ミツガシワ
三槲
ミツガシワ科ミツガシワ属の多年草(一属一種)
学名:Menyanthes trifoliata
ミツガシワは西シベリアでは第三紀斬新世(3800万〜2400万年前)から存在し、氷河期を越えて北緯35〜75度範囲に分布、日本では鮮新世(510万〜170万年前)末期には東北地方から近畿地方まで広く分布していたことが化石の種子の鑑定によって確かめられているそうです(朝日百科植物の世界2-312)。
つくば植物園では広い池で大切に育てられています。
一般には4〜8月に咲くようですが、3月24日 もう花が咲き始めていました。
水中に這っている太い地下茎から花茎が立ち上がっています。
花茎の高さは20〜30cmくらい。
花は直径1〜1.5cmくらいで白色。蕾の先端のピンクが初々しい。
4月2日 すでに葉も花も密生。
4月9日。開花が進みます。
葉は3枚の小葉からなる複葉で無毛。
「ミツガシワ」は3枚の小葉が家紋「三つ柏」に似ているとして名付けられたようです。
総状花序に20〜30個の花をつけ、下から順に開花します。
花冠は深く5〜6裂し、内側に縮れた白毛が密生。
雄しべ5〜6本、雌しべ1本。
花柱が長く柱頭が突出する長柱花(↓)と、花柱が短く雄しべの葯の方が柱頭より長く突き出る短柱花があります。
ここでは6裂した花冠が多い。
4月14日。木製の遊歩道が優しい。
この遊歩道は花を観察しやすく楽しい小径です。
長柱花と短柱花は株によるらしいのですが、今までの写真は皆、長柱花でした。
種子が成熟するのは長柱花のみのようです。
これからもこの遊歩道を歩きながら観察したいと思います。