秋の草花(つくば植物園2020)

 

サラシナショウマ

サラシナショウマについては昨年11月20日の記事にしました。

今年は10月24日 訪問、思わず歓声を上げました。

花数が多く、ちょうどこの日が最盛期かと思われる見事な咲きっぷり!

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まだ蕾もたくさんあってしばらく楽しめそうでした。

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ミズトラノオ

 水虎の尾  シソ科 ミズトラノオ属の多年生植物

 学名:Pogostemon yatabeanus  

 分布:日本・中国・韓国 (湿性植物)絶滅危惧II類  

初めて見る花でした。10月18日 ちょうど見頃だったようです。 

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淡い赤紫色の花穂を虎の尾に見立て水辺に生えるからと命名されました。 

細い葉が4枚づつ輪生しています。

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前回 足場が悪くて接写できず、9日後に再訪したときはすでに花期終盤で残念、出来るだけ近くで写した花穂を精一杯拡大しました。

花冠は唇形ではなく4裂し、雄しべが4本づつ突出しているそうですが、この写真でははっきりしません。

雄しべの花糸には長い毛が密生。先端が2裂して Y に見えるのが雌しべです。

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センブリ

   千振  リンドウ科センブリ属の二年草

   学名:Swertia japonica

 和名は「千度振り出してもまだ苦い」ことからと言われ、最も苦い生薬だそうです。

 高さ20〜30cm。見た感じはまことに清楚な花です。

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花径2〜3cm、花冠は深く5裂。花弁には淡紫色の脈があります。

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蜜腺は基部に2個づつあり、その周りに細い毛が生えています。

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雌しべの形はアケボノソウにそっくりです。

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チラシバ

  力芝  イネ科チカラシバ属の多年草

  学名:Pennisetum alopecuroides

手強い雑草として嫌われるチカラシバも踏まれることもなく育てば、紫色のブラシのような花序がなかなか美しいものです。

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「力持ち」と紹介されていました。

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キクタニギク

  キク科キク属の多年草

  学名:Chrysanthemum seticuspe

     Chrysanthemum boreale (Makino)

  別名:アワコガネギク。

どこにでもあるようで、この頃あまり見ないキクが目に入りました。

京都の菊渓(キクタニ)とよばれる奥山に自生していることから名付けられたそうですが、牧野富太郎はこれを「アワコガネギク」と名付けたとか。

分布:東北・関東・近畿・九州北部・朝鮮半島・中国東部

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花径1.5cmほどでシマカンギクより小さい。準絶滅危惧種

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トリカブト

   Aconitum

  鳥兜 キンポウゲ科トリカブト属の総称 

有毒植物として有名なトリカブトは世界に約300種、日本に40種近くあるそうです。

有毒成分はアルカロイドの一種のアコニチン類で、山菜 の季節に間違って食べて中毒を起こしやすい植物ですが、塊根は漢方薬 附子(ブシ)の原料として利用されています。

 

鳥兜は舞楽で用いられる華麗な被り物のことで、鳳凰の頭になぞらえて兜と首の後ろを守る「しころ」から成り、この花の姿に似ています。ここに見えている部分は花弁では無く萼。

(この写真はかって六甲植物園で撮ったヤマトリカブト

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ヤマトリカブト

 山鳥兜 キンポウゲ科トリカブト属の多年草(擬似一年草

    学名:Aconitum japonicum subsp. japonicum 

 分布:関東地方太平洋側

2020.11.6. 美しい青紫色の花が咲いていますが、奥の方で近寄れません。

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ぎりぎりまで拡大。葉は薄く3-5深裂。

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昨年の11月6日にはもっと遠いところに、たくさん咲いていました。

長い茎が目立ちます(80〜180cmと)。

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 オクトリカブト

 学名:Aconitum japonicum  subsp. subcuneatum

 分布:東北日本

オクトリカブトはとくに毒性が強いジテルペン系のアルカロイドを含むそうです。 

つくば植物園では薄暗い湿地にひっそり咲いていました。

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花の構造は複雑で、ここに見えている部分は萼。

左下の花の中心に見える黒い部分が雄しべ。不気味なかんじですね。

その上方に蜜があり、マルハナバチが潜り込むそうです。

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今年はもうどの葉もよれよれ。ヤマトリカブトに比べて葉の切れ込みがやや浅い。

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 もう袋果もたくさんできています。上に尖っている部分が花柱。

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 むつかしそうで昨年はパスしたトリカブト、暗かったり、遠かったりで良い写真が撮れませんでしたが、とりあえず入門です。