「青花銀梅草」
朝日百科 植物の世界によれば:
ギンバイソウ属は東アジアの固有種で、日本と中国にそれぞれ1種自生する。
日本の固有種は白梅を思わせる花が咲く 銀梅草 Deinanthe bifida 。
中国湖北省の固有種は青紫色の花が咲く ディナンテ・カエルレアDeinanthe caerulea 。
一昨年北側の日陰の庭に近くの園芸店で求めた「青花銀梅草」を植えました。
昨年花は咲きましたが 花の位置が低く見頃の時期を逃しました。
今年は花茎が12本立ち上がり、草丈40〜70cm。
葉は対生で楕円形、大きい葉では葉身20cmにもなり、先端が2裂、昔の握り鋏のような形をしています。
花がまたユニーク!
茎の先端に10個ほどの花が散房状に付き順次開花。
花の色は青というよりむしろ藤色で花弁5枚と萼片5枚。
花の直径 3〜4cm(日本のギンバイソウは直径2cm)。
花の中央に雌しべが1本、その周りを多数の雄しべが取り巻く。
右は球状の蕾。
花を裏面から見ると萼片が見易い。
トラマルハナバチが来ています。
白いホタルブクロと共演です。上の葉はキレンゲショウマ。
雄しべの葯も開いたようですが、花粉が少ない?
雌しべの柱頭に花粉がついていないのが気になります。
そういえばトラマルハナバチも一度見たきり。
花弁と雄しべは惜しげもなく散っていきます。
後にはのっぺらとした萼片と雌しべ。そして次の蕾が膨らみます。
装飾花
ギンバイソウには3枚の萼片から成る装飾花が1花茎に数個あるようです。
この青花銀梅草には1花茎に1個あるか無しかです(ピンクの花↓)。
花弁と雄しべが落ちた後も子房が膨らむ様子が見られません。
人目に触れにくい後方の一茎を生花用に切りました。
明るいところで雄しべを観察。雄しべの数が多いこと!
葯は開いているようですが、花粉は出ていないようです。
枯れた花を拾ってきて雄しべを数えてみました。その数 約200本!
黒い漆のお盆に載せたら細かい粉! 少しは花粉も出ているようです。
日本固有種の白花の「ギンバイソウ」には蒴果が出来ますが、昨年この銀梅草には実は付きませんでした。
今年もまだどの花にも子房が膨らむ様子は見られません。
ネット検索すると花の掲示はありますが、実は見当たりません。
と、ある生産者からの説明に「青花銀梅草は日本原産のギンバイソウと中国の青花ギンバイソウの交配種です」と明記されているのを見つけました。
そうだったのですね! それで花粉が少なく、実ができない!
このところの悩みから解放されました。
ということは青花とはいえ中国の固有種のディナンテ・カエルレアとは異なるものということになります。
このブログでは花の名前はカタカナで書いてきましたが、この花については商品ラベル通りの漢字で「青花銀梅草」としておきます。
でもこの花は珍しい、手間いらずの日蔭の園芸種としてこれからも私の庭の名物になるでしょう。