小さな生き物 2題 

1)アルテミア (Artemia)

甲殻亜門鰓脚綱サルソストラカ亜綱無甲目ホウネンエビモドキ科の節足動物

 

今夏小3の孫のために買った雑誌におまけが付いてきました。

アルテミア飼育キット」!

アルテミアは8500万年前、恐竜が生きていた時代から世界各地の塩水湖に生き続け、「生きている化石」といわれるホウネンエビモドキ科の節足動物だそうです。

キットには乾燥卵・海水の素・えさ・飼育ケースが入っていてすぐ 飼育を開始できます。

卵を紙の上に出しました。

黒い粉のように見えましたが、拡大すると凹んだゴムボールのよう。

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海水の素を入れて人工海水をつくり、卵を入れたらあとは待つだけ。 

マニュアルには1〜3日で誕生、5日で泳ぐと書いてありましたが、今回はばらつきが多く、泳ぐまでに2〜7日。 

孵化すると朱赤色の卵形になり黒い目が一つ見えます。

これは「ノープリウス幼生」といわれ、体長1mm弱。 

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幼生はだんだん細長くなり、泳ぎ出します。

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12時間で卵黄を消費し尽くし脱皮。餌として添付のきな粉(下方の塊)を与えます。

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小さな水槽の中を絶えず動き回ります。鰓が形成されているようです。

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1週後、体長約2mm、全体に灰色になりました。黒い複眼一対と胸部の鰓脚が見えます。

新しい海水をつくって数十匹のアルテミアを匙ですくって移動。

孫は「金魚すくいより簡単」と手早く移しましたが、老眼では見にくい。

また動きが早くて写真が撮れない。これは12日目やっと写した1枚です(脱皮後?)。

このあとも何とか撮ろうとカメラを近づけたらカメラが濡れてしまって断念。

15回ほど脱皮を繰り返して成体になるそうです。

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追加 2020.9.24.

水面すれすれでの動画が写せましたが、ブログには載せられません。触覚と鰓脚を頻りに動かしています。

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これはWikipediaから拝借した成体の写真です。体長8〜10mm。

左が雌、右が雄。

どう見てもあまりかわいくないですね。

アルテミア観賞魚の飼育用プランクトンとして利用するため養殖されているそうです。

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孫用に買った雑誌のおまけの写真を撮ろうとして翻弄された2週間でした。
でもまだ飼育は続いています。

(海水の素と少し大きめの水槽を買い足しました。)

 

 

2)ノミバエ

 双翅目短角亜目ノミバエ科ノミバエ類の昆虫

学名: Phoridae

体長:約2mm

 

9月4日、目の前を細かい虫が飛び交いました。

飛蚊症? いえいえ、本物の虫です。

ヌカカ? もっと小さい。網戸を通過して侵入したと思われます。

たいへん! お皿にきました。

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ぎりぎりまで拡大。

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ついで机の上を徘徊。

手のひらでパシャーン! 蚊より動きが鈍く仕留め易い。 

その後も次々現れ、2日間で50匹くらい退治。

でも一体何物でしょう? 検索!検索!

やっとたどり着いたのは「ノミバエ」。翅の模様が決め手です。

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ノミバエ科は全世界で4000種が記録され、Megaselia属にはその半数近くの1400種がいるそうです。これは動物界でもっとも種数の多い属だとか。

 

突然の襲来、一体どこから現れたのでしょう?

やはり外から網戸を通過してきたと思われます。

そして台所の生ゴミ用のゴミ箱に侵入。蓋があっても隙間から入ってしまいます。

昔、漬物桶に寄ってきた小さなハエに似ています。

生ゴミは一回づつ小袋に入れて密封、数日でいなくなりほっとしました。 

 

このまま終わるのも後味が悪い。

最後に今年初めてつくばの庭で咲いた紅白のモミジアオイ をご覧ください。

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繁り過ぎた植物

塀ができたのは2019年の初め、露出した土を早く緑で覆いたくて春を待ちました。それから1年半、枯らしたもの、増え過ぎたもの、悲喜交々です。

今回は愛知県の庭にあったからと急いで植えて失敗した植物を記録します。 

1)ツルニチニチソウ

  日々草  キョウチクトウ科の常緑蔓性の半低木

  学名:Vinca major

  原産:ヨーロッパから西アジア

ツルニチニチソウは愛知県ではレンガの小径の狭い空間に植えてありましたが、花は清楚で手入れも楽、こちらにも早速10株植えました(2019.3.8.)。

しかし、この年はどれもただ蔓を伸ばすのみで花は咲かず。

(緑色の葉はキチジョウソウ)

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今年4月やっと花を咲かせましたが、葉の勢いに比べ花は少なめでした。

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ところがその後は勢いよく蔓を伸ばしてレンガの道を通せんぼ。

切っても切ってもすぐ伸び、エアコンの屋外機にも侵入します。

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愛知県の庭ではこんなには繁らなかったと思い写真を探し出しました。

3種類のツルニチニチソウが植えてありました。

A) 緑色の葉のツルニチニチソウVinca major)

    葉が小さめで茎が直立しているものが多く、花数も多い。

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B) 斑入りの葉(覆輪葉)のツルニチニチソウ

 つるが横にも伸びやすく今回植えた品種に似ていますが、葉は小さめです。

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3) ヒメツルニチニチソウVinca minor)

 花も葉も小さめでゆっくり成長するタイプ。

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今度植えた苗はB)斑入りの葉の系統ですが、花に対して葉が大きく思えました。

繁殖力が強く、すぐ通路を塞ぐので、頻繁に剪定しなければなりません。

また壁沿いに長い蔓を伸ばし、着地すると新たな根を出して次々と子株を作っていました。

 品種の改良でよりたくましくなっていたのか、ここの土の栄養分が多くて育ちすぎたのかはわかりませんが、狭い通路沿いには不合格、花が終わってから抜去しました。

 半低木と言われるだけあって根はたくましく、植えて1年半でも抜くのが大変でした。

 

2)ユーパトリウム セレスチナム 

 青色フジバカマ  キク科ヒヨドリバナ属の多年草

 学名:Eupatorium coelestinum 

 原産:アメリカ南東部、メキシコ

青色フジバカマは前の庭では暑さ寒さに強く丈夫で切花にもできましたから、昨年6月、通販で青色と白色の苗を入手、ボーダー花壇に植えました。

ところが予想を上回る繁殖ぶり、わずか3か月でこんなに繁茂!(2019.9.21.)

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周りにも侵入し、やはり半年後に抜去せざるを得ませんでした。

しかし抜いてまたびっくり! 無数に枝分かれした太い根の塊!

細かい根は抜ききれず、未だに周辺で芽が出てきます。

やや大人しい白花を庭隅に1株、切り花用に移植しました。

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3)ミウム・ガレオブドロン(ツルオドリコソウ)

  蔓踊子草  シソ科オドリコソウ属の蔓性多年草

 学名:Lamium galeobdolon
 原産:ヨーロッパ・アジア西部
初夏に黄色の花が咲き、葉に銀白色の斑が入ります。
とても丈夫で前の庭では放置しておいても季節に花が見られ、グランドカバーになりました。
しかし、これも蔓性、狭いボーダー花壇では通路にはみ出し、エアコンの屋外機の中に侵入。
また夏は日焼けしてみすぼらしくこれも抜去せざるを得ませんでした。
(左の紫色の花は ネペタ ファッシーニ キャットミント 。) 

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花については「夕菅の庭」に記載しています。


4)ウキツリボク(チロリアンランプ

   浮釣木   アオイ科イチビ属の常緑低木

 学名:Abutilon megapotamicum

  原産:ブラジル   

 塀に沿った狭い通路には蔓性の植物を試しました。

ウキツリボクは愛知の庭では生育不良でしたが、こちらの町内ではよく育っていましたから、つくば下ろしにも耐えられそうです。

蔓を塀の隙間に入れて次の隙間から出せば、固定されます。

思いの外 生育順調ですぐ花が咲きました(2019.8.19.)。

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1年後、しっかり繁り、緑の壁になりました(2020.7.6.)

と思ったのは束の間、繁り過ぎて隙間からお隣に伸び出してしまうことがあり、見つけると引き摺り下ろさねばなりません。

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 花の姉妹が並びます。切り花でも楽しめました。

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ところが、その2か月後の惨状!(2020.9.8.)
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ハマキムシ(ワタノメイガ)の被害です。

先月載せたタイタンビカスから移動したのでしょう。

負けじと新しい葉が出てはいますがもカットも限界、悩んでいます。

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全て順調に思えた1年目と異なり、2年目は枯れたり、増え過ぎたり悩ましい日々です。

花が咲けば昆虫が来る、チョウの訪問をうっとり眺めているのは幸せですが、こっそり侵入する招かざる客も多く、今朝も大量の毛虫退治に汗を流しました。

 

 

 

 

 

 

 

水辺の植物 つくば植物園

つくば植物園は5月18日から再開していますが、長い梅雨が開けると猛暑、まだしばらく行けそうにありません。

この機会に今まで撮ったままになっていた写真を整理することにしました。

初めに中央広場の水辺の植物を取り上げます。

 

1)タイリンオモダカ  

 大輪面高(面高は人面状の葉が高く葉柄上にあることに因む)

オモダカ科 Alismataceae   の多年草

 学名:Sagittaria montevidensis

 原産地:南アメリカ 

 オモダカ科は11属約100種からなる多年生の水生または湿性植物です。

代表は水田雑草のオモダカ、それを食用に改良したのがクワイと知ると親しみが増します。

タイリンオモダカは矢じり形の葉身が長さ60cmになる大型のオモダカです。

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花の大きさはオモダカの2〜3倍、雌雄異花。

これは雌花。基部に大きな紅紫色のスポットがあります(20190627)。

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こちらは雄花(20190728)。

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キノコ型の果実(20190728)。

花が大きく美しいため水辺の公園や庭園に植栽され、帰化が按じられています。

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2)ヒロハシャゼンオモダカ

 広葉車前面高

 オモダカ科 Alismataceae   の多年草

 学名:Echinodorus grandiflorus subsp. aureus

 原産地:南アメリカ 

ヒロハシャゼンオモダカは車前草(オオバコ)に葉の形が似ていることに由来します。 

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5〜8月頃、長い花茎を伸ばして可憐な白い花を次々と咲かせます。

日本でも越冬するためアクアリウムプランツとして流通し、各地の水辺の公園などにも植栽されているようです。

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花の直径は約4cm、3弁の両性花です(20190725)。

オモダカ科の多くの花は雌雄異花ですが、サジオモダカ属のヘラオモダカなどは両性花と記載されています。しかしヒロハシャゼンオモダカが両性花であるとの記載は未確認です。)

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昨年撮った画像では全て両性花に見えます(20190531)。 

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 3)ホソナガバミズアオイ

   細長葉水葵 ミズアオイ科の多年草

学名:Pontederia cordata var.lancifolia 

原産:北アメリカ東部

爽やかな藤色が涼しげな美しい花です。

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円柱状に 下から咲いていく穂状花序。

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 花弁は6枚、上中央の花弁に黄斑が目立ちます。

その下に短い雄しべが3本、さらに長い雄しべが3本。

これらはどんな昆虫を呼ぶための工夫なのでしょうか。また後日ゆっくり見てみたい。

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4)マルナガバミズアオイ

   丸長葉水葵 ミズアオイ科の多年草

学名:Pontederia cordata var.cordata

原産:北アメリカ東部

幅広く柔らかそうな葉、花は穂状ですがホソナガバミズアオイよりまばらな感じです。

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花弁は ホソナガバミズアオイよりやや細長い。

撮影時期が遅かったらしく雄しべが目立ちません。

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花が萎んだ花序。どんな実ができるのでしょう? また宿題です。

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 かっては日本にたくさんあったミズアオイも今は絶滅が按じられています。

一時は恐ろしいほど殖えていたホテイアオイもこの頃あまり見ませんね。

涼しくなる頃にはコロナ禍も落ち着いてまた植物園に行けますよう祈っています。

 

招かれざる客

1)モグラ

長い長い梅雨でした。明ければ猛暑、今年は厳しい夏ですね。

7月中旬、梅雨の止み間に庭に出ると芝生と花壇の境目に土が盛り上がっていました。

辿っていくと 家庭菜園から苔庭までコの字に3辺、合計15mくらい続いているようです。

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終点はナツツバキの根元。

ここは初めて育てたスギゴケの庭です(2020.6. 8.)。

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モグラは容赦無く苔を蹴散らして掘り進んでいます。

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芝生が苔庭に侵入するのを防ぐため昨年末に息子が造ってくれた境界に沿っています。

一度掘ってあるから掘り易いのでしょう。

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つくばいの近くは水っぽいのか、ここで方向転換、根元に向かっています。

そのとき、ここの黒っぽい土がもこもこ動きました!

発掘進行中! モグラはこの下にいる!!! 

でもどうすることもできません。掘れば苔が傷みます。

見逃せばもっと荒らすでしょう。

とっさに近くの散水ホースを伸ばしてストレート放水!

これが有効だったようです。発掘は止まりました。

その後、バックして畑に帰りさらに裏庭へ、そしてどこかへ消えたようです。

やれやれ! 

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2)セスジスズメ幼虫

玄関の北の通路脇に昨春から自生しているアカバナユウゲショウが通路を塞いでいます。

そろそろカットしないと思いつつも花を見ると切りにくい。

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と、突如怪物現る!!! 

一体どこから来たのでしょう!   

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背伸びしてユウゲショウの葉をもりもり食べています。

愛知の庭でも撮りましたが、こんな大きな幼虫は初めてです。

もうすぐ蛹になりそうです。体長10cmくらいに思えましたが文献では8〜9cmと。

そのまま放置、跨いで通りました。   

食草はヤブガラシなど、これは隣地にありましたが食べ尽くしたのでしょうか。

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幼虫は翌朝には消えていました。

これは2011年9月 愛知の夕菅の庭で写した成虫です。

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3)ワタノメイガ

 綿野螟蛾  一般にハマキムシ(葉巻虫)といわれる蛾の一種

 ツトガ科 ノメイガ亜科

アオイ科の花は大らかで好きですが、虫がつき易いのが欠点です。

昨年植えた タイタンビカスが今年も大きく開花しました。

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 ところが今年はワタノメイガの発生が夥しい。

次々と葉が巻かれ、花まで食べられます。

虫のいる葉を見つけると部分切除していますから、もうまともな葉が少ない。

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前の庭ではスイフヨウやオクラにはフタトガリヤがよくつきましたが、こちらでは今のところ見つかりません。

ワタノメイガはくるりと巻いた葉を白い糸で止めています。

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巻いた葉の中には青い幼虫が1匹づつ。

小さいのは長さ1cmくらい、大きな幼虫で約2cm。

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これは裁縫上手な幼虫、しっかり糸で止めてあります。

葉を噛み切って、くるりと巻いて糸で止める。たいしたものですね!

食料でできた住まい、安全で涼しそうです。ここで蛹になって羽化。

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幼虫の後は清らかな花の画像で終わりましょう。

タイタンビカスの花は朝咲いて夕には萎む1日花。

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この花はモミジアオイの苗を探していたとき、偶々見つけたアオイ科の新しい園芸種です。

花の直径は約20cm。

アメリカフヨウとモミジアオイの交配選抜種だそうです。

つくばでも何ら防寒せず越冬しましたが、ワタノメイガに弱いのが残念です。

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招かれざる客3題、しかしこれらを書くうちに、それぞれの生命力に打たれました。

それでも私は植えた植物たちを守らねばなりません。

ハナツリフネソウ

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ハナツリフネソウ

花釣船草 ツリフネソウ科の一年生草本

学名: Impatiens balfourii.

別名:ゲンペイツリフネソウ・ゲンペイツリフネ

原産:ヒマラヤ西部、インド〜パキスタン

高さ:30〜60cm

 

この花は私が今までゲンペイツリフネソウ(源平釣船草)と呼んでいた花です。

2008〜2009年頃 前の庭で初めて苗を購入し、2〜3年零れ種で咲きましたが以後絶滅。

これは園芸店で購入した時の名ですが、今回改めて調べてみると、日本帰化植物写真図鑑第2巻(2010年発行)に「ハナツリフネソウ」の名で掲載されていました。

昨年偶々苗を見つけて2株購入、今年は零れ種でたくさん咲きました。

 

花は葉腋から伸びた花茎に数個、順に咲いていきます。

花弁から距の先端までの長さは約4〜5cm。

葉は互性し卵状楕円形、細かい鋸歯があり葉先は尖ります。葉身は長さ10cmくらいまで。

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花弁は3枚あるように見えますが、下の大きな側花弁は2枚が融合したものです。
これは雄性期の雌しべと雄しべです。

雌しべは未熟ですが、雄しべはすぐ花粉を出します。

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萼片は3個で上に小さな2枚。

下の1個は長さ約3cmの嚢状になり、後方は短い距(きょ)になって蜜を貯めます。

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開花後、雄しべから花粉が出始めます。

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別の個体で花の下面から雄しべを見ました。

文献には「5本の花糸が合着」と記されています。

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送粉を担うのはトラマルハナバチ、雨が降っても花から花へ慌ただしく飛び交います。

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大きな花粉玉も付けた働き者もいます。

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花はトラマルハナバチが中にすっぽり入り込める大きさです。

その背中に雄しべの花粉がたっぷり付くという花の構造です。

でも美しい花弁はすぐに傷だらけになってしまいます。

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 雌性期:雌しべが太くなって先端の柱頭が開いています。

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雌しべの下にはハナバチを誘導する黄色の蜜標。花弁の傷はハナバチが付けたものです。

しかし、ここには花粉を出していた雄しべが見当たりません。

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雄しべはどこへ行ったのでしょう?

ありました!ありました!地面に落ちていました。拾ってお皿に載せて撮影。

花糸は5本あるかな?

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さらに興味深いのは蒴果です。(以下は昨秋の画像。)

鞘が膨らんできました。右の鞘に触れてみます。

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うあー、びっくり! 

瞬時に弾けてしまいました。まだ種子は白っぽい!

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蒴果1つの中の種子は2〜5個。ここには黒い種子が2個見えます。

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地面には破片が落ちていました。

ようく見ると、種子も少々あるようです。

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拾い集めた種子。

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昨年 北側の通路の左側に1株うえたハナツリフネソウは零れ種から10株くらい出芽。

歩くのに邪魔なところは南の庭の木陰に移植しました。

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花冠は咲いてから3日ほどでひっそり落下するようです。(この1か月毎日のように雨ばかりで、観察が継続できません。)

花殻を除去することもなく、次々咲き、零れ種で咲くまことに手間要らずの花です。

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ハナツリフネソウはツリフネソウの色を淡く改良した園芸種だと思い込んでいました。

今回の下調べで1998年北海道札幌市で見出された外来種と知り驚きました。

しかし増えても抜去し易く、種子も少ないので花壇用には重宝しています。

 

追記:梅雨明け後、再見。マルハナバチの出入り激しく、花の損傷多大でした。

    開花は朝一斉にではなく、準備が整ったものから次々開花します。

    1日目 雄性期、2日目 雌性期、3日目落花が多いようでした。

   

 

梅雨に咲く花

長く厳しい今年の梅雨。

にもかかわらず、花は自らの設定通り日々咲き進んでいきます。

6月下旬、梅雨に打たれたナツツバキの花が毎朝たっぷり落ちていました。

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見上げて撮ってもグレイの空では花が映えません。

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たっぷりの雨を歓迎している植物もあります。

中央の若緑色の葉はアジサイアナベル’ 

一昨年の秋の転居後に植えられたとき、地上部は箸のような茎1本でした。

昨春何とか葉は出ましたが蕾は見当たりません(2019.6.23)。

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ところが今年はこの盛況です(2020.6.8)。

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大きなぼんぼりが重くて垂れ下がりそう(2020.6.22)。

右側の常緑ヤマボウシと競っています。

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嬉しいことがありました。オウゴンオニユリが咲いたのです。

オウゴンオニユリ(黄金鬼百合)は対馬のみに自生するというオニユリの変種ですが、自生地では絶滅が心配されています。
オニユリと同様、むかご(零余子)を作るのが特徴です。
愛知県にいるときこのむかごを頂いて、花壇に植えたら2年目にもう花が咲きました。
転居の際、球根を掘り起こす余裕がなく、樹木の運搬のとき、むかごから芽が出ていた植木鉢をそのまま載せてもらいました。
庭に植えて2年目、1株だけ育って4つも蕾が付きました。
6月21日まずは1輪開花。

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次々咲きます。しかし、そのあとは毎日雨ばかり 。

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ここはうちでは最も日当たりの良いミニ菜園の南側です。

背後には今年も少しだけ ナス・ミニトマト・キュウリなどが育っています。

転居直後はまだ花壇が整地されていなかったので、とりあえずここに植えたのです。

温暖な対馬に比べ、ここは最低気温−6℃にもなり、筑波下ろしも吹き荒れます。

愛知県よりさらに厳しい条件ですから育つかどうか心配でした。

しかし、こじんまりと育った株にできた蕾は4輪とも開花しました。

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葉腋に零余子(むかご)も育っています。また埋めておきましょう。

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 ユウスゲ

今年も3株とも咲きました。初開花は7月1日。

これは東南のボーダーガーデンの株、私の身長を超えています。

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7月2日 18:45  月がうっすら見えました。

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その後 次々開花中です。今年はアブラムシが付かず蕾もたくさんあります。

他の2株も同じよう、寒肥が効いたようです。

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つくばいの後の株は花茎2本だけ。花冠がパッと開かず控えめです。

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南西の花壇の株は大株ですが、今年は樹々が茂って写真が上手く撮れません。

お隣からの方がきれいに見えるようです。

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雨の合間にビオラを抜いて、夏の草花やグランドカバープランツをぼちぼち植えています。

やはりしゃがむ作業は低い椅子を使っても腰にきつく、長くは続けられません。

我武者羅に働いたのは遠い過去のこと、今は二人暮らしの家事と庭仕事で精一杯。

でも長い自粛の日々も庭と暮らせば心穏やか、ありがたいことです。

 

 

  

ジャコウアゲハ

ジャコウアゲハ

  麝香揚羽   アゲハチョウ科 アゲハチョウ亜科

学名 Atrophaneura alcinous

分布:東アジア。 日本では秋田県以南から八重島諸島まで。 

大きさ:42〜60mm(前翅長)。

 

6月25日 淡路島の友人のブログでジャコウアゲハの蛹が羽化した記事を読みました。

その翌日、私の庭にも黒い蝶が舞っているのが見えました。

今年は庭に来る蝶が増え、黒い蝶も何度か来ましたが、動きが速くて写真が撮れません。

大きなチョウです! クロアゲハ? オナガアゲハ? ジャコウアゲハ

近付いても逃げず、ゆるやかに私の周りを飛び交います。

アジサイアナベル’に止まりました。

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尾状突起(後翅の先端)が長い !

ということはクロアゲハではなく、オナガアゲハ? ジャコウアゲハ? 

下の葉はウマノスズクサではなく、自生のヤマイモです。

この庭にはウマノスズクサはありません。

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ヒュウガミズキに止まって一休み。

 後翅にオレンジ色の模様があります。

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 身体にも赤い模様が見えました!

これでジャコウアゲハとしてよさそうです。 前翅の色が薄いのでメス?

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こんな角度からの写真も撮れました。

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サンジャクバーベナの花の蜜を吸うのはメス?

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翌6月28日1時頃、朝からの雨が止みました。

それを待っていたかのように庭に黒や黄色の影が動き始めました。

何とジャコウアゲハそれも4頭とキアゲハが花壇の上を乱舞していたのです。

モナルダは蝶たちに人気があります。

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動きが早すぎてシャッターが間に合いません。

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翅の色がやや薄い上の方がメス、下がオスでしょうか?

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オスは翅の色は濃い黒色でビロード状と記載されています。 

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和名ジャコウアゲハ雄成虫が麝香のような匂いを(成分はアセトアルデヒドを発散させることに由来するそうです。

 

食草はウマノスズクサ(コショウ目 ウマノスズクサ科)。

ウマノスズクサにはアリストロキア酸という毒素がありますが、この毒に耐性があるジャコウアゲハはこれを体内に貯めながら成長します。

そのため成虫は鳥に捕食されず、悠然と空を飛び、花の蜜を吸うことができます。

 

それがどうしてわかるのか、ジャコウアゲハに擬態して身を守る昆虫もいます。

アゲハモドキ(蛾)、オナガアゲハ、クロアゲハ(ベイツ型擬態)。

 

ジャコウアゲハの飛び方は前の庭に来たアサギマダラの飛び方とよく似ていました。

アサギマダラはヒヨドリバナなどアルカロイドを含む食草を食べて育っています。

ともに悠然とふうわりふうわりと比較的低い位置を飛び、人も恐れません。

 

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 すぐ隣でアガパンサスも満開ですが、ジャコウアゲハには無視されているようです。