「つくば夏の洋蘭展」

6月16日(日)から23日(日)までつくば植物園で「つくば夏の洋蘭展」が開催されました。

ここでは2016年から夏にも蘭展が開かれています。

今回は温室ではなく受付がある教育棟での展示です。

暑さと混雑を避けて、6月22日の3時から出かけました。

月2回のブログのため、遅ればせながらほんの少々のみレポートします。

 

ウェルカムフラワーはつくば洋蘭会会長 斉藤正博さんの豪華なカトレア。

カトレア・ワーセウィッチ 

南米コロンビアに自生するカトレア原種。

 

プロステケア・ビテリナ      

原産:メキシコ

ランとは思えないような鮮やかな朱赤色の花です。

出品:斉藤 正博さん 

 

ツニア ブリメリアナ    

分布:台湾・ミャンマー・タイ

「冬は新聞紙に包んで押し入れへ」とのコメントが添えられていました。

出品:広澤 良子さん 

 

レナンセラ 20thWCOシンガポール 

2011年開催のシンガポール世界ラン会議 記念のラン 

出品:加藤 かほるさん

(影絵のような写真になってしまいました。)

 

カトレア パープラタ フラメア  

分布:ブラジル

出品:荒木 悦子さん

 

カトレア テネブロサ 'Walton Grange'          

 原産:ブラジル

出品:荒木 悦子さん 

 

ミルメコフィラ ティビシニス   

分布:メキシコ〜コスタリカ        

今回は13花茎が高いものは天井近くまで伸びて開花していました。

出品:南村 昌義さん 

 

リンコレリア・ディグビアナ’Stella’  

 ラン科リンコレリア属

 分布:ホンジュラスユカタン半島

唇弁の縁が細かく裂けるのが特徴でカトレア類の交配親として多用されます。

出品:斉藤 正博 さん

 

カトレア パープラータ カーネア 

ラン科カトレア属(←レリア属)

原産:ブラジル

初夏の貴婦人といわれるようです。

出品:斉藤 正博さん

 

パフィオペディラム・トルズワンダー'メッチェン’ 

 パフィオペディラムの原産地は熱帯アジア 

 'メッチェン’ はドイツ語で「少女」

 出品:斉藤 正博さん

 

パフィオペディルム グロリアノーグル

パフィオペディルム原種系交配種

出品:斉藤 正博 さん


パフィオペディルム  ベラツルム 'Kreios' 

原産:中国雲南省貴州省・広西省・インドシナ半島

出品:斉藤正博さん

 

デンドロビウム セカンダム アルバム’シゲコ’

分布:ミャンマーインドネシア・フィリピン

 今年2度目の開花で花数が少ないそうです。

出品:稲葉茂子さん

 

アワチドリ

 千葉県南部に自生するウチョウランの一種  

出品:鈴木 良治さん

 

ネジバナ 

意表をつく出品でした。

分布:日本・ヒマラヤ・シベリア・オセアニア

出品:広澤 良子さん

ネジバナについては旧ブログ「夕菅の庭」に2013年に記事にしています。

https://yuusugenoniwa.blog.ss-blog.jp/2013-07-11

 

 

カキラン(和名)

 分布:ロシア・中国・朝鮮・日本

 出品:倉持 見永子さん



斉藤正博さん
今回つくば洋蘭会会長 斉藤正博さんがたくさんの美しいランを出品されています。

どんな方か パソコン検索。

全日本蘭協会の会長さんでもあられました。

2020年「育てて愉しい蘭の本」を出版。

つくば市在住、筑西市で医院開業中、驚きました。

「花が咲くのは光合成産物によってであって、肥料によるのではないと思っています」と。

温室の中にはパフィオ(6割)やカトレア(3割)。

 

ユウスゲの咲く頃

ユウスゲ

 夕菅   ワスレグサ科ワスレグサ属の多年生草本

 学名:Hemerocallis citrinai var. vespertina

 

今年もユウスゲの咲く頃になりました。

この庭には初め3ヶ所にユウスゲを植えましたが、樹木の成長と共に日陰が多くなり、東と中央のは成長不良になったため家庭菜園に移植しました。

家庭菜園の維持も年々厳しくなり、むしろ野草スペースにしようかと思っています。

ユウスゲ移植は大成功、予想通り今年は早々と元気な花が咲きました。

 

6月22日 17:12

この日は10花開きました。

ユウスゲの花は夕方4時くらいから開き始め、翌朝萎みます。

その間に夜活動する昆虫によって受粉、結実します。

花殻は2−3日、残存するため写真を撮るには邪魔、指で引っ張って取りました。

でも右中央に2つ花殻が残っていますね。

これは受粉成功した花、花殻を引っ張っても取れません。子房保護のためでしょうか。

子房は日々膨らんで種子ができます。

 

6月29日 17:37

花の多くは夕陽が沈む西の方に向いています。

この日も花殻を取った後の撮影です。右下にキュウリの蔓が伸びてきました。

 

タイマツバナ

 松明花  シソ科ヤグルマハッカ属の多年生草本 

 別名:モナルダベルガモット

 学名:Monarda didyma

 原産地:北アメリカ 

 一般に園芸店では「モナルダ」の名で販売され、赤・紫・ピンクもあり。

 

木塀沿いの痩せ地でもよく茂ってたくさんの花を咲かせています。

 

オウゴンオニユリ

黄金鬼百合 オニユリの変種 ユリ科ユリ属の多年生草本

学名: Lilium lancifolium var. flaviflorum

分布:対馬のみ

 

これは2021年7月15日2023年7月17日のブログに書きましたが今年はやや不作でした。

株下にどっさりホタルブクロが侵入・繁茂し養分を横取りしたからです。

でも下の方にはムカゴがたくさん育っています。

 

ナツロウバイ

夏蝋梅   ロウバイ科の落葉低木

  学名:  Sinocalycanthus chinensis

  中国原産(中国名 「夏梅」シャラメイ)

 

2018年園芸店で苗を見つけて植えましたが、なかなか大きくはなりません。

でも毎年少しづつ花や葉が増え、実もできています。

 

厚い花弁にはシミが出やすいのですがこれはきれいに咲きました。

 

ナツロウバイは愛知の庭では30年くらい前にカタログ通販で購入、毎年賑やかに咲きました(夕菅の庭 2011-6-2)。

こちらではつくば植物園に大株を見つけました。さすがつくば植物園です!

 

6月の前庭

樹々がうっそうとしてきました。

左から侘助・タイワンツバキ・シャクナゲモドキ(ロドレイア)・マルバノキ・ジョウリョクヤマボウシ

中央はアナベルの大輪。その左は自生のモミジアオイ、右端がナツロウバイ

 

今夕、アナベルの後ろのユウスゲが初開花、ヤマユリも近々咲きそうです。

 

2021年ゲラニウムを5種植えました。

やはり一番丈夫なのはゲラニウム サンギネウム。

 

こちらはゲラニウム サンギネウムの白花。これも今年は大株です。

オレンジ色はビオラ

 

シモバシラの株下にはホタルブクロが「ひとりばえ」。

ヤマアジサイアスチルベに「こんにちは」。

 

ナツツバキ

夏椿 ツバキ科ナツツバキ属の落葉高木

学名:Stewartia psedocanellia

別名:シャラノキ(沙羅樹)

分布:宮城県福島県新潟県以西の本州、四国、九州、朝鮮半島

 

今年もたくさん花が咲きました。

 

朝咲いた花は夕方落花し始めます。

まだ美しいまま落ちて名残惜しいこともしばしば。

 

誰かが花を一列に並べました。

そこへやってきたのはコーギーのチャーリー。

「僕は野菜も大好き。畑のアスパラ・カブ・キュウリ・ミニトマト、皆おいしかった!」

でもこれは匂いを嗅ぐだけにしよう。



 

 

 

つくば植物園 2024.6.8.

水無月に入ると早くも暑い日が続き外出がためらわれます。

そんな中、6月8日、午後もやや涼しい予報を見て植物園に出かけました。

 

すぐ目に飛び込んできたのは淡いピンクの花と緑の葉!

いつ植えられたのでしょう? 昨年は気が付きませんでした。

クラウンベッチ

    マメ科多年草

    学名:Coronilla varia

 別名:ツルレンゲ・タマザキ(クサ)フジ

 原産:ヨーロッパ

 

一昔前田んぼを覆ったレンゲソウを思い出します。

ゲンゲ(レンゲソウ 蓮華草)はマメ科ゲンゲ属の越年草で中国原産。

 

クラウンベッチは花も葉も柔らかい色合いで少しづつ大きい。

しかし、この優しさの奥に逞しい繁殖力が隠されていて、グランドカバープランツとして狭い庭に植えるとその後がたいへんになるようです。

 

メディカルティーツリー

  フトモモ科メラレウカ属の常緑低木

学名:Melaleuca alternifolia

原産:オーストラリア北東部

ハクモクレンの近くで白い花の大木を見つけました。

 

ブラシの先に羽毛のような白い花が咲いています。

 

ティーツリー?

1770年にクックがオーストラリアにたどり着いたとき、この属の植物の葉で茶をいれてその芳香を楽しみ「ティーツリー」と名付けたと言われています。

しかし、このメディカルティーツリーは飲用には向かず、香料や薬用に用いているようです。

 

 

スティラクス・スベリフォリウム

 エゴノキエゴノキ属の落葉高木

和名 ウラジロエゴノキ

学名 Styrax suberifolium

原産地:台湾、中国

 

二つの大きな温室の間の大木に変わった花が咲いていました。

 

白色の花冠は5裂して反り返り、10本の雄しべが突き出して雌しべを囲みます。

葯は黄色。

うちの庭に「トキワエゴノキ」がありますが、花の形はよく似てます。

 

葉は革質で分厚く、葉裏は黄褐色。

 

裏庭で伸び伸び育ったのでしょう。

 

堂々たる株元です。

 

キンギンボク(ヒョウタンボク

 スイカズラ科の落葉低木

学名:Lonicera morrowii 

果実が緑色から赤い液果になる過程が見られました。

キンギンボクの実は2個づつ着くのでヒョウタンボクとも言われます。

紅い実は美味しそうですが苦くて食べられないそうです。

『追加』この実は猛毒であるとの記載もありますが、有毒成分はまだ解明されていないようです。味見しないでください。

 

2019年5月3日に撮った花です。

花の色が初め白く、後に黄色になるのでキンギンボクと言われます。

 

今回は初めて見たものを集めました。

キンギンボクの花は前に撮ったものですが、実は初めてです。

まだまだ見たいものがたくさんありますが、すぐ脚が悲鳴を上げます。

また暑さに弱いため夏の間は来れるかどうか。

 

 

 

クレマチス入門

つくば植物園では毎年クレマチス園が公開されます(今年は4月27日〜6月2日)。

ここでは早咲きから遅咲きまで、古典的な花から新しい花まで300種ものクレマチスが育成されています。

今日はここの展示パネルからスタート、「クレマチス入門」としましょう。

           ↑(フロリダ系クレマチス メイヤー・イサオ

クレマチス  Clematis  とは?

 クレマチスキンポウゲ科センニンソウ属(Clematis)の総称です。

木性のつる植物か、まれに低木または多年草

キンポウゲ科の中では熱帯地域に分布する少数の属のひとつです。

 クレマチスは北半球の温帯地域に約300種、日本には30数種類が分布、さらに数千にも及ぶ園芸品種が作り出されています。

 

カザグルマ 

風車  Clematis patens

 分布:本州・四国・九州北部・朝鮮半島・中国

日本の貴重なクレマチスの原種です。

カザグルマの栽培は17世紀前半に始まり、1829年シーボルトによってヨーロッパに紹介され、多くの園芸品種の交配親となりました。

これが野生種とは信じられないような大きな美しい花を咲かせます。

 

花弁はなく萼片4〜8枚が花弁状になって一重の花をつけます。

直径7〜12cm。花の色は白・紅・紫・ピンクなど種々。

葉は十字対生・ふつう3出複葉または羽状複葉。

果実は痩果で、毛を密集して羽毛状になります。

 

絶滅危惧種に指定されていますが、今なお日本各地に特徴があるカザグルマが残存し、当園にも30種以上保存されています。

(土岐のカザグルマー白花・広島のカザグルマ・淡青色など多種多様。)

 

ここではたくさんのクレマチスを系統別に展示しています。

パテンス(Pat)系

日本に自生するカザグルマの特徴を受け継いだ早咲き・一季咲き大輪の系統です。

源氏車 (日本の名花・昭和の品種)。

 

ラヌギノーサ( Lan)系

花は大輪でパテンス系に似るが花期がが長く多数の園芸品種があります。

藤娘(日本の名花)

 

ジャックマニー(Jac)系

 英国のジャックマン氏が作出したジャックマニーを元にした系統。

ハーグレイハイブリッド

 

ワルシャフスカ・ニキ

 

 

テッセン Clematis florida

  中国中部原産 1661〜1671年頃(桃山時代)渡来。

 茎は蔓性で木質になります。

花は白色、萼片6枚が花弁状になっています。雄しべが弁化。

 

フロリダ系(Flo)

テッセンから作出された系統。八重咲きが多い。

レディ・キョウコ    21世紀リリースの新しい品種。

 

インテグリフォリア(Int)系

原種は東欧アジアから西アジアに分布。

クレマチス籠口 (日本の名花)

 

テクセンシス(Tex)系 

和名:紅花半鐘蔓 テキサス州〜メキシコ原産

チェリー・リップ  

 

プリンセス・ダイアナ  (愛知で育てていました。)

プリンセス・ケイト (21世紀リリース)

 

ケラ(Vit)系

アルバ・ラグジュリアンス 

地中海沿岸から中近東に分布するウイテイケラから作出。遅咲き・中輪。

 

モンタナ系(Mon)系

 ヒマラヤから中国西部の山中に分布。多花性早咲き(4〜5月)。

 高温多湿に弱いため、愛知では枯らしました。

 

その他 ヴイオルナ(Vio)系・アトラゲネ( Atr)系など。

 

半蔓性クレマチス 

アラベラ

 

下記の野生種のクレマチスも周辺に育てられています。

センニンソウ  Clematis terniflora

ハンショウヅル  Clematis Japonica

クサボタン Clematis stans

 

一方、テントの下には21世紀リリースの新しい品種の植木鉢が並んでいました。

まだまだ多様な園芸品種が作出されることでしょう。

 

つくば植物園のクレマチス展については下記のYou Tubeでも見ることができます。

https://www.youtube.com/watch?v=D1tUdELQSFU&list=PL38SvBUmO1PeOFHlbPKOMuiE0ZKG68J1x&index=1

 

 

5月のつくば植物園

5月2日、連休の谷間につくば植物園に行きました。

初めに撮りたくなったのはこの真紅のシャクナゲ

 

ロドデンドロン・アルボレウム

ツツジツツジ属の常緑高木

学名:Rhododendron arboreum

原産:ヒマラヤ・インド・ネパール・中国雲南省

ヒマラヤの代表的シャクナゲ。ネパールの国花です。

 

迫力のある真紅の花!この植物園には中央広場に巨大な’シャクナゲ太陽’がありますが、この花の方が紅色が鮮明です。

 

ハンカチノキ

   ヌマミズキ科ハンカチノキ属(←ミズキ科←ハンカチノキ科)の落葉高木

学名:Davidia involucrata

今年は花数が特別多いようです。

 

でも風に煽られてiPhoneに収まりません。

 

ハンカチノキの花については既に2019年に観察しましたから今回はここまでに。

 

下を向くとまだ真っ白なハンカチノキの花がたくさん落ちていました。

この若々しい葉はミツバツチグリ。

 

クロバナロウバイ

黒花蝋梅  ロウバイ科の落葉低木

学名:Calycanthus   fertilis

分布:北米 (日本には明治時代中期に渡来。)

 

怪しげな濃いえんじ色の花、これもロウバイの仲間でした。

 

北米の先住民はこの樹の樹皮・葉・根を薬用にしたそうです。

 

この日はこの後、キエビネが咲く小径を抜けてマイヅルソウに直行しました。

前回のラショウモンカズラの隣です。

 

マイヅルソウ

 舞鶴草 キジカクシ科マイヅルソウ属の多年草

 学名:Maianthemum dilatatum

 分布:環太平洋型(北東アジア〜北アメリカ西岸)

    日本では北海道・本州・四国・九州

 

4月14日にきた時はまだ蕾でしたが、この日は丁度見頃でした。

命名は葉の形と脈の曲がり方を、空を舞う鶴が翼を広げたさまになぞらえたと。

 

茎葉の大きさは北海道では大きく(8〜15cm)、順に小さくなって九州では小型(3〜4cm)になるそうです。

5〜6月頃、白い花被片が4枚ある小型の花を10個前後付けると書かれていますが、写真がうまく撮れていません。

 

クサソテツ

 コウヤワラビ科コウヤワラビ属のシダ植物

学名:Onoclea  struthiopteris コウヤワラビ属.....つくば植物園

           (Matteuccia struthiopteris  クサソテツ属......植物分類表)

分布:北海道・本州・四国(まれ)・九州の中央山地/

   アジア東部・ヨーロッパ・北アメリカ東部

これは春のおいしい山野菜「コゴミ」が成長したものです(4月14日)。

一区画びっしり茂っていて迫力があります。黒く見えるのは朽ちていく胞子葉。

 

「コゴミ」として食べるのは早春出芽したばかりの円く巻いた若芽。

 

5月2日には栄養葉は全て展開していました。

 

キンポウゲ

金鳳花  キンポウゲ科キンポウゲ属の多年性草本

学名:Ranunculusu japonicus

突如この花を見て驚きました。これが本物の「キンポウゲ」!

あとで朝日百科「植物の世界」を見ると「そもそも『金鳳花』という華麗な和名は、この植物の八重咲き種につけられたものである」と記載されていました。

でも私は今までこんな八重咲きのキンポウゲを見たことがなかったのです。

 

↑・↓ 葉の白い模様はハモグリバエの寄生。

この植物園でも一重の花には「ウマノアシガタ」の名札が付いていました。

この名は葉身が馬蹄に似ているところからと。

 

これは愛知の庭に咲いた「ウマノアシガタ」の花です。

花弁が光るのは表層の下にデンプンを含んだ細胞層があり、太陽光線を反射させるからだそうです。

植物園に行く度に感動があり、もっともっと見たいと思いますが、もう脚がついていきません。特に帰りは歩けるだろうかと不安になります。

見た植物をもっと記載しておきたいと思いますが、いざとなると写真の整理や文献検索も年と共に遅れます。

そして私の作業より季節の進行の方が早くてまた来年ということに。

頭も脚も動きが悪い、それでもまだ何とか続けたいと思う82才です。

 

ヤマシャクヤクなど 2024.4.

今年は遅かった春。

それでも春は今年も喜びを与えてくれました。

待望のヤマシャクヤクが咲いたのです。

 

ヤマシャクヤク

芍薬 ボタン科ボタン属の多年草

学名:Paenia japonica

分布:北海道・本州・四国・九州・朝鮮半島

   準絶滅危惧(NT)

草丈:30〜40cm

 

愛知の庭ではを何度か植えました。

yuusugenoniwa.blog.ss-blog.jp

でもいつも1〜2年で消えてしまうのでもうやめるつもりでした。

しかし2022年4月蕾付きの苗を見てしまい、また衝動買い。

開花後地植えにしましたが、昨年は花は咲かず葉のみで終わりました。

3月31日、発芽発見(春の花壇 2024.3.

4月4日、羽状複葉の中央に丸い蕾が育っていました。

 

4月17日16時 花弁が開き始めました! 緑色の萼片3枚。

 

花弁6枚(一般に5〜7枚)。

 

4月18日9時 開花。雌しべは1本だけでした(一般に1〜4本)。

直径5cmくらいですが、全開すると7cmほどになりました。

 

右上はサクラソウ初心。

ヤマシャクヤクの花は存在感があって大きく感じます。

 

4月18日9時、早くも黄色い雄しべから花粉が出ています。

 

4月19日9時。柱頭に花粉が付いています。

 

4月20日10時 最終日。

開花はわずか3日間、はかない花です。

 

4月21日8時、花弁半分落下。

 

落ちた花弁もまだ真っ白です。

 

5月1日朝、早くも実が育っています。種子が採れますように。

 

アジュガ

   シソ科キランソウ亜科キランソウ属の多年草

学名:Ajuga tenorii

和名:セイヨウジュウニヒトエ

原産地:ヨーロッパ

 

北の通路沿いに植えたアジュガは暑さにも寒さにも渇水にも耐え、年々増殖しつつ、

グランドカバーとして雑草の繁殖を防いでくれています。

今年は特にきれいに咲きそろいました。

 

ピンクと紫の2種。

 

ほふく茎で広がりますが、ミヤコワスレとも共存共栄。

 

5枚の花弁が筒状にくっついた合弁花冠。

キランソウ属の花は上唇ごく小さいのが特徴。


お行儀の良い優しいピンクの花。


カンアオイ

寒葵 ウマノスズクサカンアオイ属の多年草

学名:Asarum  nipponicum

分布:関東地方南部から近畿地方太平洋側

 

これもグランドカヴァープランツとしての試しに植えました。

悪条件にもめげず、美しい葉を見せてくれます。

 

ツリバナの下、アジュガとも競り合っています。

 

4月4日 周囲の落ち葉を取り除いてみました。

すると葉には長い柄(え)があり落ち葉の下で交錯していました。


その間に暗紫色の花をいくつか発見!

 

これが花! 花弁は退化し、3枚の萼裂片が合着しているのだそうです。

雌しべの周りに雄しべが6個づつ、2輪に配列すると。


この5年間で家の周囲が一回り緑に彩られました。

昨年からは新規植栽は少なく、むしろ繁茂しすぎる樹木などはカットしています。

庭師さんも依頼せず、時折の息子の剪定と私の手入れのみで維持してきました。

今日もこの庭が見られた、それだけでありがたい日々です。

つくば植物園の春2024

今年も4月13日から「サクラソウ品種展」が開かれています。

珍しくソメイヨシノヤマザクラの花がまだ残っていて、サクラソウの陳列棚にもひらひらと落ちるのも優雅です。

サクラソウ品種展については昨年4月30日に記載しましたので今回は山野草を訪ねます。

 

ラショウモンカズラ

羅生門葛 シソ科ラショウモンカズラ属の多年草

学名:Meehania urticifolia

分布:本州、四国、九州、朝鮮半島中国東北部

 

6年目にやっと出会えたラショウモンカズラの花です。

奥まった小道にひっそり咲いていますし、「みごろの植物」のパンフレットにも記載がないので見逃していました。

草丈20cmほどの若い茎にシソ科らしい3角形の葉が対生し、ふんわりと密生しています。

 

茎の先に長さ4〜5cmの花が数個づつ花穂状に付いています。


能の「羅生門」に渡辺綱(わたなべのつな)が羅生門で鬼神と闘い、腕を切り落とすと、鬼神は空遠く逃げ去ったというくだりがあるそうです。

花冠の基部が細く、先が太くて脈が目立つ様子から鬼神の腕を連想して名付けられたとか。

 

ニリンソウ

 二輪草 キンポウゲ科イチリンン草属の多年草

  学名:Anemone  flaccida

 分布:北海道から九州、朝鮮半島中国東北部、ロシア極東地方

 

水路沿いの高木の下に心地良げに毎年咲いています。


二輪づつ花がつくことが多いのですが、必ずしもそうはならず、1〜4輪つくようです。

 

リュウキンカ

立金花   キンポウゲ科リュウキンカ属の多年草

学名:Caltha palustris  var.  nipponica

分布:北海道南部、本州、九州、朝鮮半島

 

これは2019年4月14日に池の辺りで撮ったリュウキンカです。

今回エンコウソウ(下記)を載せようと思ったら、リュウキンカが未記載とわかり、急遽追加しました。

リュウキンカは漢字の如く、茎が立ち、花が金色のように明るい黄色の花です。

 

果実は袋果(ヒメリュウキンカは痩果)。

 

エンコウソウ

猿猴草 キンポウゲ科リュウキンカ属の多年草

学名:Caltha palustris var.enkoso

分布:サハリン、北海道、本州、九州

 

クリンソウの近くでエンコウソウが一足先に開花していました。

 

エンコウソウはリュウキンカに似ています。

茎が長くなって倒れていく様子をテナガザルの腕に見立てて猿猴草と命名されたのです。

 

ミツガシワ

 三槲 ミツガシワ科ミツガシワ属の多年草(一属一種)

 学名:Menyanthes trifoliata

(ミツガシワについては2019.4.18の記事に書きました。)

今年もすでに見頃を迎えていました。毎年見ても見飽きない美しい花です。

 

陽に当たって白毛が輝いていました。蕾のピンクも初々しい。

 

サワオグルマ

沢小車  キク科オカオグルマ属の多年草

学名:Tephroseris pieerotii

分布:本州から九州

湿地にはサワオグルマも開花していました。太い茎が目立ちます。

 

イカリソウ

錨草   メギ科の多年草

学名:Epimedium grandiflorum var. thunbergianum

イカリソウは満開。イカリソウについては「2020年春のつくば植物園」に記載しました。

淡いピンクの萼片の下に白色のイカリ型の距(花弁)が伸びています。

 

白花はヒメイカリソウ。近寄れず接写できません。

 

最近プロムナード西の花壇の植栽植物が華やかになってきました。

 

原種系チューリップ「ライラックワンダー」。

 

原種系チューリップ「’Taco'  」。

 

昨年は春の花を追って歩き過ぎて下腿に紫斑が出てしまいました。

その後自重していますが歩かなければ歩けなくなりそうで加減が難しい。

今は軽い散歩程度に1日1時間くらいにしています。

最高の散歩道です!