日光植物園-2

日光植物園、もう少し続けます。

 

ノハラアザミ

  野原薊  キク科アザミ属多年草 

 

アザミは子供の頃から野山で見ていた花ですが、詳しく調べたことがありません。

まずはノアザミとの違いを調べました。

                                

ノハラアザミ               ノアザミ

学名: Cirsium oligophyllum                  学名: Cirsium   japonicum

分布:東北・中部・近畿         分布:本州・四国・九州・台湾など

花期:8〜12月              花期:春〜秋

総苞:粘らない             総苞:粘る

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ノハラアザミ

花は上向きに咲き、総苞は粘らない。

アザミは棘があって触ると痛いから、触れたことがなかったのですが、ノアザミは総苞片に腺体があり、粘液を分泌しているのだそうです。

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頭花は筒状花のみ。

下の方の雌しべは花粉を押し出し終えて、2本に分かれています。

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白花もありました。

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ニッコウアザミ

日光地方に自生するノハラアザミの変種。

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 ニッコウアザミにも白花があるようです。

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ニッコウアザミはノハラアザミより葉の切れ込みが多いことが鑑別点。

2回羽状複葉です。

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ツリガネニンジン

   釣鐘人参  キキョウ科ツリガネニンジン属多年草

 学名: Adenophora triphylla var. japonica 

 分布:日本・シベリア東部〜極東アジア

 

ひょろひょろっと伸びた茎から白い釣鐘をたくさん垂らしています。

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学名の japonica が印象的な、なよやかな花です。

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花は釣鐘形で長さ2cm弱。

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ゴマナ

 胡麻菜 キク科シオン属の多年草
  学名:Aster glehni var.hondoensis

 

群生して咲く白い小花、これも初めて見る花でした。

シロヨメナより花が小さく直径約 1.5cm。

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シロヨメナとの違いはまず花の大きさ、シロヨメナの花は直径約 2cmです。

さらに葉の基部に3本の主脈がないことで見分けられるそうです。

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 フシグロセンノウ

 節黒仙翁  ナデシコ科センノウ属多年草

 学名:Lychnis miqueliana Rohrb.

 

林床に突然朱い色を見つけてはっとしました。

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さらに奥に予期せぬ水音!

そのほとりにもフシグロセンノウがキレンゲショウマと揃って咲いていました。

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こちらは出口近くの植え込みの中。

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前の庭では1株のフシグロセンノウを一喜一憂しつつ眺めたものでした。

フシグロセンノウ :はるなつあきふゆ夕菅の庭:So-netブログ

 

 

含満ヶ淵(カンマンガフチ   憾満ヶ淵)

初めに受付で見頃の植物を教えていただいた時、含満ヶ淵も是非と勧められました。

池の周りの細い道を苔むす横木に驚きながら、大谷川 (ダイヤガワ)を見下ろす位置まで転ばぬよう、滑らぬよう、恐る恐る辿ります。

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横木の苔には花が並んでいました。

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水の音が大きくなり、木々の間から渓流が見え始めます。

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碧い水と白い水しぶき、荒々しく削られた岩。

大谷川は華厳の滝下流、小さくても流れは勇ましい急流です。

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左上にかすかに見える赤い影。

これは対岸の「並び地蔵」の一部のようです。

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植物園の中で思いもよらぬ秘境まで見られて嬉しい半日でした。

 

追 加

後で調べると、この「並び地蔵」は徳川家康に仕え、のちに日光山管主を拝命、再興した慈眼大師天海の弟子100名が寄進したものでした。

明治35年の大洪水などによって流されたものもあり、現在70体ほどになっています。

ハプニングがあり、後で対岸で直接お地蔵さんにも対面しました。

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日光植物園-1

せっかく日光に来たんだからどうしても日光植物園へ行きたい。

二日目は江戸村へ行く孫達と別れて私達は植物園で降ろしてもらいました。

 

日光植物園

東京大学大学院理学系研究科附属植物園日光分園)

明治35年(1902年)、本園(小石川植物園)では行えない高山植物の教育研究のために東照宮の近くに開設されましたが、9年後に手狭になって現在の場所に移転したのだそうです。

 

こじんまりした入口の近くに早くもレンゲショウマ!

レンゲショウマ

 蓮華升麻 キンポウゲ科、レンゲショウマ属 1属1種の多年草(日本固有種)。

 学名 : Anemonopsis macrophylla

    分布:東北地方から中部地方大峰山(近畿)

 

長く伸びたチョコレート色の茎から雰囲気のある花や蕾が下垂していました。

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みな俯いています。上の方の花をできるだけ下から撮りました。

外側は萼片、内側の先端が藤紫色の部分が花弁です。

萼片も花弁も厚目なのに透けそうで趣きがあります。

基部に雄しべ多数、突出する雌しべ数本(この花では3本)。

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植物園は名札があるから安心です。

レンゲショウマの名は葉がサラシナショウマに、花がハス(蓮)に似ているとて付けられたそうです。

ぽってりとした花に比べて葉は薄く、荒い鋸歯があるのが意外でした。

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キレンゲショウマ

 黄蓮華升麻 アジサイ科キレンゲショウマ属の多年生の植物

 学名:Kirengeshoma palmata Kirengeshoma

受付でキレンゲショウマも咲いていると言われ期待していましたが、探すまでもなく通路のロープからはみ出すように咲いていました。

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あっちにもこっちにも。

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 その先は裏斜面一面に群生! でも中へは入れません。

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カメラのせいか、光線の具合も悪かったためか、黄色が映えません。

残念ながら今回は身軽に徹してカメラは200gのコンデジのみ。

もっと輝くような黄色のはずなのに残念です。

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 キレンゲショウマレンゲショウマに似ているとて命名されたようですが、レンゲショウマはキンポウゲ科で花や葉の姿も似てませんね。

 

 モミジガサ

 紅葉笠 キク科 コウモリソウ属の多年草 

 学名:Parasenecio delphiniifolius

 別名:シドケ、シトギ、モミジソウ

   花期:8〜9月

モミジガサを初めて見ました。

山菜料理に使うシドケはこのモミジガサのことだったのですね。

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あちこちにありましたが遠くて花の構造がわかりません。

これでキク科? まだ蕾でしょうか?

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 やっと近くで撮れましたがピンボケ。

ソフトに載せてできるだけ拡大しました。

やはりモミジガサの花はキク科の特徴を備えた管状の頭花のようです。

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淡緑色の総苞の中に小花が5つ。

白い筒状の花弁が5裂して開くと、中から雄しべの葯(黒い部分、5本合着)が伸び、さらにその中から雌しべが花粉を押し出しながら伸び出して2裂して柱頭となる。

キク科の両性花のおさらいでした。

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これで満開。

キクやタンポポでは中央にたくさん固まっている筒状花が、モミジガサではバラバラになっていると考えればよかったのですね。

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タマアジサイ

   玉紫陽花  アジサイ科アジサイ属の落葉低木

 学名: Hydrangea involucrata

 分布:福島県岐阜県琉球諸島

 花期:7〜9月

 

 入り口近くからアジサイが目につきます。

もう8月も下旬、アジサイの季節ではないはずなのにと思って近づくと少し雰囲気が違います。

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蕾が球形! これぞ、タマアジサイ! 初めての観察です。

蕾はきれいに苞葉に包まれています。

葉は大きくて先が尖り、表面は両面ともザラザラし、縁は細かい鋸歯状。

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開花すると苞葉は脱落。

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装飾花は白色で花弁は4枚。

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 両性花は淡紫色。花弁は5枚が多そうです。 

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タマアジサイは園内あちこちで見られました。

種子で増えたのでしょうか?

園内は大木の日陰になるところもあり、無帽でも気にならない散策でした。

まだまだ花は色々咲いていましたが、続きは次回に。



 

中禅寺湖へ

昨秋転居以来初めて、息子一家とドライブ旅行に行って来ました。

宿泊は中禅寺湖畔、中学校の修学旅行以来60余年ぶりに訪れる日光です。

行きは「い」〜「ね」まで20カーブの第二いろは坂(1965年開通)。

帰りは「な」〜「ん」まで28カーブの第一いろは坂、今は一方通行ですが中学生の時はここしかなくて、往復とも対面通行で通ったはずです。

幸い、3日とも雨に濡れることなく、時間にも追われず良 い旅でした。

宿の窓から見る中禅寺湖、右は男体山

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華厳の滝 日本三名瀑のひとつ)

エレベーターで降りてさらに階段合計70段を含む地下通路を歩くと観瀑台へ出ました。

爆音とともに97メートルの高さから中禅寺湖の水が滝壺に落下!

豪快です! 中段からの細い滝は「十二滝」。

この落水量は茨城県日光土木事務所が中禅寺湖の水位から調節しているのだそうです。

今年5月までは雨が少なく毎秒1.3トン、7月12日からは2.5トンに増量中と。

小さいコンデジしか持ってこなかったのが悔やまれます。

 

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 水しぶきを上げて渓谷を下ります。白と碧の動画!

下流は大谷川(だいやがわ)。

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展望台右手に聳り立つ柱状節理の岸壁。

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観瀑台の端から見えた滝。

意外にも険しい崖に黄色の花が咲いていました。

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 イタリア大使館別荘記念公園

ここへ行くには湖畔の遊歩道を歩かねばなりません。

しかし両側から古木が茂ってトンネル状になり、木漏れ日の下は涼しく、左手には湖面が見え隠れするので楽しみながら歩けます。

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太い幹が地衣類で覆われています。

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灰緑色の濃淡が美しく、コーテイングしたかのようです。

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株立ちの若木がありました。

この太さの幹にもすでにコーティングは始まっています。

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葉の形からもブナの木でしょうか?

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と、突然こんな建物が現れました。

2色の杉皮が大胆に壁に貼られた建築は今まで見たことがありません。

設計はアントニン・レーモンド(ライトのもとで学び帝国ホテル建設の際来日)。

 1928年(昭和3年)にイタリア大使館の夏季別荘として建造。

 1997年(平成9年)まで歴代の大使が使用されたそうです。

その後は栃木県が買い取り、修理復元して公開されています。

2階の寝室には歴代大使の写真が並べてありました。

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入館料200円。1・2階全室見学可。

左側全面のガラス戸からは中禅寺湖が一望できます。

内装にも杉皮がたっぷり使われていました。

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椅子が大小あるのは男性用・女性用の配慮とか。

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 天井は竹と組み合わせた幾何学模様。

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ろうそくに火をつけたらすぐ晩餐会が始まりそう。

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2階には寝室が3つあり、それぞれにベッドが二つづつ。

内外ともに壁は杉皮張りのパッチワーク、建物全体が工芸作品という感じでした。

暖炉の石積みの曲線も楽しい。

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南面は湖がよく見えるよう全面ガラス張りです。

2階は見事な杉皮の市松模様、実は老朽化したため改修、今年4月リニューアルオープンしたばかりだったようです。

近くで見るとガラスはところどころ揺らいでいて昭和のレトロガラスかと思われます。

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桟橋もあり、ここへ中禅寺湖の遊覧船が発着できるようです。

但し、これは今年6月開設されたばかりで、帰宅後ネットで知った情報です。

1920〜1930年代はこの近くに40軒の外国人別荘が建ち、国際避暑地となりました。

夏は湖畔外交が展開され、ヨットレースも行なわれたそうです。

しかしその後の戦争ですべて衰退!

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ゆっくり湖を見ていたら「鹿がいますよ」と声を抑えた誘いの声!

大使館のすぐ裏の木立ちの中を二頭のシカの後ろ姿が見えました。

この大使館に泊まられた(?)歴代大使の方々はもっといろんな自然を体験なさったことでしょう。

近くに英国大使館別荘記念公園もあります。

次は日光植物園です。

 

                                                                                                                                                                                

真夏の上げ床花壇

転居後10か月、土が露出していた庭も徐々に緑で覆われつつあります。

レイズドベッド(上げ床花壇)では秋に植えたビオラが6月初めまで咲き続けました。

それまでに横に広がる小花の苗を株間に植え込み、徐々にビオラを抜去。

やはりこの高さだと縁に腰掛けて植え替えができるのでとても楽でした。

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次は盛夏を乗り切る耐暑性の花が望まれます。

さて選んだ花は?

新しい花の名前が覚えきれませんので私自身のために名を記しておきます。

左からロベリア アズーロコンパクト、ペチュニア ホワイトメモリーズ、

ピンクの八重咲きベゴニア。

後ろのマサキには植物園で買った紫色のクレマチスを這わせました。

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 左の端にはコンボルブルスが下垂中。

苗の仕入先は車で行きやすい2軒の園芸店と稀にネットショップです。

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ドウダンツツジは6本とも元気に育っています。

花壇左からロベリア リチャードソニー、姫月見草、ロベリア アズーロコンパクト。

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ロベリア リチャードソニーはチョコレート色の茎が横に這う強健種。

花は疎らにつき、花の長さ<2cm、花弁が尖っています。

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ロベリア アズーロコンパクトは花が密集しドーム状に咲くのが特徴。

花の長さ<1.5cm、下方3枚の花弁先端は円い。

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 二種のロベリアの右は斑入りのハーブ「オレガノ カントリークリーム」。

このハーブはとても丈夫で発育旺盛、左下の白い部分が花です。 

ロベリア リチャードソニーが侵入しています。

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このオレガノは生育よく葉だけでも充分ですが、白または淡い藤色の花が咲きました。

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紫色はスーパートレニア カタリーナ。

どんどん横に広がり、トレニアより頼もしい品種です。耐寒性はありません。

ピンクの花は八重咲きベゴニア、この酷暑にもめげず次々と開花しています。

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ペラルゴニューム シドイデス

南アフリカ原産のペラルゴニュームが通販で入手できました。

シルバーを帯びた葉や茎とワインレッドの花とがシックな雰囲気を醸し出しています。

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花を拡大。花径約15mm。魅惑的な色合いです。

耐寒性ありとのことですが、この花壇で越冬できるかどうか?

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ペラルゴニウム オーストレイル

深緑色の葉が土を覆い、ところどころに清楚な白い小花が散房状に咲きます。

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花の直径は約1cm。

オーストラリア原産で耐寒性もあるようですから、繁殖を期待しています。

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この花壇は家の東側にあり、この酷暑の朝日をまともに受けます。

やはり上げ床花壇の宿命として水遣りが欠かせません。

姫月見草はこの中では最も華奢な花、元気な写真を撮り逃してしまいました。

辛うじての1枚。

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立秋は過ぎたもののまだまだ残暑が続きそうですね。

それでも愛知県の暑さに比べるとやや楽かとは思いますが、春からせっせと植えてきた花たちが枯れないよう水遣りもたいへんです。

ブログに残しておきたいことがいろいろありますが、なかなかまとまりません。頭の回転も手足の動きも鈍くなって睡魔に負ける日々です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウスゲとヤマユリ

  ユウスゲ

  夕菅 

  ワスレグサ科(←ユリ科) 別名 キスゲ

       学名: Hemerocallis citrinai var. vespertina

ユウスゲは私のブログのタイトル(夕菅の庭・夕菅の日記)の花、新しい庭にも移植したいと思っていました。

しかし愛知県の庭のユウスゲにはアブラムシが沢山付いていましたから、友人が自分の畑で育てた健康なユウスゲを後から送って下さることになりました。

 

3か所に植えたユウスゲは無事冬を越し、3株とも蕾ができて2株は開花中です。

午後4時ころより開花。葯も順に開いてオレンジ色の花粉が見え始めました。

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今年は雨が多く、止んだ時は風が吹いて写真が取り辛い。

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でもこれで「夕菅の日記」も裏付けが出来ました。

この日は3花開花。朝にはしぼむ一夜限りの花です。

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幸せなひとときも束の間、またまたアブラムシを3株全部に発見、愕然としました。

愛知県で悩んだのと同じく キスゲフクレアブラムシ です。

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小さな幼虫から羽のある成虫までサイズもまちまち。

大きなお腹の有翅型のメス。

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大小様々な幼虫は色も様々、ロウ状物質で覆われると白く見えます。

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こんなに小さいのに白い幼虫もいます。

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このアブラムシは一体どこから来たのでしょう。

ようく見ると茎にも幼虫の集団を見つけました。

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拡大してみると左の葉にもおそらく幼虫が残したであろう小さい褐色のしみがたくさん付いています。

今年のアブラムシはまだ少ないので手指やピンセットで簡単に除去できました。

とにかく今年は見つけ次第捕ることにしましょう。     

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送って下さった友人は肥料をたっぷり与えればアブラムシは出ないといわれます。

初めが肝心、施肥と観察で様子をみましょう。

 

ヤマユリ

 山百合 

 学名:Lilium auratum( auratum =「黄金色の」)

 分布:東北地方から近畿地方に自生。北海道・四国・九州には栽培品が野生化。

 花期:7月

ヤマユリはユリの王様と言われるように最も豪華なユリです。  

昨秋、花友達にいただいた球根が4月に発芽、2株とも大きく育って開花しました。 

初めに咲いたのは東庭のヤマユリ、これは3輪目が開花したところです。

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直径20cmを超える大輪が横向きに咲きます。右はクレマチス

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 最後は4輪揃い咲き、辺り一面に芳香が漂いました。

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一足遅れて中庭のヤマユリも元気に開花。

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最後はこちらも4輪揃い咲き。さすがに王様の貫禄です。

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今年は栄養も陽当たりも良い位置でたくましく育ちました。

 長雨のおかげで水遣りも不要になり、庭の植物たちはしっかり根付いたようです。

 





 

 

 

 

 

 

 

 



 

ナツツバキの落花

6月25日の朝、苔の上にナツツバキの落花を発見。

今年の初花です。

ナツツバキは一日花、前日咲いた花でしょう。

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梅雨の晴れ間に懐かしい花を撮りました。

この木は昨年転居に伴い、愛知県から移植したものです。

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前の庭に植えてから41年目。樹高は5mくらいでしょうか。

引っ越しには耐えたものの、かなり剪定されて今年は花数も少ないようです。

連日曇り空で花は見にくい。

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ナツツバキの幹はいつも抽象画のようで楽しい(4月14日)。

冬の間はもっと赤っぽい木肌でした。

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 6月30日

この日は雨に叩かれて次々と落花。f:id:yuusuget:20190705021510j:plain

 

落ちた花は花弁の傷みも少なくもったいない!

ナツツバキは雌しべを残して花弁と雄しべが一塊のまま落下します。

 中心に穴が開いていることが落花の証し。

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夕方、大声で呼ぶ声に気付いて庭に出ると、芝生に白い帯!

えっ? 後期高齢者作のモダンアート

今日落ちた花が一列に並んでいました。

確かに雨上がりの芝生に映えて美しい。

芝生はすぐ近くに住む息子の作品、やっと生え揃ったところです。

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翌日 帯はさらに伸びました。

左のピンク(ベゴニア)に始まり、右の方にはタイワンツバキの紅い落ち葉も。

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 3日目の夕方、5才の孫が来ました。

新しい落花を拾って来て、あっという間に様変わり! 

初めの花達は縮んで褐色になっています。

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 歌いながら踊ってくれました。

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今年は花数が少ないと思っていましたが、こうして数えてみるとたくさん咲いたいたのですね。

こんなふうに落花を楽しんだことは初めてです。

落ちた花達は小さな菜園の作物の残りと共に庭隅で堆肥になります。

 


ナツツバキの花についてはかって「夕菅の庭」に記しました。

https://yuusugenoniwa.blog.so-net.ne.jp/2017-07-05

 






 






 

 

 

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初夏のつくば植物園

つくば植物園の初夏の花の中から、初対面の花を数種集めました。

 

中央にある池に架かった橋の名は「つくばね橋」。

5月9日、その向こうが白い花で霞んでいました。

なんの花でしょう?

ツクバネウツギ! そうか、それで「つくばね橋」になったのですね。

 

ツクバネウツギ

イカヅラ科 の落葉低木、 本州・四国・九州に分布する日本固有種。

学名:Aberia spathulata 

アベリアの仲間です。

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 白い花に付く5枚の赤紫色の萼片。

これが羽子板遊びの衝羽根(ツクバネ)を想わせたのでしょう。

f:id:yuusuget:20190620170210j:plain花冠の内側のオレンジ色の編模様も斬新です。

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キンラン

ラン科キンラン属 

学名: Cephalanthera falcata 

分布:日本(本州、九州)、中国、朝鮮。

5月3日、奥のほうの広葉樹林帯で初めてキンランに出会えました。

ポツンポツンと落ち葉の中や通路にひょっこり立ち上がって咲きます。

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木漏れ日の下、花はほとんど蕾か半開状態。

 この1本だけ、辛うじて中の花粉塊が見えました。

(どれも画面をクリックすると大きくなります。)

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5月9日、帰りがけに突如輝くような黄色の集団を発見。

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イテア・ユンナネンシス

ズイナ科ズイナ属(←ユキノシタ科)の常緑中低木、中国原産。

学名:Itea  yunnanensis   

レースの紐が風に揺れるよう。

花はズイナにそっくりですが、葉に光沢があります。

コバノズイナの仲間です。

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小さな花は花弁5枚、雄しべ5本、雌しべ1本。

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 キスツス・キプリウス

ハンニチバナ科ゴジアオイ属の常緑低木

学名:Cistus cyprius

原産地:南欧北アフリカ

これも初めて見る花、ムクゲ日の丸に似ていますが明るい妖気を感じます。

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 左下の花を拡大してみます。

5枚の白い花弁の基部に深紅の斑点。

雌しべは沢山の濃黄色の雄しべに囲まれています。

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セイヨウニワトコ

レンプクソウ科(←スイカズラ科)の園芸品種 、樹高2〜9m。

学名:Sambucus nigra'Black Lace' 

原産:北アフリカ〜ヨーロッパ、西アジア

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咲き始めは淡いピンクの小花が密集して20cmくらいの散房花序になります。

ニワトコもセイヨウニワトコも古くから薬用植物として栽培されてきました。

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 ノゲシ

ケシ科の越年草

学名:Glaucium flavum

分布:地中海沿岸、西アジア

かわいい黄色の花の周りに長〜い果実がニョキニョキ。

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5〜8cmの橙黄色の花弁が4枚。

葉や茎はアルカロイドを含み有毒ですが、種子には含まれず搾った油は食用になるそうです。

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ホソナガバミズアオイ

 細長葉水葵

ミズアオイ科の多年生草本

学名:Pontederia cordata var.lancifolia

分布:北米東部

水辺に美しい薄紫色の花穂が見えました。

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花穂の周りに6弁科の花が並んでいます。

花は下から順に開くそうです(画面をクリックしてご覧ください)。

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 6月4日、遠く淡路島からブログで繋がった友人とそのお友達が来て下さいました。

つくば植物園も全部ご案内したかったのですが、術後の脚では中央部がやっと。

植物の説明もろくろくできず、申しわけないことでした。

植物も待った無し、やはり、その日その時の記録をブログに残すしかありませんね。