暑く長い夏(ミヤマガンショウなど)

はや9月も中旬、秋の気配の漂う頃のはずですが、今年はまだ残暑が続いています。

日中は暑くて庭に出る気になれず、朝と夕に最低限の水遣りや草取りをするのみ。

そんな中、予期せぬ花が開花しました。

 

「ミヤマガンショウ」の返り咲き

 

深山含笑 モクレンオガタマノキ属の常緑高木

学名:Michelia maudiae

原産:中国(中国名:深山含笑)

 

我が家の庭に植えたミヤマガンショウは今年3月10日頃、たくさんの花を咲かせました。

これについては今年の4月に記事にしました。

 

9月6日、この木にまた花が咲いていることに気付きました。

 

春のような優雅な花は見当たりません。

 

北側道路に回れば花は後ろ姿。

 

あちこちに赤い実も見えます。初めての結実です。1花に1〜4個。

 

確かに愛知の庭に植えていたカラタネオガタマの実(袋果)に似ています。



愛嬌のある赤い実です。花に比べて実は少ない。

 

この赤い実の中はどうなっているのでしょう。

まだ新しい園芸品種のためか、検索しても実についての記載は見当たりません。

一つ採取して確認することにしました。

 

袋果を割るとクリーム色の楕円球の種子が見えました。果実 21x13 mm。

 

取り出した種子は12x8mm。

この種子も秋にはカラタネオガタマ や ハクモクレンのように赤くなるのでしょう。

 

レンゲショウマ

 蓮華升麻 キンポウゲ科、レンゲショウマ属の多年草

 学名:Anemonopsis macrophylla

 

この花はつくば植物園にあり、2021年9月2日のブログに載せました。

2021年春キエビネ発注時、レンゲショウマの苗を1株だけ加えました。

今まで高嶺の花と諦めていましたが、やはり一度は試してみたかったのです。

苗は蕾ができた状態で届き、辛うじて花も咲きましたが、この庭で咲かせた花ではないからブログには載せず、翌年を待ちました。

 

咲いたばかりの花を接写しました。

 

翌2022年、葉は出たものの花は咲かずに終わりました。

今年は元気な葉が展開(4月28日)。

 

蕾もできました(5月31日)。

 

ところが気温が高すぎるのでしょうか、蕾は大きくなりません(7月5日)。

1花も咲かずに蕾も葉も枯れました。

 

周りのセキヤノアキチョウジ・オダマキ・コウヤボウキ・ハンショウヅル・オウギカズラは枯れずに残っています。

もし来年発芽してくれたらもっと日陰になるところへ移植しましょう。

 

キレンゲショウマ

黄蓮華升麻 アジサ科キレンゲショウマ属の多年草

学名:Kirengeshoma palmata 

 

北側に植えたキレンゲショウマ2株のうち1株を今春 南の半日陰に移植しました。

ツリバナとアオバナギンバイソウに攻めらていたからです。

順調に葉を開いて蕾を付けました(6月6日)。

 

7月9日。これ以上開花が進まず、葉の色が冴えません。

移植に耐えてここまでは頑張ったのですが、連日の酷暑に力尽きた感じです。

5年前転居したときは愛知に比べて涼しいと感じたつくばでしたが、今年の暑さは山野草にはきつすぎました。

 

今夏の暑さも空調の効いたこの終の住まいに居れば安泰と思っていましたが、今夏は築5年にして空調4機のうち2機が次々と故障。

修理も順番待ちですぐには来てくれません。2機目は明日の予定です。

しかし前回修理に来た方々の本当に噴き出し流れる汗を見れば、何も言えません。

植物たちにも過酷な日々、特に山野草には厳しい夏でした。

 

ひとりばえ(モミジアオイなど)

「ひとりばえ」 

かって住んでいた愛知県や岐阜県では種子を蒔かないのに生えることを「ひとりばえ」と言っていました。

しかし最近「ひとりばえ」は広辞苑には載っていないことに気付きました。

Weblio辞書には 四日市市四郷地区方言と出ています。

「ひとりばえ」という響きが懐かしく、今回はこの庭に突然生えてきた花を集めました。

 

アメリオニアザミ

キク科アザミ属の多年草

学名:Cirsium vulgare

分布:ヨーロッパ原産で北アメリカに帰化したため、セイヨウオニアザミとも呼ばれます。

日本では1960年代に北海道で確認され、本州や四国に定着。生態系被害防止外来種

 

庭のヤツデの陰に植えた覚えのない植物があるのに気付きました(2020年5月31日)。

アザミとは分かりましたが、何アザミかな?

 

発育が早くてたちまち小径を塞いてしまいました(2020年6月9日)。

 

よく見るともう蕾が出来ています。

 

そして葉の先端には鋭い棘!

これはたいへん! 悪名高きアメリオニアザミ! 慎重に退治しました。

本当は一花くらい見たかったのですが、孫たちが怪我をしては困ります。

 

今年7月4日、近くのお蕎麦屋さんへ行った時、駐車場の隅にピンクの花を発見。

近寄るとあのアメリオニアザミ

 

まだ咲いたばかりの美しい花です!
しかし棘は鋭く、総苞もクリのイガのようです。

 

ブロックの隙間に落ちた種子から発芽したらしく、茎は木化していました。

会計の時、ご主人に伐採をお勧めしました。

 

シンテッポウユリ

ユリ科多年草

学名:Lilium x formolongo

タカサゴユリテッポウユリを交配して作られた園芸品種。

もともと繁殖力が強いタカサゴユリとの交配により日本各地で作られたものが野生化して交雑を繰り返しているようです。

 

昨年北の通路脇に突如現れて白い花が2つ咲きました。

テッポウユリは初夏に咲き、葉の巾がもっと広い。

ここから50mほど離れた畑に同じ花の大株がありますから、そこから種子が飛んできたのでしょう。

 

今年は丈が伸びて2茎に増え、1茎に3花咲きました。

 

一宮にあったタカサゴユリは花弁の外側に淡褐色の筋がありましたが、これにはありません。

 

今年はもう2株増えました。床上げ花壇の隙間とその後です。

 

痩せてはいますが花も咲いて生命力の強さを実証しています。

 

ナツズイセン

水仙 ヒガンバナ科多年草

学名:Lycoris squamigera

 

ナツズイセンは2年前玄関脇に突如花が立ち上がって驚いた花です。

2021-09-19 キレンゲショウマ など

昨年は姿が見られず消えてしまったと思っていましたが、今年は8月20日、対側のハクチョウゲの株の中から1茎立ち上がって花を咲かせました。

 

予期せぬプレゼントが嬉しく、乾いた土にお礼の水遣りをしました。

 

モミジアオイ

紅葉葵 アオイ科宿根草 米原
学名:Hibiscus coccineus
 

2020年から紅白のモミジアオイが西側の木塀の前で咲いています。

 

しかし花は明るい方を向いて咲きますから、西隣の家の方を向きます。

上の赤は最もこちら向きに咲いた日に撮りました。たいていはこの白のように後姿です。

そして花殻がお隣へ落ちてしまうこともあり、謝らねばなりませんから移植を考えています。

 

昨年、数メートル離れた飛び石の間にひとりばえのモミジアオイが育ちました。

歩くのに邪魔ですが抜くのもためらわれそのままにするうちに10月に赤い花が1輪開花。

これは2022-10-28の記事にしました。

 

今年は2年目の左の株の方が 4年目の右の株より花が多くなりました。



南西に常緑樹が聳えているので、居間の方を向いて咲く花が多い。

花の少ない盛夏、ありがたい存在でした。

 

この大きな紅い色は1輪でも存在感があります。

飛び石の通路を邪魔しますが、あまり大株にしないよう管理しましょう。

 

アオイ科の植物には害虫(ワタノメイガやフタトリコガヤなど)が付きやすく苦労しますが、

このモミジアオイに何故か付きません。

若葉の頃にラミーカミキリを見ることがありますが、これは共存できます。

 

今年は下肢のフレイルが進行、室内も歩きにくくなりました。

思いきって近くの整形外科を受診し、そこでリハビリを受けることにしました。

希望者が多くて予約を取るのがたいへんです。

 

 

高齢者の庭(2023年8月)

80才の坂を越えてから早くも2年が経とうとしています。

このところ老化の進行が早くなったようです。

歩き方もおぼつかなく、足が上がっていなくてつまづき易い。

台所の立ち仕事や植物園の散策も長くはできません。

この庭をいつまで維持できるか、悩ましい課題です。

 

Apple Watch

今月は思い切ってApple Watch を購入しました。

 

メカ音痴にはWatchの設定は難行でしたが、何とか始動できました。

待受画面には最近撮ったタイタンビカスの画像を選択。

iPhoneとのペアリングでお勧めの画像10枚が自動的に準備されたのです。

ボタンを押すと30秒間の心電図をとり、心房細動の有無が表示されます。

11年前 階段から落ちた後「心房細動」と診断されたものの一過性と判断して放置。

しかしその後もたまに頻脈があって気になっていたのです。

事故や転倒のときボタンを押すだけで救急電話にも繋がるようです。

 

タイタンビカス

   アオイ科フヨウ属の宿根草 

   アメリフヨウとモミジアオイの交配種 Hibiscus x Taitanbicus 

2019年に植えたタイタンビカスが今年は2mほどに育ちました。

 

後ろの「ユーパトリウム リトルジョー」と競い合って咲いています。

 

直径20cmもある花ですが1日花。

午後にはしぼみ始めてもったいないことです。

 

手すり

デッキから庭に降りるスロープには2年前に手摺を付けてもらいました。

植え込み用の添木を利用した息子の手造りです。

少しカーブしたところが気に入っています。

 

 

ロボット芝刈り機

この庭の芝の管理はすべて息子に依存していました。

しかし、私が80代になれば息子も50代、五十肩に悩む年頃です。

そこで今夏はロボット芝刈り機を導入しました。

但し、これは初めに作動範囲設定作業が必要です。

私には無理でこれも息子に一任。

毎夜設定通りに静かに作動しています。

その日伸びた分を毎日刈るという方式なので収納袋は不要です。

 

今夏も酷暑の日々、しかしまだまだ庭木は元気いっぱい、庭は鬱蒼としてきました。

この庭は2018年秋造園してからまだ一度もプロに剪定を依頼したことがありません。

前回息子が剪定してくれたのは昨年の12月8日。 

低いところの細い枝は多少私が剪定鋏で切っていますが、高所や太い枝はお手上げです。

今年はさらに勢いよく茂っているので外注を勧めるも同意得られず。

 

8月6日、ファン付き作業衣を着た息子が脚立とシュレッダーを車に積んで来ました。

昨秋はシュレッダーは主人の担当でしたが、今夏は前半でダウン。

 

でもお蔭様ですっきりしました。猛暑の中、本当にごくろう様でした!

軽くなった庭でモミジアオイの赤色が映えています。


きれいになった庭をチャーリーがデッキから見物?

いえ、東の方から到着するランチをひたすら待っているところです。

この子もはや2才になりましたが、今でも私の膝の上が大好きです。

 

2018年9月27日転居、更地から作った庭はまもなく5年になります。

初めは植え込みのみでしたが、すでに飽和状態、むしろ引き算の庭になりました。

管理者の体力減少に伴い、これを維持する工夫が要ります。

また楽しからずや。

新しいスーパーマーケット

2022年2月、家から車で10分弱のところに「ブランデカスミ研究学園店」がオープンしました。食の専門性にこだわった新しい感覚のスーパーマーケットです。

駐車場に入るのがたいへんだろうと、初め躊躇していましたが、試しに行ってみるとその心配も殆どなく、すぐに会員登録し、楽しみながら買い物をしています。

斬新な建物で商品はびっしり並んでいますが、私が何とか歩ける広さです。

初めは今まで近くになかった鮮魚売り場に直行、生きているエビやカニ、北海道から鹿児島まで各地から来た鮮魚に目を見張りました。その場で刺身にでもしてもらえます。

          

新れんこん

2日前、野菜売り場に行って驚きました。

何と早くも新れんこんが並び、その周りにハスの花が飾られていたのです。

 

濃いピンクや淡いピンクのハスの花や若い実が茎を短く切って活けてあります。

 

長い茎と大きな葉、枯れかかってはいるものの努力賞です! 写真が撮りたい!

今まで遠慮していましたが、思い切って近くの店員さん(?)に聞いてみました。

「ここは大丈夫ですよ。この花は今朝生産者から届いたのです。」と。何と店長さんでした! 思わず、「ブログに載せてもいいですか?」 快諾でした。

 

この時期の「新レンコン」はアクが少ないので刺身で食べるのがお勧めと。

ところが花に見とれて買うのを忘れました。次回必ず試しましょう。

 

世界のフルーツ

ここは世界のフルーツコーナー。今まで写真が撮りたかったところです。

この日は今までで一番品揃えが多いように見えました。

 

右からパイナップル(サンドルチェなど、パイナップル科)。

中央上はタマリンドマメ科)、中央黄色の2袋はリュウガンムクロジ科)。

右下はオールドココナッツ(ヤシ科)。

左上の赤いのはメキシコ産アップルマンゴー(ウルシ科)。

左下はヤングココナッツ。

 

中央上の赤いネットはドラゴンフルーツ(サボテン科)。

下の方はドラゴンフルーツを縦に半分に切ったもので白地に黒い種子が見えます。

右上はイエローピタヤ(黄色い皮のドラゴンフルーツ)。

その下はスターフルーツ(後述)。

どれも高級果実店価格ではなく、スーパーマーケット価格なのが嬉しい。

 

左上はランブータンムクロジ科・メキシコ産)。レイシ(ライチー)と同じ仲間です。

その下はお馴染みのアボカド(クスノキ科)。和名はワニナシ(鰐梨)。

緑色のネットは食べごろ、焦茶はオーガニック(この日は共にペルー産)。

右上の グアバ(フトモモ科)は初めて見ました。

その下はパッションフルーツ(たてやま)(トケイソウ科)。


スターフルーツ

   カタバミ科ゴレンシ属の常緑木本。

学名:Averrhoa  carambola

和名:五斂子(ごれんし)

英名:star fruit

原産:南インドなど熱帯アジア

 

スターフルーツはつくば植物園で撮った画像があります。

2022.9.15. 屋外に並べられた植木鉢で赤い花を咲かせていました。

 

紅紫色の花。花弁は5枚で長さ8mmほど。

 

2023.1.20.熱帯資源植物温室で黄色い果実がたくさんぶら下がっていました。

 

初めて見た日から気になっていた南国のフルーツ、ますます種類が多くなっているようです。

写真を見ていると好奇心が募ります。これから一つづつ試食していこうと思います。

80才を超えてからも、杖を片手にまだ何とか自分の脚で歩き、楽しみながら買い物ができるお店が近くにできて有難いことです。

ここではScan&Go決済を選択、商品のバーコードをスマホで読み取って入力しながらカートのバッグに入れますから頭の体操にもなります。

 



真夏の庭(2023)

隣家のお庭では毎年タチアオイが見事に咲きます。

この花が下から咲き進んでてっぺんに達する頃、梅雨が明けると言われています。

確かに今まで4年間はそうでした。

でも今年はもう咲き終わったのに、まだ梅雨明け宣言はなく暑さは盛夏並みです。

 

この季節の主役はウラハグサ。大株に育って風に揺れています。

 

ウラハグサ

裏葉草 イネ科の多年草

別名:フウチソウ(風知草)

分布: 本州太平洋岸地域(神奈川県〜和歌山県).....日本固有種

学名:Hakonechloa macra 

      Hakone は箱根、chloaは草。

 

「ウラハグサ」は一般には フウチソウ(風知草)と呼ばれています。

私も2022年ブログに載せるとき和名が「ウラハグサ」と知り驚きました。

2019年1月、つくばいの青竹を依頼した庭師さんの発案で小さな和庭ができました。

つくばいの左にツワブキ、右に枯葉のようなウラハグサが植えられました。

 

2019年3月、ウラハグサをカットし、後ろにオモトを植えました。

 

2019年4月 植栽後初めての春、待望の芽生えです。

 

2019年5月新しい葉が日毎に伸びます。後の白い花はニホンシャクナゲ

 

2020年6月、ツワブキと競い合って繁茂。

 

2020年9月29日 花穂が出る頃には葉は黄変し始めます。

晩秋、葉はすっかり枯れ色に(2020.11.29.)。

 

2022年スギゴケの維持を断念、シランを植えました。2023.5.開花。

 

ウラハグサはますます旺盛、つくばいが小さく見えます(2023.7.12.)。

 

花穂が風に揺れる様は「風知草」の風情です。

 

近づいて見ると確かに見えているのは裏側の葉。それで「ウラハグサ」!

 

花は主役の葉の存在を損なわぬよう配慮しているかのように目立たず控えめです。

 

1cmくらいの小穂に紫色を帯びた小花が散在(2019.10.24.)。

 

 

オウゴンオニユリ

  黄金鬼百合 ユリ科ユリ属の多年生草本

  学名: Lilium lancifolium var. flaviflorum

  分布:対馬のみ

  2021年「ヤマユリとオウゴンオニユリ」に既述

 

オウゴンオニユリはミニ菜園の前景になるようむかごを並べてありました。

しかしチャーリーを庭に離すと畑へまっしぐら!

アスパラもカブも食べられてしまいますので境界にネットが張られました。。

6月29日、オウゴンオニユリの蕾が膨らんできました。

 

7月5日 ほぼ満開です。

 

ネットの南にはモナルダの白花。

 

ヤマユリ

山百合 ユリ科ユリ属の多年生草本

 学名:Lilium auratum

 分布:東北地方から近畿地方に自生。北海道・四国・九州には栽培品が野生化。

 (2021年「ヤマユリとオウゴンオニユリ」に既述)

 

昨年16花咲いたヤマユリは今年はさらに大きくなって22花も咲きました。

初めての開花は7月2日。

この日は念願かなって二人の従姉妹が大阪と東京から来てくれる日。

花が少ないこの季節、ヤマユリの開花が待たれました。

そして当日、これまた願い叶って2花開花! 記念撮影できました。

 

あたり一面芳香が漂っていました。

 

赤い花粉に触れないよう要注意!



左の花は雄しべが退縮中。

 

南の庭ではユウスゲと競演。

これは一昨年ユリクビナガムシに食べられて開花できなかった株です。

今年は見事に開花。


アナベルの花も薄緑色になりました。ドライフラワーにする時期です。


猛暑の頃は植物園へは行けません。
冷房が効いた家の中から樹々の葉の色の微妙な違いを飽きず眺めています。

 

温室の植物(プセウドボンバクス ・バニラ)

プセウドボンバクス 

アオイ科(←パンヤ科)の落葉高木

学名:Pseudobombox ellipticum

原産:メキシコからグアテマラグアテマラの国樹)

 

2021年5月12日、「イジュ」の花が見たくて温室に入りました。

実は温室は蒸し暑く、レンズも曇るのでいつも敬遠しがちだったのです。

どこ? 見つかりません。

偶々通った作業服の女性に尋ねると親切に導いて下さいました。「あれです。」

それは高い温室の天井近くの枯れ枝に残る1輪の花。赤い矢印の左です。

明らかに「イジュ」ではありません。

 

マクロレンズで何とかここまで拡大。

今まで見たことがない花の美しさに見惚れました。

 

さあ、この花は何の花?

複雑に伸びた枝を逆に辿ると太い幹に辿り着きました。

名札は「プセウドボンバックスの一種」。

「朝日百科植物の世界」でパンヤ科を調べるとバオバブパンヤノキ・パキラ・ドリアンなどが含まれています。

英名は「シェービング・ブラシ・ツリー」。

もうこの1花で花期は終了するようです。次の開花を待ちましょう。

 

しかし翌2022年は花を見ることができませんでした。

2023年4月2日、葉が繁っていました。

 

大きな掌状複葉です。しかしすでに落葉準備中のよう。

よく見ると花が二つ見えましたが遠くて接写できません。

 

近くに学名:Pseudobombox ellipticum の低木を見つけました。

何と低い位置で開花中です。幹の色は緑色。

低い位置に花が咲いています。

 

花の経過が見たくて4月は14日・19日にも見に行きました。

まずは蕾(4月14日)。

 

4月19日 開花していました!

花弁5枚はくるくると巻き、雄しべの束の中から長いめしべが1本伸びています。

既に花弁の1枚が垂れ下がっていますね。

 

別の花。花弁5枚とも下垂。

近縁のパキラの花は2〜3日で落花するそうです。

 

落花。花弁と雄しべが束のまま落ちていました。

 

長い雌しべだけは落下せず残っています。

 

実を探しましたが、結実したものはなさそうです。

 

「プセウドボンバックス エリプティクム」は幹も緑色の網目模様があり、盆栽仕立てにして楽しむ愛好者があるようです。

間違って教えてもらったお蔭で今まで馴染みのなかった熱帯の樹木に親しみが湧きました。

 

バ ニ ラ

ラン科 蔓性着生ラン

学名:Vanilla planifolia

原産:メキシコから南アフリカ

 

熱帯資源植物温室の入り口近くにバニラの株があります。

4月肉厚の超楕円形の葉と大きな蕾が見えますが、花は見られません。

実は花は一日花で午前中には萎んでしまうとのこと、私が行くのは午後ですから、やむを得ません。花は淡緑色で長さ6cmくらいだそうです。

 

果実はインゲンマメのように細長く、これを発酵させたものがバニラビーンズ。

これをアルコールに漬けて香りを抽出したのがバニラエッセンスです。

バニラは虫媒花、原産地ではハナシリバチが花粉を運ぶそうですが、植物園では人工授粉されているようです。

 

バニラ属は世界中の熱帯地域に100種くらいあるそうです。

バニラ・ボルニエンシスは午後にも花が見られました。

 

バニラ・ボルニエンシス

学名:Vanilla borneensis

原産:インド東部・ボルネオ島

 

白い花柄が伸びて淡緑色の花が咲きます。

 

唇弁の中央部はピンク色で白毛が密生しています。

 

果実も育っています。

 

4月に植物園に行った時、少々歩き過ぎたようで下腿に紫斑が出てしまいました。

またこれから暑くなるので植物園散策はしばらくできないかもしれません。

今月2日には嬉しい来客あり、今回の記事更新が遅れました。ごめんなさい。

初夏の庭 2023

今年は花も梅雨も例年より早いのに、私の動きは年々鈍くなり、ブログが遅れ気味です。

梅雨が明けないうちに今年の初夏の庭を記録しておきたいと思います。

 

ナツツバキ

夏椿 ツバキ科ナツツバキ属の落葉高木

学名:Stewartia psedocanellia

別名:シャラノキ(沙羅樹)

分布:宮城県福島県新潟県以西の本州、四国、九州、朝鮮半島

 

これは40年ほど前に愛知の庭に植え、転居後に当地へ移植した樹です。

今年は6月4日初開花。

 

気品のある美しい花、ナツツバキの命名はぴったりだと思います。

花の直径約5cm。葉は光沢が無く倒卵形で互性。

 

花弁の縁に細かいひだのような皺と切れ込みがあります。

 

この花については既に2017年の「夕菅の庭」にも記載しました。

次々と開花するも、はかない1日花、夜の間に落花してしまいます。

 

まだ傷んでいないのもあり、夕方までこのまま鑑賞しています(これで1日分)。

 

クレマチス

つくば植物園では毎年クレマチス園が公開されます(今年は4月29日〜6月4日)。

4年前、植物園の特設売り場で販売されていた苗を購入、斑入りマサキに登らせました。

名札が不明ですが、ジャックマニー系かと思います。

 

 

クレマチス アラベラ

半蔓性 インテグリフォリア系(半蔓性)

こちらは3年前購入しました。

両隣のトキワマンサクに負けて大きくなりませんが、塀の隙間から下垂してかわいい花を見せてくれます。

 

セイヨウシャクナゲ 

ピンクの侘助の下に植えた白のセイヨウシャクナゲ(マダムマッソン)は丈夫でクリスマスローズに責められながらもよく咲いてくれます。

 

セアノサス

寒波で消えたと思っていた東庭のセアノサスが再生、優しい花を見せてくれました。

 

コアジサイ→訂正→奥多摩コアジサイ

こちらは白侘助の下、つくばいの後ろの日陰で開花しました。

 

コアジサイの花には装飾花がなく、全て両性花です。

追加:「奥多摩コアジサイ」の存在を知りませんでした。来年再検討します(2023.6.28.)。

 

ヤマアジサイ「瀬戸の月」

 

北側の狭い植え込みに彩りを添えてくれています。

 

ホタルブクロ

東庭に意気込んで造ったレイズドベッド(床上げ花壇)は樹木に占拠され、草花の植栽は厳しくなってしまいました。そんな中、自生してきたホタルブクロ。

花の色も純白でありがたい存在です。

 

チョウジソウ

南庭の塀の影はアナベルシデコブシの成長著しく、初めに植えてあったチョウジソウには気の毒な環境になってしまいましたが、今年も開花してくれました。

 

フタリシズカ

北の通路で無事今年も開花してくれたフタリシズカ

老夫婦の象徴でもあります。

 

ヒメヒオウギ

西隣の新築のお宅には幼い女の子が二人。塀の隙間からかわいい花を覗いてくれます。

 

ツキミソウ

大型プランターと通路のコンクリートの間のわずかな隙間から芽生えたツキミソウが毎夜花を咲かせてくれます。

ここがお気に入り、2年目です( 6月5日22時40分)。

 

アナベル

南庭はますます大きくなったアナベルが主役。

 

ビオラが終わった後は宿根草たちが次々と開花、ナミアゲハも忙しそうです。