新蕎麦の候 2023

やっと訪れた秋、蕎麦は新蕎麦に変わります。

つくばの蕎麦は「常陸秋蕎麦」。

ここは2022.8.23.に記載した大きな水車が回る蕎舎さんの蓮池です。

藕糸蓮の葉は枯れてきましたが、その向こうの畑が赤く染まっていました。


赤いソバは「高嶺ルビー」。

1970年代後半、信州大学の氏原暉男教授がヒマラヤの麓に赤い花を咲かせるソバがあることを知り、ヒマラヤの麓(標高3800mのネパールムスタン県)を訪れて発見されました。

 

しかしその種を育てても日本では気候風土の違いで赤い花は咲かなかったそうです。

その後タカノ株式会社との共同開発によって赤い花のソバ「高嶺ルビー」が誕生。

さらに品種改良し、2011年赤い色が濃い「高嶺ルビー2011」が公開されました。

 

このソバは主に観賞用に栽培されています。

 

2020年の秋にはこんな立札がありました。

 

ダイサギ

道路沿いの蓮池に白いサギがいました。

 

獲物を狙っています。長〜い首!

 

ダイサギかと思います。

 

ここ5年間に何度も訪れましたが、サギを見たのは初めてでした。

 

こちらは広々とした水田の中の蕎麦屋さん。

愛知に比べて稲刈りが早くて驚きます。

庭にはススキやハギがのびのび育っています(2023.9.13.)。

 

ハギは地面を這うように拡がっています。



ススキものびやかに風に揺れていました(10月24日)。

 

こちらの大株は何の花でしょう? 高さ2mくらいありそうです。

 

近寄れば何とフジバカマ! つくば植物園のよりはるかに大株です。

アサギマダラは? お店の方に聞いてみましたがあまり来ないそうです。

 

このお店では夏から秋にかけて、入り口に大きな植木鉢が現れます。

白い花が咲いていました。初めて見る花です。お尋ねすると「オオホザキアヤメ」と。

 

オオホザキアヤメ 

  オオホザキアヤメ科(←ショウガ科)オオホザキアヤメ属の多年草

学名:Chelocostus (Costus) speciosus

別名:フクジンソウ(福神草)

分布:東南アジア、マレーシア熱帯地域

 

葉は茎に螺旋状に着きます。

ショウガ科の葉に似ていますが、ショウガ科の葉は互性。

 

茎の先端に10〜15cmの穂状花序がついて、基部から順次花を咲かせます。

花は一日花、一茎に1日1〜3個しか開かないそうです。

萼は3枚、咲き始めは薄いピンク色で美しい。

 

唇弁は白く縮れて縁は波打っています。直径7〜8cm、大きな花では10cmと。

 

朝日百科植物の世界によれば「この大きな唇弁は5本の仮雄しべに由来し(ショウガ科は2本の仮雄しべに由来)し、稔性のある雄しべは1本、果実中に多くの種子を含む」と。

 

先端まで咲き進んだ穂状花序。最後まであでやかです。

 

地下に肥大した根茎があり、東南アジアでは食用にされるそうです。

最近、日本でも観賞用に栽培されていますが、高温・湿潤・肥えた深い土壌を必要とし、栽培は難しいようです。

オオホザキアヤメについては文献も少なく、私にはまだわからないことが多くあります。

またお蕎麦の後ゆっくり見せていただくのが楽しみです。