プセウドボンバクス
学名:Pseudobombox ellipticum
2021年5月12日、「イジュ」の花が見たくて温室に入りました。
実は温室は蒸し暑く、レンズも曇るのでいつも敬遠しがちだったのです。
どこ? 見つかりません。
偶々通った作業服の女性に尋ねると親切に導いて下さいました。「あれです。」
それは高い温室の天井近くの枯れ枝に残る1輪の花。赤い矢印の左です。
明らかに「イジュ」ではありません。
マクロレンズで何とかここまで拡大。
今まで見たことがない花の美しさに見惚れました。
さあ、この花は何の花?
複雑に伸びた枝を逆に辿ると太い幹に辿り着きました。
名札は「プセウドボンバックスの一種」。
「朝日百科植物の世界」でパンヤ科を調べるとバオバブ・パンヤノキ・パキラ・ドリアンなどが含まれています。
英名は「シェービング・ブラシ・ツリー」。
もうこの1花で花期は終了するようです。次の開花を待ちましょう。
しかし翌2022年は花を見ることができませんでした。
2023年4月2日、葉が繁っていました。
大きな掌状複葉です。しかしすでに落葉準備中のよう。
よく見ると花が二つ見えましたが遠くて接写できません。
近くに学名:Pseudobombox ellipticum の低木を見つけました。
何と低い位置で開花中です。幹の色は緑色。
低い位置に花←が咲いています。
花の経過が見たくて4月は14日・19日にも見に行きました。
まずは蕾(4月14日)。
4月19日 開花していました!
花弁5枚はくるくると巻き、雄しべの束の中から長いめしべが1本伸びています。
既に花弁の1枚が垂れ下がっていますね。
別の花。花弁5枚とも下垂。
近縁のパキラの花は2〜3日で落花するそうです。
落花。花弁と雄しべが束のまま落ちていました。
長い雌しべだけは落下せず残っています。
実を探しましたが、結実したものはなさそうです。
「プセウドボンバックス エリプティクム」は幹も緑色の網目模様があり、盆栽仕立てにして楽しむ愛好者があるようです。
間違って教えてもらったお蔭で今まで馴染みのなかった熱帯の樹木に親しみが湧きました。
バ ニ ラ
ラン科 蔓性着生ラン
学名:Vanilla planifolia
原産:メキシコから南アフリカ
熱帯資源植物温室の入り口近くにバニラの株があります。
4月肉厚の超楕円形の葉と大きな蕾が見えますが、花は見られません。
実は花は一日花で午前中には萎んでしまうとのこと、私が行くのは午後ですから、やむを得ません。花は淡緑色で長さ6cmくらいだそうです。
果実はインゲンマメのように細長く、これを発酵させたものがバニラビーンズ。
これをアルコールに漬けて香りを抽出したのがバニラエッセンスです。
バニラは虫媒花、原産地ではハナシリバチが花粉を運ぶそうですが、植物園では人工授粉されているようです。
バニラ属は世界中の熱帯地域に100種くらいあるそうです。
バニラ・ボルニエンシスは午後にも花が見られました。
バニラ・ボルニエンシス
学名:Vanilla borneensis
原産:インド東部・ボルネオ島
白い花柄が伸びて淡緑色の花が咲きます。
唇弁の中央部はピンク色で白毛が密生しています。
果実も育っています。
4月に植物園に行った時、少々歩き過ぎたようで下腿に紫斑が出てしまいました。
またこれから暑くなるので植物園散策はしばらくできないかもしれません。
今月2日には嬉しい来客あり、今回の記事更新が遅れました。ごめんなさい。