キレンゲショウマ など

キレンゲショウマ

黄蓮華升麻 アジサイ科キレンゲショウマ属の多年草

学名:Kirengeshoma palmata 

 

前回つくば植物園のキレンゲショウマを載せましたが、この花は愛知の庭にもありました。

  →   夕菅の庭「キレンゲショウマ

しかし毎年きれいな花を見るには至らず、暖地では無理と半ば諦めていました。

こちらへ来た翌秋(2019年)、野菜市場の傍の園芸店でキレンゲショウマと書いたポットを見つけ、2個衝動買い。北側通路脇に植込みました。

翌2020年春2株とも元気に芽生え、掌のような葉を展開。

f:id:yuusuget:20210918110756j:plain

 

7月28日1花開花しました。

f:id:yuusuget:20210918112535j:plain

 

ところが愛知でも取り憑かれた「クロウリハムシ」に食害され、この1花が咲いただけで終了しました。

そのまま放置していたら今春2株とも元気に発芽しました。

2021年5月8日。

f:id:yuusuget:20210917171443j:plain

 

中央に小さな蕾を見つけました。

f:id:yuusuget:20210917171535j:plain

 

7月31日 蕾をつけた茎が光を求めて木塀の外に伸び出しています。

f:id:yuusuget:20210917171640j:plain

 

8月25日 たいへん! またクロウリハムシの襲来!

何十匹かの虫がいて、人の気配がするとたちまち飛び立ってしまいます。

後に残るのは ほんの例外!

f:id:yuusuget:20210917172530j:plain


柔らかい葉から食べられます。蕾まで!

f:id:yuusuget:20210917173827j:plain

 

虫が逃げ去った後の葉、私がいなくなると虫はすぐ戻ってきます。

無農薬を心掛けてきた庭ですが、我慢できず、とりあえずハマキムシに使った薬の残りを撒いてみました。

f:id:yuusuget:20210917174129j:plain

 

9月13日、薬は9割くらい効いたようです。

ツリバナの葉影でクロウリハムシの被害を免れた蕾が大きくなってきました。

f:id:yuusuget:20210917174814j:plain

 

9月17日、辛うじて開花。クロウリハムシはツリバナの葉は食べません。

f:id:yuusuget:20210917175231j:plain

 

下の方にもうツリバナの実が開いていました。

その下はカンアオイです。

f:id:yuusuget:20210917175428j:plain

 

ツリバナの実。

f:id:yuusuget:20210917175713j:plain

 

キレンゲショウマの花はいつも半開。

f:id:yuusuget:20210917174734j:plain

 

下から覗くとやっと雄しべが見えます(9月17日)。

f:id:yuusuget:20210918134527j:plain

 

9月19日朝、落下した花弁5枚がきれいに下の葉の上に並んでいました。

雄しべは15本、雌しべの花柱は2本に見えますが、拡大してよく見るとやはり3本です。

f:id:yuusuget:20210919103215j:plain

まだ蕾もありますが、クロウリハムシもいて心配です。

 

ナツズイセン

 夏水仙 ヒガンバナ科

 

玄関の横が突如明るくなりました。

植えた覚えがないのにナツズイセンが咲いていたのです。

たしかにここには一時、何かわからぬ大きな葉が出ていました。

前の土地所有者が植えられた球根が残っていたのでしょう。

f:id:yuusuget:20210918014140j:plain


ダンドク

 檀特 カンナ科ダンドク属

 

昨年咲いたダンドクは寒波で株ごと枯れてしまいましたが、埋めてあった種子は芽を出し、また元気な花を咲かせました。

f:id:yuusuget:20210916180623j:plain

 

ツルボ 

 蔓穂 キジカクシ科 ツルボ属の多年生草本

常緑ヤマボウシの根元に細い葉が出て淡いピンクの細かい花が咲きました。

f:id:yuusuget:20210918101907j:plain

 

パッパッと開く線香花火のような花です。

つくばでは道端に野草として咲いていますが愛知では見たことがなかったのです。

f:id:yuusuget:20210918015132j:plain

 

このところ少しバタバタしていましたが、植物の世界に戻ると落ち着きます。

 



夏の山野草 つくば植物園2021

はや9月、今朝は急に涼しくなりました。

遅ればせながらつくば植物園の夏の山野草を記録しておきます。

今夏は長い梅雨が明けた7月後半から連日30℃を超える日々でした。

少し涼しかった7月27日、朝9時から久しぶりに植物園に出かけました。

目的はレンゲショウマ、今春ブナ林を歩いたとき、近くの小川のほとりにレンゲショウマの群落を見つけていたからです。

 

レンゲショウマ

  蓮華升麻 キンポウゲ科、レンゲショウマ属の多年草

       1属1種の日本の固有種。

  学名:Anemonopsis macrophylla

 

つくば植物園の中では最も高い所に 標高800〜1600m付近の山地に見られる落葉広葉樹(ブナ・イヌブナ ・ミズナラ・シラカバなど)が植栽されています。

その下に流れる小川の周りは夏なお涼しい散歩道、レンゲショウマが茂っていました。

f:id:yuusuget:20210830141707j:plain

 

思い思いに長く伸ばした茎から枝分かれして多数の円い蕾がぶら下がっています。

f:id:yuusuget:20210830153025j:plain

 

どれも俯いて咲き、絶えず風になびく花はしゃがめぬ身には撮影困難です。

f:id:yuusuget:20210830171637j:plain

 

花の直径3〜4cm。外側に花弁のように並ぶのは萼片で7〜10個。

雄しべを囲むように内側に並ぶ花弁は10〜13個で淡い紫色を帯びています。

f:id:yuusuget:20210830152623j:plain

 

 たまたまキタキチョウが訪れていました。 

f:id:yuusuget:20210902111904j:plain

 

葉は大形で美しく、243出複葉、互生。

小葉は卵形で長さ4〜8cm、縁には不規則な鋸歯があります。

木漏れ日の下にやさしい緑色がふんわりと広がっていました。

f:id:yuusuget:20210830152404j:plain

 

アキノタムラソウ

淡い紫色の花が静かに咲いて「山路来て何やらゆかし」の雰囲気です。

f:id:yuusuget:20210901182036j:plain

 

キレンゲショウマ

すでに終盤のようですが1輪だけひっそりと開花していました。

これはアジサイ科キレンゲショウマ属、「黄花のレンゲショウマ」ではありません。

俄雨がぱらぱらと、でも折り畳み傘持参でしたから大丈夫。

f:id:yuusuget:20210831170558j:plain

 

コバギボウシ

群落をつくって横並び。オオバギボウシより優しい印象です。

f:id:yuusuget:20210831163859j:plain

 

ヒオウギ

前の庭でヒオウギだと思って植えて繁茂したのは「キャンディリリー」という園芸種でした。

本物のヒオウギは花弁に斑点があり、ひっそりとした佇まいでした。

f:id:yuusuget:20210831181402j:plain

 

ヒゴタイ

六甲高山植物園で見てから10年余、やっと満開の花を見ることができました。

f:id:yuusuget:20210831163823j:plain

 

カノコユリ(鹿の子百合)

 学名:Lilium speciosum

 分布: 四国、九州、台湾・中国の一部

園芸種かと思うほど華やかなユリですが、江戸時代後期シーボルトによってヨーロッパに紹介され、1830年代の園芸誌に「もし美しさにおいて最高のものがあるとすれば、それは間違いなくこの花である」とまで書かれました。

私は2019年7月25日にもここでこの花を見ましたが、今年の方が美しい佇まいでした。

f:id:yuusuget:20210831164201j:plain

 

和名は花被片の基部に「鹿の子絞りのような乳頭状突起がある」からと。

f:id:yuusuget:20210831180532j:plain

 

ヤマユリが「ユリの王様」ならばこのカノコユリが「ユリの女王」でもいいと思うのですが、現在「ユリの女王」と呼ばれているのはオリエンタルハイブリッドといわれる「カサブランカ」で カノコユリヤマユリ・ヒメサユリ・タモトユリなどを交雑してオランダで育成された大輪種です。

 

参考「カサブランカ2021.7.15.市内で撮影

f:id:yuusuget:20210902103803j:plain

 

やはり植物園はいいですね。

でも1時間ほどで首に巻いた保冷剤入りスカーフも生温くなり、脚も疲れました。

車で7〜8分、家に帰ると周りの道路がしっかり濡れていました。

局所的な俄雨があったようです。

ノスリ・カラス・スズメ

ノスリ

 鵟 タカ目タカ科ノスリ属の1種

 学名 :Buteo japonicus

 分布:シベリア・モンゴル・中国・日本

 全長50〜60cm 

 

8月14日、前日からの雨で庭にも出られません。

お昼はうちで冷麦、「いただきまーす」と言った直後でした。

「大きい鳥が居る!」主人の視野に入ったようです。

慌てて箸を置き、カメラを持って窓辺のカーテンの蔭へ。。

雨に濡れた大きな鳥らしきものが見えました。

鳥との距離 約7m!

たいていカメラを向けた瞬間に鳥は飛んでいってしまいます。

ところがこの怪鳥は............じっと横を向いたまま動きません。

まず1枚パシャリ! まだ逃げません!

たしかに大きい! こんな鳥は見たことがありません。

f:id:yuusuget:20210815001748j:plain

 

あ、こっちを向いた! ふくろうのような顔? 

黄色いたくましい足。 

f:id:yuusuget:20210815002720j:plain

 

半歩右に寄って真正面から構える。 まだ逃げない!

f:id:yuusuget:20210815003200j:plain

 

尾羽が美しい。

逞しい足。爪が長く、弯曲しています。

f:id:yuusuget:20210815013048j:plain


うわっ! 飛びそう!

f:id:yuusuget:20210815010258j:plain

 

変な格好?  尾を上げています!

実は後から画像を見て気付いたのです。下に白い長い物が.........

これは排泄直後でした。

鳥には飛翔する前に排泄する習性があるようです。

ヒトはアンモニア尿素に変え、水に溶かして排泄しますが、鳥は水に溶けにくい尿酸として「フン」と一緒に総排泄口から出すのだそうです。

これも身軽にするための進化上の選択だったのでしょうか。

f:id:yuusuget:20210815010409j:plain

 

また穏やかになりました。

と思ったらシャッターも間に合わぬ速さで飛び立ってしまいました。

8月14日13時9分 見つけてからわずか3−4分! 

f:id:yuusuget:20210815010436j:plain

 

 後で調べるとこの鳥は「ノスリ」であろうと思われました。

 ノスリについては私どもの古い友人の熱のこもったブログがありますので添付させていただきます。

 いのちはるかに「ノスリ」

 ↓(なぜかリンクできませんが続きに「ノスリ」Ⅱ もご覧ください。)

 のっそり見えて優れた飛翔「ノスリ」Ⅱ -いのちはるかに

空を舞うノスリの姿にほれぼれしました。

 

ハシボソガラス

 嘴細烏 スズメ目カラス科カラス属の鳥

 学名:Corvus corone

 

2021年1月23日

つくばいにはカラスが水を飲みに来たこともあります。 

ハシボソガラスのようです。

全長50cmほどだそうですから「ノスリ」とあまり変わりません。

こうして見るとこの黒の羽模様もなかなか美しいですね。

f:id:yuusuget:20210815014401j:plain

 

水が足りない?  

カラスにはもう来て欲しくないからいいや。                              

f:id:yuusuget:20210817020656j:plain

 

真正面の顔。

f:id:yuusuget:20210817183847j:plain

 

 

スズメ

  雀 スズメ目スズメ科スズメ属に分類される鳥類の1種

 学名: Passer montanus

 

2021年7月6日。

スズメは砂浴びと思っていましたが、今年は初めてスズメの水浴びを見ました。

入ろうか否か、随分迷っていました。

どうしたのかな?

よく見ると幼鳥だったようです。

f:id:yuusuget:20210815015939j:plain

 

意を決して水に入りましたが、羽ばたかずじっとしていました。

最近、他の方のブログでスズメも水浴びすることを知りました。

f:id:yuusuget:20210815020017j:plain

 

 小さな庭にノスリが舞い降りてくれるとは真夏の白昼夢のようでした。

対比するためにカラスとスズメを添えました。

折しも古き良き友人より久しぶりに電話があり、「ノスリ」リンクのお願いができました。

コロナ第5波の勢いが止まりません。昨日はつくば市も過去最多でした。感染者の減少を願って止みません。

 

 

 

 

盛夏の庭の花 2021

盛夏の庭 2021

当地へ来て早くも3年目の夏を迎えました。

前の庭は広過ぎてもう腰椎術後の高齢者には管理しきれなくなっていました。それでも少しは欲しい緑の空間、こちらの庭は今のところ程よい広さです。

毎日庭を一周、雑草を見つけたらすぐ抜く、これで何とか保っています。但し芝刈りは近くに住む息子に一任、芝生の上の落ち葉は主人の担当です。

今回は厳しい暑さの中で開花した庭の花々を記録します。

 

モミジアオイ 

 紅葉葵 Hibiscus coccineus アオイ科宿根草 北米原

夏空高く真紅の大きな花が開き、1日で散ります。今年は2mほどになりました。

ひそかに与謝野晶子のような花と思いつつ楽しんでいます。

f:id:yuusuget:20210807084630j:plain

 

 シロバナモミジアオイ は清々しい。

モミジアオイ は他のアオイ科の花に比べて葉巻虫(ワタノメイガ)が着きにくいようです。

f:id:yuusuget:20210807085231j:plain

 

ユウスゲ

 夕菅  ワスレグサ科の多年草 Hemerocallis citrinai var. vespertina

南庭のユウスゲ常緑ヤマボウシ(右)やアジサイアナベル’が繁茂したため居間から見えなくなり、今春移植しました。

肥料をしっかり与えればアブラムシがつかないと教わって実行したところ、たしかに今年はアブラムシもつかず、花がたくさん咲きました。

f:id:yuusuget:20210805162220j:plain

 

ユウスゲは16時くらいから開花し始めます。

17時32分の画像、オレンジ色の円板がが大通りの樹間に浮かんでいました。 

f:id:yuusuget:20210805224659j:plain

 

13花も開花、この株は花弁が幅広くややたくましい(7月21日)。

f:id:yuusuget:20210806114942j:plain


 東庭のユウスゲの方が典型的な花の形ですっきりしています。

16時20分 開花したばかりのシャープな花(7月8日)。

f:id:yuusuget:20210806113030j:plain

 

 珍しく昆虫の訪問を目撃しました。 

f:id:yuusuget:20210806015406j:plain

  

 タイタンビカス

 アオイ科フヨウ属宿根草  Hibiscus x Taitanbicus 

タイタンビカスは2009年日本で生まれたアメリカフヨウとモミジアオイ の交配種です。

昨年は葉巻虫(ワタノメイガ)に悩まされましたが、今年は元気に開花。直径20cm以上の大きな花は道行く人を驚かしています。

f:id:yuusuget:20210806165025j:plain

 

その右後に今年は新しい花が咲き始めました。

f:id:yuusuget:20210808115302j:plain 

 

ユーパトリウム  リトルジョー

    Eupatorium dubium 'Little Joe' 

今春いつもの園芸店に「フジバカマ リトルジョイ」と手書きされた苗がありました。葉の形からヒヨドリバナ(Eupatorium makinoi) と思って1株購入。

チョコレート色の茎が真っ直ぐ伸びて私の背丈ほどに育ち、ピンクの花が咲きました。

f:id:yuusuget:20210807090516j:plain

 

確認すると 花の名は「ユーパトリウム リトルジョー」でした。

北米産の大型フジバカマを小型化して1.5mくらいにした園芸品種です。

さて、これにはアサギマダラは来てくれないでしょうか?

f:id:yuusuget:20210807090816j:plain

 

パイナップルリリー 

    Eucomis autumnalis キジカクシ科エウコミス属の球根植物

  和名 ホシオモト(星万年青)

  分布 アフリカ南部 (日本には明治末期に渡来)

前の庭にもありましたが発育不良、これは愛知県の友人からいただきました。

これは1昨年の写真ですが、花を見れば確かに「パイナップル」ですね。

披針型の葉を多数根生。

f:id:yuusuget:20210810175426j:plain

 

今年は大株になったのに、周りの木が繁り過ぎて日陰の花になってしまいました。

草丈60〜90cmもあります。来年は日向に植え替えましょう。

f:id:yuusuget:20210806162609j:plain

 

直立する花茎に径約2cmの白黄色の花を多数総状花序につけます。

花弁6枚、雄しべ6本、雌しべ1本。数えてみたら1茎に70花以上ありました!

先端は葉状の苞だそうです。

f:id:yuusuget:20210810175755j:plain

 

ハナツリフネソウ

2020年7月23日の記事にしたハナツリフネソウ、今年は南の塀の蔭にも移植しました。

北側より花付きが良く大株に育ちましたが、暑い日は日中ぐったり、やはり直射日光が当たらぬところの方が適地でした。

今年は何故かマルハナバチの訪問が少なく、花が美しく保たれました。

反面、弾けて楽しい実も少なく静かです。

f:id:yuusuget:20210808114811j:plain

 

咲いたばかりの花。昨年は無傷の花を撮るのが困難でした。

早朝の開花を待ってマルハナバチが飛び込んだからです。

f:id:yuusuget:20210810121300j:plain

 

 キキョウ

 桔梗 キキョウ科の多年草 Platycodon grandiflorus

秋の七草に数えられるキキョウは梅雨の頃から咲き始めます。

何か心懐かしい花、静かに咲いていて欲しいのですが、徒長して倒れやすいのが欠点です。

花は雄性先熟の典型。右の花のようにまず雄しべが熟して花粉を出します。

f:id:yuusuget:20210809173055j:plain

 

花粉を出し終えた雄しべは下に倒れ、雌しべ(中心の青い部分)が現れます。

柱頭は5裂して小さな白い花のようです(右)。左は蕾、これは折り紙の風船のよう。

f:id:yuusuget:20210809180256j:plain

 

ペチュニア 

 ナス科ペチュニア属に属する草本  Petunia x hybrida

 和名:ツクバネアサガオ   原産:南アメリカ

 晩秋レイズドベッドに植えたビオラは今年も5月になっても咲き続けました。

5月11日 ビオラの間にペチュニアの花を発見。

昨年植えた「ペチュニアさくらさくら」です。愛知の庭では越冬させたことがありません。

当地は昨冬最低気温−8℃! よく越冬したものです。

f:id:yuusuget:20210806173055j:plain

 

せっかく咲いているのを抜くことができない、大胆な切り戻しもできない性分が災いして、

毎夏花の植え込みが遅れます。

ペチュニアは花期が長くて丈夫、夏の花壇の花形ですが、私にとっては華やか過ぎて抵抗があります。その中でこの「さくらさくら」はピンクと白色を組み合わせて時々植えました。

今年は白色はもう売り切れ、ピンクばかり2株追加したので少々派手になり過ぎました。

f:id:yuusuget:20210810031606j:plain

 

 高齢者の転居は孤立を招き易いとも言われますが、幸い私どもは緑が多く、買い物も楽で、植物園やプールに恵まれた当地を終のすまいとして良かったと感謝して暮らしています。

思いもしなかったコロナ禍、それも近くに息子一家がいて幸いでした。

友人にはもう1年半もお孫さんに会えない方も多く、お気の毒でなりません。

 

 

サラセニア

連日の猛暑と新型コロナウイルス第5波の中で強行されつつあるオリンピック。

こんな時にはと撮りためた写真の整理をすることにしました。

  

 サラセニア・レウコフィラ

サラセニア科ヘイシソウ属の食虫植物・多年草

学名:Sarracenia leucophylla 

 和名:アミメヘイシソウ(網目瓶子草)

原産地:北米南東部

 

2019年10月24日。

つくば植物園の中央広場の水辺で初めてこの植物と対面しました。

怪しくも美しい不思議な植物、誰もいない空間でゆっくり見ることができました。

葉は 高さ1mにもなる筒状で、上部には白地に紫紅色と緑色の網目模様があります。

お酒を入れる瓶子に似るとて和名は網目瓶子草。

しかし花のように美しい葉には捕虫嚢としての仕掛けがありました。

f:id:yuusuget:20210722021940j:plain

 

 最上部の蓋の腹面や開口部の縁から蜜を分泌して昆虫をおびき寄せます。

ところがこれらの部分や筒状部の内壁には鋭い下向きの毛が生えていて、ここに入った昆虫は這い上がることができず、深くまで落ち、最終的には消化されてしまいます。

養分の少ない土壌から得られない窒素・リン酸・カリなどを吸収する仕組みだったのです。

f:id:yuusuget:20210723165951j:plain

 

あ、ハエのような昆虫が入ってしまいました!

周りの捕虫嚢を覗くと底の方に昆虫らしい黒い影が見られ哀れ。

f:id:yuusuget:20210722163511j:plain

 

美しくも怪しく恐ろしい捕虫嚢。

赤いのは昨年の捕虫嚢です(2019年11月27日)。

f:id:yuusuget:20210722221439j:plain

 

冬の情景(2020年1月30日)。

f:id:yuusuget:20210722163534j:plain

 

まだ紅紫色を保っている葉もあります。

f:id:yuusuget:20210722221807j:plain

 

2021年5月12日、サラセニアは一変、花の季節を迎えていました。

1m前後に立ち上がった花茎の頂端に直径8cmもの赤い花が咲いています。

f:id:yuusuget:20210725165420j:plain

 

太い針金のような 花茎と3枚の苞、5枚づつの萼片と花弁からなる花。

f:id:yuusuget:20210725124055j:plain

 

華やかな赤い花。

上で水平に開くのは萼片5枚。下に垂れるのが花弁5枚。

f:id:yuusuget:20210722165008j:plain

 

花弁が散ると花の内部が見えます。中央は花粉を出し終えた雄しべです。

その下のこうもり傘を逆さにしたように開いているのは何でしょう? 

なんと これは変形した雌しべの一部でした!

f:id:yuusuget:20210724020808j:plain

 

花粉を出し終えた雄しべが散りつつあります。

雌しべの方は中央の帯緑色の塊が子房。続いて赤い花柱。

f:id:yuusuget:20210722174041j:plain

 

その下にこうもり傘のように大きく開いているのは花柱板(追記 7/27 京都府立植物園情報より)。

花柱板の先端(傘の露先の部分)にある小さい突起が柱頭。 

昆虫が花粉と蜜を求めて入るとき、この柱頭に他花の花粉が付く。次いで雄しべに触れて花粉が傘の中に落ち、昆虫はその花粉を付けて他花へ運ぶという仕組みです。

この画像を拡大した時やっと理解できました。

f:id:yuusuget:20210722172127j:plain

 

2021年6月17日 果実が大きくなり、花も葉も緑色を帯びていました。

f:id:yuusuget:20210722222821j:plain

 

また新しい葉も出始めています。

f:id:yuusuget:20210722223143j:plain

 

 果実は球形の蒴果。

秋までにゆっくり熟し、裂け目から500個ほどの種子が落ちるそうです。

f:id:yuusuget:20210723022648j:plain

 

隣にもう一種「サラセニア  アラータ」がありますが、まだ花を見たことがありません。

アメリカ南部原産で網目模様が無い種です(2019年11月27日)。

f:id:yuusuget:20210725152308j:plain

 

 2019年からの画像を整理するうちに柱頭が確認できて、やっと花の構造が理解できました。
サラセニア属にはこの他にもムラサキヘイシソウ、キバナヘイシソウなどがあります。

サラセニアの花は蜜や花粉でハナバチを呼び、葉は異臭でハエなどを誘い獲物とするという二つの昆虫利用手段を用いて生き延びてきた強者でした。

しかし今回この苗が通販で販売されていることを見つけ、またまた驚きました。

ヤマユリ と オウゴンオニユリ 2021

ヤマユリ

山百合 ユリ科ユリ属の多年生草本

 学名:Lilium auratum

 分布:東北地方から近畿地方に自生。北海道・四国・九州には栽培品が野生化。

 花期:7

 

7月3日 東の花壇でヤマユリが開花しました。

その左は虫に食べられて切らざるを得なかった茎です。

辺りに芳香が漂っています。

f:id:yuusuget:20210711212934j:plain

 

7月4日 無常の雨の中さらに2花開花。

f:id:yuusuget:20210711211802j:plain

 

7月7日までに次々と10花開花しました。

2018年の秋に埋めた球根から1茎伸びて翌2019年7月に4花開花。

しかし2020年は1花も咲かなかったのでもうダメかと思っていました。

株元を見ると花茎は6本、うち4本が開花。辺り一面の強い香りに酔いそうです。

f:id:yuusuget:20210711183426j:plain

 

世界のユリの中で最も豪華華麗といわれるヤマユリ

直径20cmを超える大きな花です。

花の黄色い条線から英名では gold lily とかqueen of lilyとよばれ愛されてきました。

外花被片3枚、内花被片3枚。雄しべは6本、雌しべ1本。

f:id:yuusuget:20210711221724j:plain

 

未開の葯。

f:id:yuusuget:20210711232018j:plain

 

葯が開いて花粉が出始めます。

f:id:yuusuget:20210711232822j:plain

 

満開。花粉がこぼれています。

f:id:yuusuget:20210711233023j:plain


7月8日16時

折しもユウスゲが5輪咲いて共演になりました。

ピンクと真紅の花はこんなにヤマユリが咲くと知らずに植えてしまったサルビアの新顔です。

7月13日朝、ヤマユリの花殻を除きました。 夢の様な10日間でした。

f:id:yuusuget:20210711234103j:plain

 

もう1株の方はどうなったのでしょう?

この写真は2年前初めて開花した南庭のヤマユリです(2019.7.21.)。

これも東庭のヤマユリと同じく、昨年は咲きませんでした。

f:id:yuusuget:20210713114946j:plain

 

そして今年は? 

5月16日、花芽が ありません! 何か黒いものがたくさん付いています。

虫のふん? それにしては大きい。

f:id:yuusuget:20210713021621j:plain


 やっと犯人を見つけました。ユリクビナガハムシです。

黒い塊の中にいたのはこんな赤いお洒落な昆虫の幼虫でした。

自分の糞でカムフラージュしていたのです。

1か月後土の中で蛹になり羽化したのがこの赤い成虫!

球根には被害はありませんから、また来年の開花を期待しましょう。

f:id:yuusuget:20210713013422j:plain

 

オウゴンオニユリ

黄金鬼百合 オニユリの変種 ユリ科ユリ属の多年生草本

学名: Lilium lancifolium var. flaviflorum

分布:対馬のみ

 

愛知県からむかご苗の状態で転居、昨年4花咲きましたが、今年北の株はオルレアに取り巻かれてしまいました。

6月14日開花。今年は花よりむかごがよく育っています。

f:id:yuusuget:20210714150843j:plain


 南庭に植えたオウゴンオニユリは下方の葉にユリクビナガハムシの被害が見られました。

しかし幸いにも蕾はほぼ無事でした(2021.6.10.)。

f:id:yuusuget:20210713022126j:plain

 

北の株から遅れること2週間余、7月3日開花しました。

f:id:yuusuget:20210714145105j:plain


下の方の葉や蕾には虫害の痕が見られますが、花は次々と開いていきます。

 右はアナベルユウスゲ

オウゴンオニユリは下から順に咲きますから、まだ楽しめそうです。

f:id:yuusuget:20210713012919j:plain

 

それから昨年埋めたむかごがたくさん育っています。これは来年のお楽しみ。

オウゴンオニユリオニユリと同じようにむかごができます。

愛知県にいたとき差し上げたむかごを育てて上手に花を咲かせた方がきれいな写真を送って下さいました。

f:id:yuusuget:20210714181553j:plain


対馬では絶滅が危ぶまれたオウゴンオニユリはこうして各地の愛好家の間で育てられている様です。

またすでに販売もされています。

むしろ何故自生地で絶滅しかけたのか不思議なほどです。

 

スカビオサ(西洋松虫草)咲く庭

(セイヨウマツムシソウスカビオサ

西洋松虫草 マツムシソウスカビオサ属の2年草又は多年草(まれに1年草)

学名:Scabiosa atropurpurea

原産:ヨーロッパ南部

日本にはマツムシソウ(Scabiosa japonica)が自生していますが、園芸店で販売されているのは主にScabiosa atropurpureaです。

 

青いビオラの間に咲くピンクの花がセイヨウマツムシソウスカビオサ)。

Scabiosaはラテン語疥癬Scabiesからきたもので皮膚病にきくからと。

f:id:yuusuget:20210628115634j:plain

 

昨年ブログに載せようとしましたが、果たせずに終わりました。

花はキク科と同じく頭状花序、周りに総苞片があります。

f:id:yuusuget:20210628172833j:plain

 

膨らんだ蕾の間から黒い棘が突き出して何か怪しげです。

f:id:yuusuget:20210628172548j:plain

 

頭状花では個々の花を小花(ショウカ)と言います。開花は中央部の小花(筒状花)から始まりました。

f:id:yuusuget:20210628120646j:plain

 

頭花満開。直径約4cm。

辺縁の大きめの小花は舌状花。中心部の筒状花から雄しべが伸びています。f:id:yuusuget:20210628120757j:plain

 

花冠が枯れて脱落し、黒い毛が伸びてきました。

f:id:yuusuget:20210628171033j:plain

 

頭花は球形の果実になります。緑色の部分は萼、黒い毛も萼が変形したものです。

ではその周りの白っぽいものは何でしょう。

朝日百科植物の世界の「マツムシソウ」には「子房は周りを小苞が取り巻く」と記載されています。

小苞とは「萼片と苞との間に出る小さな葉」。.......難しくなってきました。

f:id:yuusuget:20210628171316j:plain

 

球状の果実が出来上がりました。

     f:id:yuusuget:20210701231045j:plain


昨年レイズドベッドに植えたブルーのスカビオサは越年してまた開花し始めました。

f:id:yuusuget:20210701162743j:plain

 

スカビオサ ドラムスティック

学名:Scabiosa stellata 'Drumstick'

 

これは今春たまたま苗を見つけて購入してしまったものです。

f:id:yuusuget:20210628163951j:plain

  

左上の白い花がスカビオサ ドラムスティックの初花です。葉は羽状複葉。

右は零れ種で生えたニゲラ(クロタネソウ)。

f:id:yuusuget:20210628164111j:plain

 

花は同じく頭状花序。辺花は帯青色で5裂、外側の裂片が大きい。

小花の周りを囲む萼にはすでに小さい棘が見えます。

f:id:yuusuget:20210628164546j:plain

 

小花は白色で未開の葯はピンク、中心に雌しべが1本突出します。

f:id:yuusuget:20210628165300j:plain

 

花が咲くや、早々と花冠は枯れて脱落、個々の小花は傘状に開いて頭花は球状に変身。

そのままドライフラワーになります。直径3〜3.5cm。

小花中央の黒い星形は萼が変形したものです。

それでは傘型の部分は何でしょう?

f:id:yuusuget:20210628170707j:plain

 

これをピンセットで抜いてみました。傘型の部分は硬く触れるとチクチクします。

その下の子房のまわりは柔らかい毛で覆われていました。

f:id:yuusuget:20210701173231j:plain


 さらに熟した果実では萼から伸びた星形マークも脱落します。

f:id:yuusuget:20210701173259j:plain

 

これを縦に割ると種子が現れました! 縦約4mm。

種子は傘に守られながら落下するのでしょう。

f:id:yuusuget:20210701173321j:plain


この傘の部分は植物学的には何でしょう?

検索するうちに「新しい用語の提案 : マツムシソウ科果実における被萼」という論文を見つけました( 須山知香、植田邦彦. 2007. 分類7巻2号p.111-20.日本植物分類学会)。

今までの文献では「小総苞」・「小苞片」などと記載されてきましたが、新たに「被萼」が提案されています。

また星形マークは「萼筒刺状部」と記されていました。

素人がいくら悩んでも分からなかったのは当然でした。

 

f:id:yuusuget:20210702002417j:plain

スカビオサが咲く庭の塀の向こうには今、タチアオイが華やかです。

これは隣のお庭の花ですが、今年は特に見事です。

花は下から咲き進んで天辺の花が咲く頃梅雨が明けると言われます。

我が家の庭では白色のアジサイアナベル’と青いアガパンサスが見頃です。