ショクダイオオコンニャク

ショクダイオオコンニャク

 燭台大蒟蒻 サトイモ科コンニャク属の植物

学名:Amorphophallus titanum

自生地:インドネシアスマトラ(別名:スマトラオオコンニャク )

 

1月19日、暖かい日差しに誘われ、つくば植物園に行くことにしました。

ところがいつもは静かな植物園の入り口に満車の立て札、警備員が旗を振っていて入れません。

何事かと携帯で検索すると18日世界最大の花・ショクダイオオコンニャク開花と。

開花は2日間だけ、それも数年に一度だそうです。

やはりもう一度出直すことにしました。

3時過ぎ再訪、今度は辛うじて入園できました。

 

受付でいただいた「コンニャク新聞」に掲載されていた写真です。

満開時の花序は高さ2m32cm、直径86cm。

f:id:yuusuget:20200127222532j:plain 1月18日(土)22時半。

 

 特設の入り口を通り行列の末見たのは怪物のような花、正しくは花序でした。

下半分のひだを寄せたような部分が仏炎苞、上の灰色の部分が付属体。

今回の満開は1月18日21時半だったそうです。

この写真は19日15時47分撮影、すでに仏炎苞がしぼみかけていました。

       f:id:yuusuget:20200126222314j:plain 

 

咋年11月6日 この大きな鉢に重さ67kgの塊茎を移植。

12月16日 発芽。その後は濃緑色の鞘状葉に包まれて成長。

1月 2日  付属体出現、これで花芽と確定。

1月13日 花芽を包んでいた鞘状葉が枯れて剥落。 f:id:yuusuget:20200126225333j:plain 1.19.15.43.写

1月14日 仏炎苞のフリル部分が赤くなり高さ220cmに。

18日夜 ついに開花、湯気が出て、キャベツが腐ったような臭いがしたそうです。

19日にはもう仏炎苞の赤いフリル部分が少しづつ萎んでいきます。 f:id:yuusuget:20200126225522j:plain 1.19.15.48写

 

 1月19日夕方、仏炎苞に小窓が開けられたことをHPで知りました。

20日は月曜、普段は休園日ですが特別開園。行ってみましたがやはり満車。

翌21日の11時にもまだ満車、また午後出直し辛うじて駐車、温室に直行!

確かに仏炎苞の下方に 小窓が開いていました。

f:id:yuusuget:20200127010356j:plain                              2020.1.21.13:57写

カットした仏炎苞の窓部分と採取された花粉。

仏炎苞の内部は暗赤色です。

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窓の中。上に雄花、下に雌花が整然と密に並んでいます。

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精一杯拡大すると上の雄花周りには花粉が一部は糸状になって付着。

雌花は子房・花柱・柱頭の模型のよう。

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通路にはいろいろな説明展示がありました。

自生地での花粉の運び手「シデムシ」の説明、花の色素(5種類のアントシアニン色素)・臭いの成分(ジメチルトリスルフィドなど)の解析結果など 熱がこもっていました。

 

これはショクダイオオコンニャクの芋(塊茎)です。

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芽の出始め。

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葉の展開(前2鉢)。

長い葉柄と大きな葉、これだけ合わせて一枚の葉だそうです。

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ショクダイオオコンニャクの花が咲くのは自生地でも珍しいことだそうです。

日本での開花記録は今回で19例目。

つくば植物園では2012年から一年おきに咲き今回が5回目、最多記録です。

その他は神代植物園4回、フラワーパークかごしま3例、小石川植物園2回など。

つくば植物園のショクダイオオコンニャク育ての親たちは娘のお産に立ち会う母親のようにいつ開花するか気をもみ、つきっきりだったようです。

 さらに詳しい経過をご覧になりたい方は下の「コンニャク日記」をどうぞ!

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追 記

 ショクダイオオコンニャクは開花時の悪臭のためか、2009年にイギリス王立園芸協会が行ったインターネット投票では「世界で最も醜い花」に選ばれたそうです。