つくば植物園プロムナードの左側の「温帯資源植物中央」にはいろんな実が落ちています。今回は最も目立つ3種をまとめてみました。
センダン
初夏の郊外を運転中、高木に淡紫色の花がふんわり咲いているのを見て、センダンかなと思うことがありますが運転中は注視もできません。
この植物園にも高木がありますが花は毎年見逃しています。
10月頃 羽状複葉の葉の下にたくさんの黄緑色の実が下垂していました。
小枝が落ちていることがあって、センダンの果実が観察できました。
果実は長さ1.5cmの楕円球の核果(10月下旬)。
11月、次第に落葉して果実だけが残ります。
12月になれば葉は全て落ち、黄色の実が青空に広がっていました。
12月の落果には縱溝が見られました。
中は5室に分かれ、長さ1cmくらいの細長い種子が5個入っているそうです。
ここの植物園では果実を拾うことが禁じれているので、中を確認出来ないのが残念です。
果実をヒヨドリやカラスが食べて空き地や道端に生えることがありますが、サポニンを多く含み、人や犬には有害だそうです。
樹皮は暗褐色で縦に裂け目が入っています。
苔むした太い幹、樹令何十年でしょうか。
<番外> これは2013年1月13日愛知県三川公園で撮ったセンダンの実です。
別名:カナメノキ
1月下旬。夥しい落果に驚きました。
これが「チャンチンモドキ」の果実でした。
長さ約2.5cmの偏球形の核果(石果)。
ウルシ科は大多数が1室性の子房ですが、チャンチンモドキには5室あるそうです。
外果皮は黄色、ほんのり赤くなるものもありました。
果実は食べられるが、もちもちして食べにくくあまり美味しくないとか。
チャンチンモドキの幹。
まだ枝に残っている果実もありました。
花はまだ見たことがありません。
チャンチンの花は白色、チャンチンモドキの花は赤褐色だそうです。
高木なのに雌花8mm・雄花5 mmだそうですから落花しか見られないかもしれません。
10月中旬。葉も果実もまだ緑色でした。
葉は奇数羽状複葉。
11月下旬 黄葉。
11月下旬の黄葉。
チャンチンを知らないものにはハゼノキやウルシの葉に似ていると思えました。
大木ながらウルシ科に納得です。
12月初旬、落葉後。外果皮も次第に黄色になります。
ハンカチノキの花については すでに2019年の記事に書きました。
今日はその果実を追加します。
ハンカチノキの果実
5月3日 やっと見つけた雌しべ ( ↓ 左の緑色の部分)。
果実が育ち始めました。
6月2日。艶やかな楕円球形の若い果実が出来ていました。
7月28日 さらに大きくなった果実。
高い枝に残った果実(10月下旬)。
11月下旬。葉が落ちて緑紫色の果実だけが下垂。
後の葉と小さい果実はチンチャンモドキ。
1月下旬 美しい果実が落ちていました。
果実は長さ3.5cmの核果(石果)。
薄い果肉の下に硬い核があり、その中に3〜5個の薄い種子が入っているそうです。
これからはこれら3種の果実に関しては落果でも鑑別できそうです。
今年はセンダンとチャンチンモドキの花が見られるよう、上を向いて歩いてみます。