島

キキョウに囲まれてアザミのような蕾を付けたシルバーリーフの植物が育っていました。

これがカルドンです。

 

間もなく咲きそうです。

 

2019年7月28日つくば植物園で撮ったカルドンの花です。

 

紫色のアザミのような美しい花です。

 

しかし花後は近寄りがたくなりました。

 

アーティチョーク

和名:チョウセンアザミ 朝鮮薊

英名:Artichoke

学名:Cynara scolymus

古代ギリシャ時代からカルドンの茎・根・蕾は料理に使われていたようですが、これを改良したのが「アーティチョーク」、大型アザミです。

蕾の状態の総苞片の基部を茹でて食べます(ヨーロッパの春野菜)。

江戸時代に渡来したそうですが、日本では普及していませんね。

残念ながら私はまだ見たことも食べたこともありません。

 

 

シカクヒマワリ

四角向日葵  キク科の多年草

学名: Tetragonotheca helianthoides L.

分布:北アメリ

 

シカクヒマワリの花は6〜8月に開花します。

草丈は1〜2mありますが、花の直径は10cmくらい(2021.7.29.)。

 

一見、ヒマワリというよりキクイモに近い印象でした。

 

特徴は茎にあります。茎が円くなくて四角です。

 

冬季、枯れた茎が横たわっていました。

四角の枯竹のような印象でした(2021.1.21.)。

 

アスチルベ ’エリカ’

 ユキノシタ科チダケサシ属の多年草

学名:Astilbe arendsii  'Erika'

草丈:60〜90cm

開花:6〜7月

チダケサシ属は約25種あり、日本・中国・ヒマラヤ・北アメリカに分布。

属名のアスチルベギリシャ語の「a(無)とstilbe(立派、光沢)」からなり、花があまり派手ではないことによると。

 

また日本に自生するチダケサシは昔、信州地方でこの茎に食用キノコのチダケを刺して持ち帰ったことから名付けられたそうです(朝日百科植物の世界5−276)。花は淡紅色。

アワモリショウマ(泡盛升麻 学名:Astilbe japonica)の花は白色。

その他、日本にはオオチダケサシ・アカショウマ・トリアシショウマ・モミジバショウマ・ヒトツバショウマなどが各地に分布しています。

 

園芸界での「アスチルベ」はドイツのゲオルク・アレンズが育成し1908年発表したアワモリショウマ、中国産のアスチルベ・キネンシス、アカショウマなどの交雑種から始まったようです。

華やかな園芸種はもう「a(無)とstilbe(立派、光沢)」から「a(無)」を返上しなければならないほどですね。

 

酷暑の庭 2024

先月は2018年秋につくばに転居して以来、最も暑い7月だったように思います。

気象庁の過去の気象データ(つくば)7月」を検索してみました。

      最高気温  30℃以上  降水量

2019年   34.2℃   9日       160.0mm

2020年   30.7    3 日         233.5

2021年   33.8           14日          201.5

2022年   36.8     21日          143.5

2023年   36.6          24日           34.5

2024年   37.0   26日         103.5

 

確かに気温は今年が最高、但し最近はスコールのような雨が降って助かりました。

『追記』8月5日: 今朝の天声人語に「先月は、日本の観測史上、最も気温が高い7月だったという」と。やはりそうだったのですね。

この気温に負けず、今夏も元気な姿を見せてくれた庭の花を記録します。

 

ヤマユリ

山百合 ユリ科ユリ属の多年生草本

 学名:Lilium auratum

 分布:東北地方から近畿地方に自生。北海道・四国・九州には栽培品が野生化。

 花期:7

 

東の花壇のヤマユリについては 2021年「ヤマユリとオウゴンオニユリ」2022年「空梅雨の庭 2022」に書きました。

今年はさらに賑々しく開花しました(7月3日)。

 

雄しべは6本、開花間もない花は雄しべの葯が開いていません。

これは中央2個の雄しべの葯が開いたところです。

 

雄しべの葯が全開したところです。

 

赤い花粉がいっぱい出ます。中央の雌しべの柱頭にも着いたようです。

 

満開!20花以上ありました(7月6日)。

2018年の球根1個からこんなに増えたのです。


タイタンビカス

 アオイ科フヨウ属宿根草  Hibiscus x Taitanbicus 

 2009年日本で生まれたアメリカフヨウとモミジアオイ の交配種。

 

ヤマユリが終わるとその左の方の「タイタンビカス」が開花します。

この花の右にあったジュンベリーとユーパトリウム ’リトルジョー’を昨年撤去したため、今年は元気いっぱい、毎日10花以上咲き誇っています。

白花は「ピーチホワイト」、左の赤花は「アドニス」。

 

花は直径15〜25cm。ムクゲ日の丸や宗旦に似ています。

 

しべはハイビスカスのよう。

朝咲いて夕には萎む、はかない1日花です。

 

モミジアオイ

紅葉葵 アオイ科宿根草 米原
学名:Hibiscus coccineus
 

これも毎年お馴染みの花ですが、左の株はひとりばえの3年目。

草丈3m近くに高く伸び、常緑樹の間で紅一点を誇っています。

 

下から見上げて撮りました。

これも同じく1日花です。

 

こちらは初めに植えた1株。

花殻が隣のお庭に落ちないよう気を遣います。

 

白花のモミジアオイも元気いっぱい。

零れ種で増えすぎて悩むほどです。

 

白いモミジアオイだけでは少し寂しい。

 

7月31日夕、久しぶりに東の空に大きな虹が出ました。

残念ながらもう消えかけですね。

 

このところ2週ほど 悩ましい日々でした。

以前から不整脈があり、1年前からアップルウオッチを付けたのですが、最近警告が増えました。のみならず左胸がドキドキします。

危険回避で車の運転を断念!

2日前かかりつけ医受診、紹介状をいただいて昨日循環器の専門医受診。

まずは内服薬1種。次の検査を予約しました。

幸い今日は胸が静まり、ブログを書くことができました。

 

 

「つくば夏の洋蘭展」

6月16日(日)から23日(日)までつくば植物園で「つくば夏の洋蘭展」が開催されました。

ここでは2016年から夏にも蘭展が開かれています。

今回は温室ではなく受付がある教育棟での展示です。

暑さと混雑を避けて、6月22日の3時から出かけました。

月2回のブログのため、遅ればせながらほんの少々のみレポートします。

 

ウェルカムフラワーはつくば洋蘭会会長 斉藤正博さんの豪華なカトレア。

カトレア・ワーセウィッチ 

南米コロンビアに自生するカトレア原種。

 

プロステケア・ビテリナ      

原産:メキシコ

ランとは思えないような鮮やかな朱赤色の花です。

出品:斉藤 正博さん 

 

ツニア ブリメリアナ    

分布:台湾・ミャンマー・タイ

「冬は新聞紙に包んで押し入れへ」とのコメントが添えられていました。

出品:広澤 良子さん 

 

レナンセラ 20thWCOシンガポール 

2011年開催のシンガポール世界ラン会議 記念のラン 

出品:加藤 かほるさん

(影絵のような写真になってしまいました。)

 

カトレア パープラタ フラメア  

分布:ブラジル

出品:荒木 悦子さん

 

カトレア テネブロサ 'Walton Grange'          

 原産:ブラジル

出品:荒木 悦子さん 

 

ミルメコフィラ ティビシニス   

分布:メキシコ〜コスタリカ        

今回は13花茎が高いものは天井近くまで伸びて開花していました。

出品:南村 昌義さん 

 

リンコレリア・ディグビアナ’Stella’  

 ラン科リンコレリア属

 分布:ホンジュラスユカタン半島

唇弁の縁が細かく裂けるのが特徴でカトレア類の交配親として多用されます。

出品:斉藤 正博 さん

 

カトレア パープラータ カーネア 

ラン科カトレア属(←レリア属)

原産:ブラジル

初夏の貴婦人といわれるようです。

出品:斉藤 正博さん

 

パフィオペディラム・トルズワンダー'メッチェン’ 

 パフィオペディラムの原産地は熱帯アジア 

 'メッチェン’ はドイツ語で「少女」

 出品:斉藤 正博さん

 

パフィオペディルム グロリアノーグル

パフィオペディルム原種系交配種

出品:斉藤 正博 さん


パフィオペディルム  ベラツルム 'Kreios' 

原産:中国雲南省貴州省・広西省・インドシナ半島

出品:斉藤正博さん

 

デンドロビウム セカンダム アルバム’シゲコ’

分布:ミャンマーインドネシア・フィリピン

 今年2度目の開花で花数が少ないそうです。

出品:稲葉茂子さん

 

アワチドリ

 千葉県南部に自生するウチョウランの一種  

出品:鈴木 良治さん

 

ネジバナ 

意表をつく出品でした。

分布:日本・ヒマラヤ・シベリア・オセアニア

出品:広澤 良子さん

ネジバナについては旧ブログ「夕菅の庭」に2013年に記事にしています。

https://yuusugenoniwa.blog.ss-blog.jp/2013-07-11

 

 

カキラン(和名)

 分布:ロシア・中国・朝鮮・日本

 出品:倉持 見永子さん



斉藤正博さん
今回つくば洋蘭会会長 斉藤正博さんがたくさんの美しいランを出品されています。

どんな方か パソコン検索。

全日本蘭協会の会長さんでもあられました。

2020年「育てて愉しい蘭の本」を出版。

つくば市在住、筑西市で医院開業中、驚きました。

「花が咲くのは光合成産物によってであって、肥料によるのではないと思っています」と。

温室の中にはパフィオ(6割)やカトレア(3割)。

 

ユウスゲの咲く頃

ユウスゲ

 夕菅   ワスレグサ科ワスレグサ属の多年生草本

 学名:Hemerocallis citrinai var. vespertina

 

今年もユウスゲの咲く頃になりました。

この庭には初め3ヶ所にユウスゲを植えましたが、樹木の成長と共に日陰が多くなり、東と中央のは成長不良になったため家庭菜園に移植しました。

家庭菜園の維持も年々厳しくなり、むしろ野草スペースにしようかと思っています。

ユウスゲ移植は大成功、予想通り今年は早々と元気な花が咲きました。

 

6月22日 17:12

この日は10花開きました。

ユウスゲの花は夕方4時くらいから開き始め、翌朝萎みます。

その間に夜活動する昆虫によって受粉、結実します。

花殻は2−3日、残存するため写真を撮るには邪魔、指で引っ張って取りました。

でも右中央に2つ花殻が残っていますね。

これは受粉成功した花、花殻を引っ張っても取れません。子房保護のためでしょうか。

子房は日々膨らんで種子ができます。

 

6月29日 17:37

花の多くは夕陽が沈む西の方に向いています。

この日も花殻を取った後の撮影です。右下にキュウリの蔓が伸びてきました。

 

タイマツバナ

 松明花  シソ科ヤグルマハッカ属の多年生草本 

 別名:モナルダベルガモット

 学名:Monarda didyma

 原産地:北アメリカ 

 一般に園芸店では「モナルダ」の名で販売され、赤・紫・ピンクもあり。

 

木塀沿いの痩せ地でもよく茂ってたくさんの花を咲かせています。

 

オウゴンオニユリ

黄金鬼百合 オニユリの変種 ユリ科ユリ属の多年生草本

学名: Lilium lancifolium var. flaviflorum

分布:対馬のみ

 

これは2021年7月15日2023年7月17日のブログに書きましたが今年はやや不作でした。

株下にどっさりホタルブクロが侵入・繁茂し養分を横取りしたからです。

でも下の方にはムカゴがたくさん育っています。

 

ナツロウバイ

夏蝋梅   ロウバイ科の落葉低木

  学名:  Sinocalycanthus chinensis

  中国原産(中国名 「夏梅」シャラメイ)

 

2018年園芸店で苗を見つけて植えましたが、なかなか大きくはなりません。

でも毎年少しづつ花や葉が増え、実もできています。

 

厚い花弁にはシミが出やすいのですがこれはきれいに咲きました。

 

ナツロウバイは愛知の庭では30年くらい前にカタログ通販で購入、毎年賑やかに咲きました(夕菅の庭 2011-6-2)。

こちらではつくば植物園に大株を見つけました。さすがつくば植物園です!

 

6月の前庭

樹々がうっそうとしてきました。

左から侘助・タイワンツバキ・シャクナゲモドキ(ロドレイア)・マルバノキ・ジョウリョクヤマボウシ

中央はアナベルの大輪。その左は自生のモミジアオイ、右端がナツロウバイ

 

今夕、アナベルの後ろのユウスゲが初開花、ヤマユリも近々咲きそうです。

 

2021年ゲラニウムを5種植えました。

やはり一番丈夫なのはゲラニウム サンギネウム。

 

こちらはゲラニウム サンギネウムの白花。これも今年は大株です。

オレンジ色はビオラ

 

シモバシラの株下にはホタルブクロが「ひとりばえ」。

ヤマアジサイアスチルベに「こんにちは」。

 

ナツツバキ

夏椿 ツバキ科ナツツバキ属の落葉高木

学名:Stewartia psedocanellia

別名:シャラノキ(沙羅樹)

分布:宮城県福島県新潟県以西の本州、四国、九州、朝鮮半島

 

今年もたくさん花が咲きました。

 

朝咲いた花は夕方落花し始めます。

まだ美しいまま落ちて名残惜しいこともしばしば。

 

誰かが花を一列に並べました。

そこへやってきたのはコーギーのチャーリー。

「僕は野菜も大好き。畑のアスパラ・カブ・キュウリ・ミニトマト、皆おいしかった!」

でもこれは匂いを嗅ぐだけにしよう。