夏の山野草 つくば植物園2021

はや9月、今朝は急に涼しくなりました。

遅ればせながらつくば植物園の夏の山野草を記録しておきます。

今夏は長い梅雨が明けた7月後半から連日30℃を超える日々でした。

少し涼しかった7月27日、朝9時から久しぶりに植物園に出かけました。

目的はレンゲショウマ、今春ブナ林を歩いたとき、近くの小川のほとりにレンゲショウマの群落を見つけていたからです。

 

レンゲショウマ

  蓮華升麻 キンポウゲ科、レンゲショウマ属の多年草

       1属1種の日本の固有種。

  学名:Anemonopsis macrophylla

 

つくば植物園の中では最も高い所に 標高800〜1600m付近の山地に見られる落葉広葉樹(ブナ・イヌブナ ・ミズナラ・シラカバなど)が植栽されています。

その下に流れる小川の周りは夏なお涼しい散歩道、レンゲショウマが茂っていました。

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思い思いに長く伸ばした茎から枝分かれして多数の円い蕾がぶら下がっています。

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どれも俯いて咲き、絶えず風になびく花はしゃがめぬ身には撮影困難です。

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花の直径3〜4cm。外側に花弁のように並ぶのは萼片で7〜10個。

雄しべを囲むように内側に並ぶ花弁は10〜13個で淡い紫色を帯びています。

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 たまたまキタキチョウが訪れていました。 

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葉は大形で美しく、243出複葉、互生。

小葉は卵形で長さ4〜8cm、縁には不規則な鋸歯があります。

木漏れ日の下にやさしい緑色がふんわりと広がっていました。

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アキノタムラソウ

淡い紫色の花が静かに咲いて「山路来て何やらゆかし」の雰囲気です。

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キレンゲショウマ

すでに終盤のようですが1輪だけひっそりと開花していました。

これはアジサイ科キレンゲショウマ属、「黄花のレンゲショウマ」ではありません。

俄雨がぱらぱらと、でも折り畳み傘持参でしたから大丈夫。

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コバギボウシ

群落をつくって横並び。オオバギボウシより優しい印象です。

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ヒオウギ

前の庭でヒオウギだと思って植えて繁茂したのは「キャンディリリー」という園芸種でした。

本物のヒオウギは花弁に斑点があり、ひっそりとした佇まいでした。

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ヒゴタイ

六甲高山植物園で見てから10年余、やっと満開の花を見ることができました。

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カノコユリ(鹿の子百合)

 学名:Lilium speciosum

 分布: 四国、九州、台湾・中国の一部

園芸種かと思うほど華やかなユリですが、江戸時代後期シーボルトによってヨーロッパに紹介され、1830年代の園芸誌に「もし美しさにおいて最高のものがあるとすれば、それは間違いなくこの花である」とまで書かれました。

私は2019年7月25日にもここでこの花を見ましたが、今年の方が美しい佇まいでした。

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和名は花被片の基部に「鹿の子絞りのような乳頭状突起がある」からと。

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ヤマユリが「ユリの王様」ならばこのカノコユリが「ユリの女王」でもいいと思うのですが、現在「ユリの女王」と呼ばれているのはオリエンタルハイブリッドといわれる「カサブランカ」で カノコユリヤマユリ・ヒメサユリ・タモトユリなどを交雑してオランダで育成された大輪種です。

 

参考「カサブランカ2021.7.15.市内で撮影

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やはり植物園はいいですね。

でも1時間ほどで首に巻いた保冷剤入りスカーフも生温くなり、脚も疲れました。

車で7〜8分、家に帰ると周りの道路がしっかり濡れていました。

局所的な俄雨があったようです。