ショクダイオオコンニャクの花 2023

ショクダイオオコンニャクについては既に2020年1月28日の記事に書きましたが、今月つくば植物園でまた2花開花しました(通算6・7回目)。

私は2度目ですから、今回は開花前後に行くことにしました。

 

 燭台大蒟蒻 サトイモ科コンニャク属の植物

自生地:インドネシアスマトラ(別名:スマトラオオコンニャク 

 

ショクダイオオコンニャクについてはつくば植物園のスタッフのブログ「コンニャク日記」で日々見ることができます。

5月19日、小さい方のショクダイオオコンニャク(高さ190cm)開花と。

5月26日(金)、大きい方は高さ258cm、すでに2020年の232cmを超えました。

開花が間近いことがわかり、午後3時、開花直前の姿を見に行きました。

この日はすんなり駐車できて行列もなく、開花後7日目の小さい花と開花前日の大きい花を見ることができました。

 

屋外階段を登って2階から入場、降りながら3株並んでいるところを写しました。

左が開花間際の大株、中央は花が咲かず葉が茂った株、右は19日に開花した小株です。

 

大株は近くから見上げるとやはり大きい。

下部のひだの部分が仏炎苞、上部は付属体。開花するときは仏炎苞が開きます。

 

2020年の花を見たのは開花直後でした。

今年は小さい方は5月19日(1週間前)に開花し、付属体はすでに倒れていました。

 

右下部に窓が開けてあって、内部が覗けます。 


 窓を覗くと上に雄しべ、下に雌しべが並んでいます。

 

今回は接写がうまくできませんでしたから、2020年1月の画像を添えておきます。

上の雄花からは花粉が出ています。下の雌花には子房・花柱・柱頭が見えます。

(今回はこの小さい方の株の花粉を、大きい方の株の柱頭に受粉する計画です。)

 

萎れかけた仏炎苞も光線の加減で美しい色に見えることがあります。

 

大きい花の開花状況はこの日からライブ中継が見られるようになりました

5月27日 14:10

仏炎苞が少しづつ大きくなって付属帯との間に 隙間ができています。

 

5月27日 20:56

夕食後 iPadでライブ中継を見ている時、異様な音と光に驚きました。

 

花火? ネット検索するとこの日は隣接する筑波大学の宿舎祭行事の一環として花火が上がったことがわかりました。

まるでショクダイオオコンニャクの開花を祝っているようでした。

 

これら4枚はiPadで見ていたYouTube画面をiPhoneで写したものです。

 

 5月27日 20:58 大きい方の株もこれで満開のようです。

画像には写せませんでしたが、付属体上部からは湯気のように立ち上る気体がゆらめき、周りに臭気が漂ってハエもきたようです。

この後も遅くまで、計測や人工授粉の作業が続きました。

 

5月28日(日)

この前後の現場の様子はつくば植物園のYou Tubeで見ることができました。

今月は「クレマチス園公開」に加え「牧野富太郎と植物を観る眼」の展示で混雑していたところへ、ショクダイオオコンニャク開花がテレビや新聞で開花が報じられて、この日の植物園は超満員、入園待ちの車の長い列が続いたようです。

 

5月29日(月)

今日未明に大きい株の付属体が早々と倒れてしまったそうです。

今までのは3〜5日は立っていたと。

休園日の月曜も朝8時30分から夕6時まで開園されるというのに残念ですね。

でも今回は倒れた付属体の中が見られることになりました。

また研修展示館には2014年開花した個体の実物大模型(272cm)が展示されています。

この前後の経過は園の「コンニャク日記」で見ることができます。

ショクダイオオコンニャク成長日記

ハンショウヅル

 

ハンショウヅル

半鐘蔓 キンポウゲ科センニンソウ属の蔓性低木

学名:Clematis japonica

分布:本州・九州

和名は花が吊り下がった半鐘に似ていることに由来。

 

2021年春、南の塀の蔭にハンショウヅルの苗を1株植えました。

その年から開花、翌2022年5月8日頃満開。葉は三出複葉。

 

今年は早くも4月20日頃から開花。

束生する葉間から出た長い柄の先に鐘形の花を半開します。

昨年まではこのかわいい花を愛でつつ終わってしまいましたが、今年は花の仕組みを追ってみました。

 

5月1日 すでに満開、落花が始まりました。

(下部の葉はコウヤボウキです。)

 

花を下から覗いてみました。花弁はなく、厚い萼片が4枚。長さ約2.5cm。

真ん中に集まっているのは花粉を出しつつある雄しべ。

 

萼片2枚が落下し、雄しべが見えています。雄しべから花粉が出ています。

 

残りの萼片に続いて雄しべも落下し始めました。

 

5月7〜8日、まとまった雨が降りました。

5月9日の朝、見に行くとハンショウヅルは落花著しく寂しい情景になっていました

 

右の花は落ちた萼片が2枚ぶら下がっています。

 

花粉を出した雄しべは萼片に続いて落下します。

落ちた花殻を拾って拡大したら花粉がたくさん見えました。

 

この2花は萼片と雄しべが落ち、雌しべだけが残っています。

柱頭が開いて白い花のようです。

 

さてこの雌しべ、1花に何本あるのでしょう?

雌しべを1本づつ抜き取って並べました。30本くらいあるようです。

追記:1週間後残り少なくなった花で雌しべを数えると20本くらいでした。

 

ここからは昨年の記録です。

2022年8月9日、白い毛が見えているところがありました。

 

この花の雌しべは10本くらい残っているようです。

昆虫はほとんど見ないから主に自家受粉したのでしょうか?

花柱(宿存花柱)から白い毛が出始め、子房が膨らんでいます。

 

このあと宿存花柱から出る白毛は数と長さを増し、子房は茶褐色から黒色に変わって痩果となります。

痩果は1花に10個くらいできているようです。

 

11月10日 黒っぽい痩果が数個づつ残存していました。

 

この後落葉して蔓だけの状態で冬を越しました。

ハンショウヅルは耐寒性強く、板塀に絡んでいるので支柱も不要。

早春に堆肥と寒肥を少々撒いて春を待ちました。

ハンショウヅルは鹿児島県など一部の県でレッドリストの指定を受けています。

日本に20種くらい自生するといわれるセンニンソウ属の中でハンショウヅルの学名が「Clematis  japonica」であることを知って、何か嬉しく思えました。

この小さな空間はハンショウヅルの生育に適しているようですから、大切に見守りたいと思います。

 

センニンソウ 

仙人草 キンポウゲ科センニンソウ属の蔓性低木

学名:Clematis terniflora

分布:北海道南部から南西諸島、小笠原諸島朝鮮半島南部、中国、台湾。

 

同じセンニンソウ属でもセンニンソウの花はハンショウヅルの花と異なるイメージです。

これは愛知の庭で育てたセンニンソウの花です。見比べてみましょう。

センニンソウは花が上向きで、萼片が平開、ハンショウヅルは花が下向きで、萼片が下垂しているだけで基本的には同じようです。

このセンニンソウは花の後、虫害夥しく、3年間果実を見ることができず諦めました。

 

キイセンニンソウ 

紀伊仙人草 キンポウゲ科センニンソウ属の蔓性低木

学名:Clematis ovatifolia

分布:紀伊半島南部・熊本県南部 

 

つくば植物園で見たキイセンニンソウの果実です。

キイセンニンソウの果実はハンショウヅルより長い羽毛が密集し、痩果が黒色。

アートのような迫力がありました(2021.12.26.)。

残念ながらまだキイセンニンソウの花は見ていませんが、センニンソウの花とよく似ているようです。これを見るには高い温室の最上階の外階段に出なければなりません。

今夏、見られるかどうか?

 

サクラソウとクリンソウ つくば植物園

サクラソウ

桜草 サクラソウサクラソウ属の多年草(準絶滅危惧種

学名:Primula sieboldii

分布:九州〜北海道、朝鮮半島中国東北部、シベリア東部

   

さくらそう品種展(4月15日〜23日)

つくば植物園では毎春サクラソウ展が開かれます。

桜草栽培の歴史や園芸品種の成立過程などは教育棟にパネル展示されました。

サクラソウの実物は教育棟の外で伝統に則って公開されます。

これは「桜草花壇」と言って江戸時代天保年間に考え出された陳列法だそうです。

 

それぞれの花が美しく引き立つように花色を順に繰り返して並べてあります。

(たしかに白色の間に紅紫色・濃桃色・淡桃色の繰り返しのようです。)

 

よく見れば花の色・模様・花形・花弁の形・花のつき方・花容(平咲き・抱え咲き・玉咲き・梅咲きなど)それぞれに異なります。

右側拡大:最上階は右から東雲(しののめ)、銀孔雀、銀覆輪、誰が袖。

 

左側拡大:最上階は右から誰が袖、菱袴、母の愛・関台紅。

 

続いて2段づつ6連の棚が並びます。

 

先ずは野生種。

長野県・広島県・埼玉県・東京都などの野生種が展示されていますが、核DNAの違いに基づく研究により、園芸品種は荒川流域を主とする関東周辺の野生集団と似ているそうです。

サクラソウは埼玉県の県花浦和市の市花です。

桜草の栽培:

江戸中期(1716〜1817)に江戸の地で武士層によって品種の改良が始まりました。

江戸後期には染井の植木屋 伊藤重兵衛などにより多くの園芸品種が完成し庶民にも拡大。

 

ついで「筑波大学コレクション」。

筑波大学つくば機能植物イノベーション研究センターで管理されています。

筑波大学保有品種はいただいた一覧表だけでも300種。

筑波大学の研究により「入野の都 いるののみやこ 紅色」と「喰裂紙 くいさきがみ 白色」との交配から多様の変異が現れ、多くの品種が生み出されたと推定されるそうです。

 

まだまだあります。

 

さらに筑波大学が里親さんたちに委託して維持していただいているコレクション。

 

今年は19日(水)の午後行きましたが、恒例の即売コーナーは閉店。

聞けば既に午前中に完売、また明朝入荷するとのこと、これもテレビドラマ「らんまん」の余波でしょうか。今までは午後でも少しは購入できて私も毎年1〜2株購入していました。

今春我が家の庭では野生種(ピンク)・初心・天が下・白兎の4種が咲きました。

このうちブログ未掲載の1種をここに載せます。

天が下(アメガシタ):星抱え咲きという咲き方のようです。

 

野生種のサクラソウ

つくば植物園の中には野生種のサクラソウが植栽されています(山地草原w9)。

ここは教育棟のパネルや「桜草花壇」の混雑が信じられないほど、静かで誰もいない空間でした。

 

クリンソウ

九輪草 サクラソウサクラソウ属の多年草

 学名:Primula japonica

 分布:北海道・本州・四国


園内の道路に沿って造られた水辺の空間にはクリンソウが勢揃いしていました。

2019年以来最も株数が多く、豊かに育っています。

 

まだ花が咲き出したばかりで蕾も多く、花殻はありません。

 

手前にはヒメウツギが満開。

まだ15時前だというのに、他に立ち止まって見ている人はありません。

クリンソウの九輪は五重塔などの頂上部にある九つの輪装飾。花が花茎の周りに円状に付き、それが数段重なる姿から連想されたそうです(右から2株目の花)。

 

静かな水辺は苔蒸してクリンソウにとって至適空間だろうと思われます。


あとでつくば植物園のHPのスタッフのブログから、やはり今年クリンソウが200株も追植されたことを知りました。冬の間は育成中のクリンソウにハダニが付いてその駆除が大変だったようです。

ハダニから守られた葉はふくよかに育ってまだ次々と花を咲かせそうです。

他所で見たクリンソウは殆ど濃いピンク色でしたが、ここでは私の好きな淡い色も多く、今までで一番美しいクリンソウを見ることが出来ました。

江戸時代初期、既に「草花絵前集」に「色は白、紫、とび入などさまざまあり」との記載がああり栽培されたものの、サクラソウのような園芸品種は生まれなかったようです。

 

春らんまん 庭の草花 2023

今年は東京で過去最も早く開花した桜に続いて、庭の花まで咲き急いでいます。

4月から「らんまん」が始まり山野草牧野富太郎ブームも起きているようです。

この私の庭も5年目の春を迎えました。

庭の植栽もほぼ終了、最後に残った南の塀の陰に山野草などを試植中です。

昨年5月14日庭の山野草 2022にはキクザキイチゲ・ヒメリュウキンカサクラソウバイカイカリソウ・キエビネ・シラン・タンチョウソウ・コバノタツナミ・ハナニラ・キバナオキナグサ・イブキジャコウソウ・ヒイラギソウ・オウギカズラを掲載しました。

一部重複しますが、今年の草花を記録しておきます。

 

サクラソウ

  サクラソウサクラソウ

初めは花友達  I さんからいただいた原種サクラソウ

昨年より花が少ないのですが、クリスマスローズドウダンツツジに守られ心地良さそうです。

 

その下にはヒトリシズカの葉が4枚づつ。

さらにキクザキイチゲの真っ白い花が数輪! 至福の時間が流れます。

 

サクラソウ「初心」

転居後初めてつくば植物園の「サクラソウ展」で購入した園芸種も4回目の開花です。

 

ホタルカズラ

 ムラサキ科ミヤマホタルカズラ

1年でこんなに増えました。寒さにも強く頼もしい花です。

 

ホタルカズラは花冠中央の白い星形隆起が特徴です。

園芸種のミヤマホタルカズラにはこの隆起がありません。

今までミヤマホタルカズラは植えても冬を越せず、諦めていました。

 

 

タンチョウソウ

 ユキノシタ科タンチョウソウ属

今年のタンチョウソウは今までで一番華やかな感じです。

発芽に気付いたのは4月1日、葉より先に花が咲いていました。

4月10日 葉が揃いました。

 

花の中央が赤いのは未開の葯。

タンチョウヅルのイメージが浮かぶでしょうか?

 

赤い葯が開くと黄色の雌しべの柱頭が見えます。

 

4月13日、今年は大きな葉が豊かです。

 

オダマキ

 キンポウゲ科オダマキ

初めに植えた2株から年々庭のあちこちに自生しています。


増え過ぎて困るほど丈夫で丈は20〜30cmになります。

ミヤマオダマキ」は日本在来種で草丈10〜20cmだそうです。

 

アネモネ シルベストリス 

キンポウゲ科イチリンソウ

原産:ヨーロッパ

春咲きシュウメイギクとも呼ばれる丈夫な原種です。

 

ツルハナシノブ

ハナシノブ科フロクス属

つくばの厳冬にも耐え這うように拡がっていきます。イブキジャコウソウが育たなかったツバキの株下にも植えました。

 

今年はヤマユリ(左上)の周りで一斉開花です。

右下は自生して大株になってしまったムラサキケマン

 

ユキザサ

キジカクシ科マイヅルソウ

昨年1本だったユキザサが今年は2本咲きました。

 

シモバシラに負けぬよう見守ります。

 

レンゲショウマ

キンポウゲ科レンゲショウマ属

昨年通販のついでに取り寄せ、1株植えてみました。

葉は出たものの蕾を見ることなく枯れ、やはり無理だったと納得しましたが、今春出芽してここまで育ちました(右上の葉はコウヤボウキ)。

 

花は無理かと思っていましたが、昨日根元に小さな芽を見つけました!

オウギカズラやコウヤボウキに負けぬよう見守ります。

 

つくば植物園のレンゲショウマは植物園の最も高いところにあります。

歩けなくなった時、庭で見られるといいのですが、さて花が咲きますか否か、楽しみです。

 

 

 

ミヤマガンショウなど(つくばの庭)

ミヤマガンショウ

深山含笑 モクレンオガタマノキ属の常緑高木

学名:Magnolia maudiae

原産:中国(中国名:深山含笑)

 

転居後の2019年11月、庭師さんの勧めで庭の西北部(家庭菜園の奥)に「ミヤマガンショウ」の苗が植えられました。

そこは寒風吹き曝す道路に面した位置、育つかどうか半信半疑でした。

2021年春初めての花が咲きましたが、たちまち花弁をヒヨドリに食べられ無惨な姿!

しかし負けずに成長、今年は3mほどになり、大きな花がたくさん咲きました。

一見、葉が付いたハクモクレンのようです。

 

上向きに咲くモクレンと異なり、斜め上向きに咲くのも嬉しいこと!

近寄ると仄かにいい香りがします。

 

1月初め、蕾は比較的薄い(芽鱗)苞に包まれて大きくなりました。

ハクモクレンの毛皮のような(芽鱗)苞と比べれると軽装備に見えます。

 

3月10日、開花。蕾が大きく膨らんで褐色になった(芽鱗)苞が落下します。

含笑とはこれくらいの笑みでしょうか?

 

花の直径 約15cm。

さらに開くと中央に黄緑色のめしべ、その周りを白い雄しべが囲んでいました。

 

樹上の花は撮り難いので1枝切って花器に挿し、ベランダに置きました。

 

花の裏面は至ってシンプル。

植物学的に見れば花被片のうち外側3枚は萼片、残る6枚が花被片です。

 

中央に突き出ている黄緑色の部分が雌しべ。

その下の白い部分が雄しべ。下に見えるのは花被片が落ちた後の雌しべと雄しべ。

 

雄しべの内側の赤褐色の部分から花粉が出ます。

雌しべの柱頭も成熟。

 

花粉を出し終えた雄しべは褐色になって脱落します。


後に残るのは花被片と雄しべの螺旋状配列の痕。

 

濃緑色の葉は長楕円形で光沢があり、革質、長さ15cm前後。

葉の裏面は灰緑色。

 

今回冬芽を包む「芽鱗」なるものに捉われてしまいました。

「芽鱗」はWikipediaなどによれば「合着した托葉2枚からなる」と。

朝日百科「植物用語集」では葉の付け根にあるのは「托葉」、花では「苞」と。

原色牧野植物大図鑑ではモクレンの蕾を覆うのは「苞」と図示されていました。

ならば芽鱗は「合着した苞2枚からなる」のかどうか?

エフ・エムさんからもコメントをいただき、「芽鱗」を「苞」に訂正しました。

 

若い蕾を分解してみました。この(芽鱗)苞は辛うじて二つに分かれましたが難しい作業でした。

 

検索すると「ミヤマガンショウ」にも既に多種の園芸品種が作られているようです。

つくば植物園の「ミケリア・プラティペタラ 」はミヤマガンショウより大木ですが、近縁種です。雄しべの色がサーモンピンクであることから見分けられると思います。

 

シデコブシ

 四手辛夷 モクレンモクレン属の落葉小高木 

 学名:Magnolia stellata 

 原生地:東海3県

南の庭では今年もシデコブシが咲きましたが、またヒヨドリに全部食べられました。

糸を張ったり、黒い鳥の脅しをぶら下げたりしましたが、効果なくがっかりです。

初めに撮れたこの1枚をここに掲げます。

 

トサミズキ

土佐水木 マンサク科 トサミズキ属の落葉低木

 学名:Corylopsis spicata

 原産地:高知県

早春を告げる花、吹き曝しの西の庭でも毎年元気に咲いてくれます。

 

ロドレイア(シャクナゲモドキ)

 マンサク科ロドレイア属の常緑小高木。
 学名:Rhodoleia championil
 原産地:東南アジア・中国南部
 
西南の隅でいつの間にか立派に育ちました。

 

直径5cmくらいの花が下向きに咲きます。

我が家では一番赤い花です。年中光沢のある濃緑色の葉が美しい。


今年は春の進行が早く、老化も加わってブログは開花に追いつきません。

足元では山野草が次々と開花しています。

畑の準備もしたい、堆肥の処理もしたい、でも助っ人はまだ花粉症です。

 

クリスマスローズ(つくばの庭)

クリスマスローズ

  キンポウゲ科クリスマスローズ属の多年草

  学名:Helleborus  orientalis

  原産地:地中海地方

 

一宮の庭ではクリスマスローズが主役でした。

早春のメインフラワーは花が終わっても常緑の下草として雑草を防止。

 

ダブルのクリスマスローズもすぐ大株になり、自生する子株も加わって株数が数えられなくなっていました。

 

しかしつくばではー8℃にも達する寒波やつくば下ろしの寒風に翻弄され、一宮から移植した株も縮小しました。

これは一宮で咲いていた「スノウホワイト」。

 

つくばの東の花壇へ移植、寒風に耐えて小株になりましたが、今年も咲いてくれました。

 

これでほぼ満開です(3月14日)。

 

南の花壇のタイワンツバキの株下には一重の淡いピンクと白。

居間から一番よく見える場所です。

 

ピンクの侘助の株下にも一重の白花。

 

その奥に大切に植えたのは八重の「ピコティダブルホワイト」。

2008年まだダブルも少ない時、迷った挙句購入した我が家で一番高価な株でした。

 

一宮では地植えしたもののなかなか大きくならず、また鉢に戻したり苦労したものです。

それがこちらでこんなに育つとは!

 

昨年は原生地に咲くクリスマスローズを想って緑色を購入してみました。

 

ソヨゴの下にはふくよかでやさしい八重。

 

これは? 交配種でしょうか。一宮の庭でもいろんな交配種ができました。

私は花が終わっても切り取らず放っておくので、株元に種子が落ちて芽生えてくるのです。

 

新たに購入した株は温室育ち、それをすぐ地植えにしますから枯らしたものもありました。

レイズドベッドの花壇に植えたものが最も育ちが悪かったのは意外でした。

その中で意外にも残ったピコティ「眉引き」(2022年3月5日)。

 

今年はさらに大きくなりました(3月14日)。

これは組織培養によるメリクロン苗で昔と比べて驚くほど安くなりました。

 

東花壇の端(玄関の左)には黄色の一重。

 

玄関の右には八重の黄色。

 

その北側にピンクの八重。

寒風吹き荒ぶ道路沿いですが、健気に優しい花をたくさん見せてくれました。

左のマホニアコンヒューサの葉に覆われていたのが却ってよかったのかもしれません。

 

さらに条件が悪く冬は北風・夏は日照りの道端を守ってくれるのは一宮から来た一重の晩生種です。ヤブコウジやツルオドリコソウに絡まれながら咲き始めました。

今年は白花も加わったのが不思議です。

 

 

原種系クリスマスローズ

ヘレボルス・ニゲル   

 学名:Helleborus niger

 英名:Christmas rose

ニゲルは有茎種のクリスマスローズで、「ニゲル」は根が黒いことに由来します。

愛知ではあまり育ちが良くなかったニゲルですが、造園の時に数株植えられました。

初めはよく育ち、12月に花が咲きました(2020年1月)。

ところがこの後の寒波で萎れ、どれも縮んでしまいました。

 

フェチダス ゴールドブリオン

 木立生クリスマスローズ

2021年3月には南庭でこのように輝かしく咲きましたが、今年は元気がありません。

 

クリスマスローズ Dacaya

 小輪ですが深みのある紅色に惹かれます。

 

私の庭のクリスマスローズは冬の寒波や強風にも夏の暑さや乾燥にも耐えねばなりません。

81歳の腰椎術後の身では手入れも行き届きませんが、何とか古株を維持しています。

1花でも咲いた株を数えたら20株ありました。

しゃがみこんで花を見ることは殆どありませんから、繊細なセミダブルはもう不要です。

それでも時には衝動買いの新株も加えつつ、共に年を重ねていきたいと思っています。

 

3種の果実(つくば植物園)

つくば植物園プロムナードの左側の「温帯資源植物中央」にはいろんな実が落ちています。今回は最も目立つ3種をまとめてみました。

 

センダン

栴檀 センダン科センダン属の落葉高木
学名: Melia azedarach
分布:四国・九州 /  朝鮮南部・中国・台湾・ヒマラヤ。

初夏の郊外を運転中、高木に淡紫色の花がふんわり咲いているのを見て、センダンかなと思うことがありますが運転中は注視もできません。

この植物園にも高木がありますが花は毎年見逃しています。

10月頃 羽状複葉の葉の下にたくさんの黄緑色の実が下垂していました。

 

小枝が落ちていることがあって、センダンの果実が観察できました。

果実は長さ1.5cmの楕円球の核果(10月下旬)。

 

11月、次第に落葉して果実だけが残ります。

 

12月になれば葉は全て落ち、黄色の実が青空に広がっていました。

 

12月の落果には縱溝が見られました。

中は5室に分かれ、長さ1cmくらいの細長い種子が5個入っているそうです。

ここの植物園では果実を拾うことが禁じれているので、中を確認出来ないのが残念です。

果実をヒヨドリやカラスが食べて空き地や道端に生えることがありますが、サポニンを多く含み、人や犬には有害だそうです。

 

樹皮は暗褐色で縦に裂け目が入っています。

苔むした太い幹、樹令何十年でしょうか。

 

<番外> これは2013年1月13日愛知県三川公園で撮ったセンダンの実です。

 

チャンチンモドキ
 香椿擬 ウルシ科の落葉高木。雌雄異種。
 学名:Choerospondias axillaris
 分布:中国南部、タイ、ヒマラヤ、まれに九州南部・天草諸島
    絶滅危惧種
 和名は葉がセンダン科のチャンチンに似ているからと。

 別名:カナメノキ

 

1月下旬。夥しい落果に驚きました。

 

これが「チャンチンモドキ」の果実でした。

 

長さ約2.5cmの偏球形の核果(石果)。

ウルシ科は大多数が1室性の子房ですが、チャンチンモドキには5室あるそうです。

外果皮は黄色、ほんのり赤くなるものもありました。

果実は食べられるが、もちもちして食べにくくあまり美味しくないとか。

 

チャンチンモドキの幹。

 

まだ枝に残っている果実もありました。

 

花はまだ見たことがありません。

チャンチンの花は白色、チャンチンモドキの花は赤褐色だそうです。

高木なのに雌花8mm・雄花5 mmだそうですから落花しか見られないかもしれません。

 

10月中旬。葉も果実もまだ緑色でした。

葉は奇数羽状複葉。

 

11月下旬 黄葉。

 

11月下旬の黄葉。

チャンチンを知らないものにはハゼノキやウルシの葉に似ていると思えました。

大木ながらウルシ科に納得です。

 

12月初旬、落葉後。外果皮も次第に黄色になります。

 

 

ハンカチノキの花については すでに2019年の記事に書きました。

ハンカチノキ 2019(つくば植物園) - 夕菅の日記

今日はその果実を追加します。


ハンカチノキの果実

 ヌマミズキ科ハンカチノキ属のの落葉高木
 学名:Davidia involucrata 
満開の花 2019.5.2.

 

5月3日 やっと見つけた雌しべ ( ↓ 左の緑色の部分)。

 

果実が育ち始めました。

 

6月2日。艶やかな楕円球形の若い果実が出来ていました。

 

7月28日 さらに大きくなった果実。

 

高い枝に残った果実(10月下旬)。

 

11月下旬。葉が落ちて緑紫色の果実だけが下垂。

後の葉と小さい果実はチンチャンモドキ。

 

1月下旬 美しい果実が落ちていました。

果実は長さ3.5cmの核果(石果)。

薄い果肉の下に硬い核があり、その中に3〜5個の薄い種子が入っているそうです。


これからはこれら3種の果実に関しては落果でも鑑別できそうです。
今年はセンダンとチャンチンモドキの花が見られるよう、上を向いて歩いてみます。