つくば植物園 〜2024「夏の花」

今夏は歴史的な酷暑、庭にすら出たくない日が続きます。

例年でも真夏は植物園へ行っていませんが、今夏は初めから諦めました。

今回は未掲載の「つくば植物園で撮った夏の花」です。

 

キキョウ

桔梗 キキョウ科の多年草 Platycodon grandiflorus

分布:日本・朝鮮半島・中国・シベリア東部。

6月22日に「つくば夏の洋蘭展」に行った時、西の花壇のキキョウが見頃でした。

新たに植栽されたのでしょうか? こんなにきれいに咲いていたのは初めてです。

 

カルドン(↓)の周りを囲むように植えられ、行儀良く咲いています。

 

キキョウの花は合弁花冠で五数生。

 

属名のPlatycodonは「広い鐘」という意味だそうで、花は5枚の花弁が合着した広鐘型。

蕾は膨らんだ風船のような形をしていることから英名は「バルーン・フラワー」と。

 

キキョウが雄性先熟の花であることは「盛夏の庭の花 2021」に書きました。

初めは雄性期で5本の雄しべから花粉が出ます。

 

花粉が出終わってから中央の雌しべの柱頭が5裂に開きます。

 

カルドン

  キク科チョウセンアザミ属の多年草

学名:Cynara cardunculus

分布:地中海沿岸・カナリア諸島

キキョウに囲まれてアザミのような蕾を付けたシルバーリーフの植物が育っていました。

これがカルドンです。

 

間もなく咲きそうです。

 

2019年7月28日つくば植物園で撮ったカルドンの花です。

 

紫色のアザミのような美しい花です。

 

しかし花後は近寄りがたくなりました。

 

アーティチョーク

和名:チョウセンアザミ 朝鮮薊

英名:Artichoke

学名:Cynara scolymus

古代ギリシャ時代からカルドンの茎・根・蕾は料理に使われていたようですが、これを改良したのが「アーティチョーク」、大型アザミです。

蕾の状態の総苞片の基部を茹でて食べます(ヨーロッパの春野菜)。

江戸時代に渡来したそうですが、日本では普及していませんね。

残念ながら私はまだ見たことも食べたこともありません。

 

 

シカクヒマワリ

四角向日葵  キク科の多年草

学名: Tetragonotheca helianthoides L.

分布:北アメリ

 

シカクヒマワリの花は6〜8月に開花します。

草丈は1〜2mありますが、花の直径は10cmくらい(2021.7.29.)。

 

一見、ヒマワリというよりキクイモに近い印象でした。

 

特徴は茎にあります。茎が円くなくて四角です。

 

冬季、枯れた茎が横たわっていました。

四角の枯竹のような印象でした(2021.1.21.)。

 

アスチルベ ’エリカ’

 ユキノシタ科チダケサシ属の多年草

学名:Astilbe arendsii  'Erika'

草丈:60〜90cm

開花:6〜7月

チダケサシ属は約25種あり、日本・中国・ヒマラヤ・北アメリカに分布。

属名のアスチルベギリシャ語の「a(無)とstilbe(立派、光沢)」からなり、花があまり派手ではないことによると。

 

また日本に自生するチダケサシは昔、信州地方でこの茎に食用キノコのチダケを刺して持ち帰ったことから名付けられたそうです(朝日百科植物の世界5−276)。花は淡紅色。

アワモリショウマ(泡盛升麻 学名:Astilbe japonica)の花は白色。

その他、日本にはオオチダケサシ・アカショウマ・トリアシショウマ・モミジバショウマ・ヒトツバショウマなどが各地に分布しています。

 

園芸界での「アスチルベ」はドイツのゲオルク・アレンズが育成し1908年発表したアワモリショウマ、中国産のアスチルベ・キネンシス、アカショウマなどの交雑種から始まったようです。

華やかな園芸種はもう「a(無)とstilbe(立派、光沢)」から「a(無)」を返上しなければならないほどですね。