ハンカチノキ 2019(つくば植物園)

ハンカチノキ

 ヌマミズキ科ハンカチノキ属(←ミズキ科←ハンカチノキ科)の落葉高木

 学名:Davidia involucrata

 分布:中国西南部の山地

 Armand David(フランス出身の神父・生物学者が初めて報告したため

 Davidia と命名されたそうです。

 白い2枚の苞葉が美しく、ハンカチの木(Handkerchief tree)とか、鳩の

 木(Dove tree)とか呼ばれることも頷けます。

 

つくば植物園のハンカチノキは驚くほど高木です。

しかし、低いところにも枝が出ているため花を近くで見ることができます。

5月2日、初めて見たハンカチノキの花。

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風ではためいて、いかにも枝に結んだ白いハンカチのようです。

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苞葉の間の球形のものが花?

この花には花弁や萼片は無く、多数の雄花と一個の両性花からなる頭花を形成するのだそうです。

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 苞葉は乳白色で大小2枚。大きい苞葉は15〜20cmくらい。

残念ながらもう少し早く来るべきでした。

すでに雄花は黒くなり散りかけています。

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辛うじて1花、赤っぽい未開の葯が密集した花(花序)をみつけました。

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赤っぽい葯が開くと花粉が出て、葯は小さい黒っぽい点状に見えます。

雌しべのある両性花は見当たりませんね。

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やっと緑色の雌しべが見つかりました。

左中央部に突き出している緑色の部分です。

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 5月9日、子房が 円く膨らんでいました(左の花)。

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 雄しべはほぼ脱落し果実が育ちつつあります。

果実は長さ3.5cmくらいの石果になるそうですからまた楽しみです。

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つくば植物園の「植物図鑑」によればこの大きな苞葉には「フラボノイド」が多量に含まれているのだそうです。

フラボノイドは生物に有害な紫外線を吸収する働きがあり、この日傘が紫外線をカットし可視光だけを通す「すぐれもの」であることがこの植物園の研究者らによって明らかになったと記されていました。

 

「つくば植物園」 について

今まで「筑波実験植物園」と記載していましたが、そのホームページに

平成16年5月 植物園の名前(通称)が「つくば植物園」に決定」 と

記載されているのに気付きこのブログでは親しみを込めて「つくば植物園」

と記すことにしました。

それに伴い、今までの「筑波実験植物園」も「つくば植物園」と置き換えま

した。